君は僕の気持ちを知らない
偶然
僕は今病院に来ている。
昨日父さんがギックリ腰になり、この病院に運ばれたからである。
『確か、3階だったよな…』
僕は父さんの着替えだけを持ってエレベーターのボタン押し3階に向かう。
『308号室はここだな。』
扉の横にしっかり永井 隆也と書かれた名札が付いているのでここで間違いないだろう。
ガラ
『よく来たな!樹!』
窓側のベッドで元気よく手を振る父さん。
『まったく、よく来たなじゃないよ…』
僕は呆れながら言う。
『何しけた面してんだよ。』
『しけた面にもなるよ。母さんの前で見栄を張って重たい荷物を持ち上げようとしてギックリ腰になるような親の顔を見れば…』
僕がジト目で父さんを見ながら言う。
うちの両親はこの年にもなってもラブラブで見ていて恥ずかしいレベルだ。
だからこそ、父さんは母さんに見栄張ったのだろう。
『えっと…それはだな…』
父さんは頭の後ろに片手を置き目が泳ぎながらばつが悪そうに笑う。
『はぁ〜父さんもいい年なんだし、そういった事は息子の僕に任せればいいのに…』
『バカ、俺はまだまだ元気だぞ!おっさん扱いするな!』
いや、その結果がギックリ腰だろ…
て言うか、あんたは立派なおっさんだよ…
僕と父は性格が全然似ていない。
どちらかといえば内気な僕と社交的で気合いがあれば何でも出来るみたいな感じの父。
こんなに全然性格が違う親子であるがこれでも僕たち親子は仲が良い方だと思う。
『とりあえず、着替えはここに置いとくから。』
僕はそう言って机に荷物を置く。
『サンキュー!そうだ樹、喉は乾いていないか?父さんが買って来てやるぞ!』
父さんはそう言ってベッドから体を起こそうとすると、
『ぐぅ!』
起こそうとした結果ギックリ腰に響いたのか体が固まっている。
『はぁ〜父さん、自分がギックリ腰になったという事を忘れていただろう。』
父さんはいつもそうだが、何かと自分事は自分でやりたがる。
『僕が買って来るから何か飲みたいものある?』
『すまん…烏龍茶とコーヒーと何か食べれる物を頼む…』
『オッケー。』
僕はそう言って父さんの病室を出て売店に向かった。
僕は買えるだけのお金があるか財布の中身を確認しようとポケットの中から財布出すと
チャリン
ポケットから500円玉が落ち転がる。
何かの偶然か、500円玉はドアが少し開いていた病室に入っていった。
僕は慌てて500円玉を拾おうとそこの病室に入る。
病室に入ってすぐのところに500円玉はあった。
しかし、それよりも最初に目に入ったのはベッドにいる赤いニットを被った小学生高学年か中学生1年生ぐらいの小さな女の子だった。
『どちら様ですか?』
彼女が僕に言った初めての言葉はそれだった。
昨日父さんがギックリ腰になり、この病院に運ばれたからである。
『確か、3階だったよな…』
僕は父さんの着替えだけを持ってエレベーターのボタン押し3階に向かう。
『308号室はここだな。』
扉の横にしっかり永井 隆也と書かれた名札が付いているのでここで間違いないだろう。
ガラ
『よく来たな!樹!』
窓側のベッドで元気よく手を振る父さん。
『まったく、よく来たなじゃないよ…』
僕は呆れながら言う。
『何しけた面してんだよ。』
『しけた面にもなるよ。母さんの前で見栄を張って重たい荷物を持ち上げようとしてギックリ腰になるような親の顔を見れば…』
僕がジト目で父さんを見ながら言う。
うちの両親はこの年にもなってもラブラブで見ていて恥ずかしいレベルだ。
だからこそ、父さんは母さんに見栄張ったのだろう。
『えっと…それはだな…』
父さんは頭の後ろに片手を置き目が泳ぎながらばつが悪そうに笑う。
『はぁ〜父さんもいい年なんだし、そういった事は息子の僕に任せればいいのに…』
『バカ、俺はまだまだ元気だぞ!おっさん扱いするな!』
いや、その結果がギックリ腰だろ…
て言うか、あんたは立派なおっさんだよ…
僕と父は性格が全然似ていない。
どちらかといえば内気な僕と社交的で気合いがあれば何でも出来るみたいな感じの父。
こんなに全然性格が違う親子であるがこれでも僕たち親子は仲が良い方だと思う。
『とりあえず、着替えはここに置いとくから。』
僕はそう言って机に荷物を置く。
『サンキュー!そうだ樹、喉は乾いていないか?父さんが買って来てやるぞ!』
父さんはそう言ってベッドから体を起こそうとすると、
『ぐぅ!』
起こそうとした結果ギックリ腰に響いたのか体が固まっている。
『はぁ〜父さん、自分がギックリ腰になったという事を忘れていただろう。』
父さんはいつもそうだが、何かと自分事は自分でやりたがる。
『僕が買って来るから何か飲みたいものある?』
『すまん…烏龍茶とコーヒーと何か食べれる物を頼む…』
『オッケー。』
僕はそう言って父さんの病室を出て売店に向かった。
僕は買えるだけのお金があるか財布の中身を確認しようとポケットの中から財布出すと
チャリン
ポケットから500円玉が落ち転がる。
何かの偶然か、500円玉はドアが少し開いていた病室に入っていった。
僕は慌てて500円玉を拾おうとそこの病室に入る。
病室に入ってすぐのところに500円玉はあった。
しかし、それよりも最初に目に入ったのはベッドにいる赤いニットを被った小学生高学年か中学生1年生ぐらいの小さな女の子だった。
『どちら様ですか?』
彼女が僕に言った初めての言葉はそれだった。
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