最強の生産職

sino

ダンジョンへ

あれから1週間がたち俺達はクラスの半分を騎士団が率いてダンジョンに行くことになった。

「ここがダンジョンの入り口だ。今からここに入ってもらう気を引き締めていくように。」

そして、ダンジョンに入ってからはとても順調だった。まあ勇者達のお陰だけど…。途中の5階層ぐらいまではの話だけど。異常が起きたのはその頃だ。

「ちょ、ここにボタンみたいなんあんねんけど押してみる?」ポチッ
「何してんのよ」

その声と同時に床に魔法陣が映し出された。そして、魔法陣の中から体長3mで体が白い毛で覆われ、羊みたいな角が生え、目が赤い魔獣が出てきた。

「皆、直ぐに地上を目指すんだ!」
「いえ、団長僕達は戦います。」

そう馬鹿な勇者が勝手に決めた。それと同時にみんなが攻撃をしだした。

「おい!お前らやめろこのままじゃ全滅するぞ!」
「閃光ぉぉ。」

すると勇者の剣の刃が眩しい光を帯びて3倍近くの長さになった。

「グォォォォ!」

すると顔からお腹にかけて深い切れ込みが入った。すると、どこからとも無くドデカイ斧を取り出した。それを高速回転しながら振り回し始めた。

「がはっ!」

どんな不幸か一番近くにいた団長が真っ先に戦闘不能になった。すると、団長が声を絞り出して言った。

「光輝お前が壁となり時間稼ぎをしろ。他の戦闘出来るやつは戦いつつ退路を確保しろ。」
「はい…」

すると指示された通り戦闘員は退路を確認し、その他は一斉に逃げ出した。もちろん俺もその最後尾にいた。すると突如水球が飛んできた。どう見ても俺を狙っている。
(やばい、どうしよう。絶対に避けられない。)
そして俺は、魔獣の足元まで吹き戻された。

「グォォォォ」

すると、ここぞとばかりにとてつもない重力がかかった。上を見ると巨大な、太陽みたいな火球が落ちてくる。

「ドゴン」

この音に伴って床が崩れた。下を見るとまるで底など無いような漆黒の闇だ。
(あっ、これ死んだ。)

「嫌、止めて、離してこのままじゃ拓真君が…ヒグッ…ウグッ」

その莉乃の姿を最後に見て俺は、暗闇の中に消えって行った。



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