目立ちたくない男の異世界生活【リメイク版】
第3話 宿屋へ行こう(強制連行)
街の中はいかにもという感じのファンタジー世界が広がっていた。
-おおー、これは地球で言うイタリアの街並みをもっと古くした感じだな。しかしほんとにどこの世界も似たような過程を辿って文明が発展してくのか。-
東南アジアの市場のヨーロッパバージョンのような露店が広がっていて、今まで住んでいた日本の地方都市との違いを智樹に感じさせていた。
-ケモミミはおらんのかな〜。いや、エルフさんでもいいぞ‼︎-
この心の声からも分かる通り、智樹はそれなりにラノベを読んだり、ネット小説を読み漁っていた。
「よう、兄ちゃん!うちの宿屋に泊まっていかないかい?」
呑気な事を考えていた智樹に対していきなり女性が声を掛けてきた。その女性は恰幅のいいオバ…じゃなくてお姉さんで、御歳はそれなりに召されているようであった。そして何より目を引くのは頭頂部に生えている耳である。何と、うさ耳が生えているのである。
-ええー‼︎俺の…初ケモミミがこの人オバさんだと⁉︎奪われてしまった…。クソッタレが〜‼︎-
「おい兄ちゃん!聞いてるのかい?」
「はっ⁉︎す、すみませんでした。少し考え事をしながら歩いてんたんでついつい…。あははは…。」
「そうかい?じゃあ、もう一度聞くけどうちの宿屋に泊まらないかい?安くしとくよ〜。兄ちゃんいい男だからね〜。」
昔から智樹はなぜかおばさんやおばあさんウケが良く、小さい頃はそれで良かったのだが、大きくなるにつれて『なぜ俺は若い女性に対しては一切縁がないんだ‼︎』と憤慨していた。
「あはは。俺が良い男なら世界中のほぼ全ての男が超絶良い男ですよ…。フフフフフ…。」
「そ、そうかい…。で、来るかい?」
おば…お姉さんは、智樹からの得体の知れないドス黒いオーラを受けて面食らっていたが、強引に話を戻した。
「それじゃあ、伝手も無いし折角だから泊まらせてもらうよ。よろしくお願いします。」
「そうかいそうかい。そんじゃあ着いて来な。」
-それにしても、普通は何かしらのイベントがあるはずなんじゃ?馬車と盗賊なんかテストに出るとまで言われてるし、絡まれてる女の子を助けるとか…色々とあるはずなのに、なぜ何も起きない⁉︎あえて言おう、俺は三級フラグ建築士であると‼︎-
「急にどうしたんだい?ドヤ顔をして。」
「え、いや何でもないですよ。えーっと、後どのくらいで着きますかね?」
「後少しだよ。…おっと見えてきた。あそこがあたしの宿屋だ。」
「へー。中々立派ですね。なんて名前ですか?」
「宿屋ジビエだよ‼︎この街でもそれなりの大きさを誇ってるんだ‼︎」
智紀はただ呆然とするしかなかったのだった。
-おおー、これは地球で言うイタリアの街並みをもっと古くした感じだな。しかしほんとにどこの世界も似たような過程を辿って文明が発展してくのか。-
東南アジアの市場のヨーロッパバージョンのような露店が広がっていて、今まで住んでいた日本の地方都市との違いを智樹に感じさせていた。
-ケモミミはおらんのかな〜。いや、エルフさんでもいいぞ‼︎-
この心の声からも分かる通り、智樹はそれなりにラノベを読んだり、ネット小説を読み漁っていた。
「よう、兄ちゃん!うちの宿屋に泊まっていかないかい?」
呑気な事を考えていた智樹に対していきなり女性が声を掛けてきた。その女性は恰幅のいいオバ…じゃなくてお姉さんで、御歳はそれなりに召されているようであった。そして何より目を引くのは頭頂部に生えている耳である。何と、うさ耳が生えているのである。
-ええー‼︎俺の…初ケモミミがこの人オバさんだと⁉︎奪われてしまった…。クソッタレが〜‼︎-
「おい兄ちゃん!聞いてるのかい?」
「はっ⁉︎す、すみませんでした。少し考え事をしながら歩いてんたんでついつい…。あははは…。」
「そうかい?じゃあ、もう一度聞くけどうちの宿屋に泊まらないかい?安くしとくよ〜。兄ちゃんいい男だからね〜。」
昔から智樹はなぜかおばさんやおばあさんウケが良く、小さい頃はそれで良かったのだが、大きくなるにつれて『なぜ俺は若い女性に対しては一切縁がないんだ‼︎』と憤慨していた。
「あはは。俺が良い男なら世界中のほぼ全ての男が超絶良い男ですよ…。フフフフフ…。」
「そ、そうかい…。で、来るかい?」
おば…お姉さんは、智樹からの得体の知れないドス黒いオーラを受けて面食らっていたが、強引に話を戻した。
「それじゃあ、伝手も無いし折角だから泊まらせてもらうよ。よろしくお願いします。」
「そうかいそうかい。そんじゃあ着いて来な。」
-それにしても、普通は何かしらのイベントがあるはずなんじゃ?馬車と盗賊なんかテストに出るとまで言われてるし、絡まれてる女の子を助けるとか…色々とあるはずなのに、なぜ何も起きない⁉︎あえて言おう、俺は三級フラグ建築士であると‼︎-
「急にどうしたんだい?ドヤ顔をして。」
「え、いや何でもないですよ。えーっと、後どのくらいで着きますかね?」
「後少しだよ。…おっと見えてきた。あそこがあたしの宿屋だ。」
「へー。中々立派ですね。なんて名前ですか?」
「宿屋ジビエだよ‼︎この街でもそれなりの大きさを誇ってるんだ‼︎」
智紀はただ呆然とするしかなかったのだった。
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