完璧JKには残念な兄が付属する
第2話 玉に瑕
玉に瑕
1
私の兄はニートだ。
それは私が見なくても分かるくらいだ。
普段、家から1歩も出ることはないし更には部屋からも滅多に出ない。
別に、部屋の中で勉強とか仕事をしているのならいい。
でも兄の場合、一般人が見たら気持ち悪いと言われるようなゲームをひたすらやっているだけなのだ。
そして、働く気もない。
つまりニート。
兄はいつもこう言う。
「なんで働かないといけないんだ?」
いや、親不孝も甚だしい。
親を楽にさせてあげようという気はないの?
本当に腹が立つ。
腹が立つのはこれだけではない。
そう、それは昨日の出来事を思い出せば分かること。
この前、私の友達の美紅ちゃんが遊びに来た時。
美紅ちゃんが言っていた言葉。
「イケメンお兄さん」
そう、ニートの癖にイケメン。らしい。
絶対に選ぶ人間違えてるよ、神様。
世の中の男子がどれだけ求めていることだろう…。
結論はこう。
私の兄はクソアニキ。
2
この前の出来事が美紅ちゃんにとってどれだけ印象に残ったのかは分からない。
けどまぁ、変な印象は持たれていなさそうだったし、別にいいよね。
「おはよう!来波ちゃん」
「うん、おはよう!」
美紅ちゃんが私の席の方まで寄って挨拶をしに来てくれた。
「ねぇねぇ、来波ちゃんのお兄さんってどんな人なの?」
っ!痛いとこつくね、美紅ちゃん。
優しそうな顔に似合わないよ。
「そうだね、ハッキリ言えば馬鹿?」
彼女は意外そうな顔をする。
「本当に?真面目そうな人だったけど…」
「ないないないない。絶対、ない!」
真面目?
高校までは確かにそうだったらしいけど、今は社会から出たゴミ。
真面目など1番疎遠な言葉だよ。
「今度遊びに行った時は、お兄さんと話してみたいなぁ」
「やめた方がいいと思うよ?」
ニートの道に引きずり込まれる。そんな気がした。
というか絶対そうだ。
「大丈夫だよ。絶対いい人だって!」
「美紅ちゃんがそう思うなら、別にいいけど」
もし、変なことしようとしたら意地でも止める。
そう心に決めた。
「あ、そうだ。宿題テストの結果、廊下に張り出されてたよ!見に行こっ!」
「うん」
私たちは廊下へと向かった。
3
『うわぁ、来波ちゃんまた1位かぁ』
『誰か勝てるやついないの?』
『去年は1度も1位の座を譲ってないらしいぞ!』
『本当?』
『それに容姿端麗でスポーツ万能なんて、非の打ち所もないよ』
そう。
私の今回の順位は1位。というか今回もだけど。
私は完璧を目指して努力は欠かさない。
だからこそ私はこう思う。
天才は努力してなるもの。と。
「すごいね、来波ちゃん。私なんて後ろから数えた方が早いのに…」
「いや、別に大したことないよ。それに美紅ちゃんも頑張ればまだ上を目指せるよ!」
「うん、頑張る…」
たぶん伸びしろがあるから大丈夫。たぶんね。
まぁ私が助け舟を用意しますから大丈夫!
「今度遊びに来た時に勉強一緒にしよ!それなら教えられるし」
「え?本当に?ありがとう、来波ちゃん」
こうして今度、勉強会を実施することにした。
学校が終わり家に着くと、玄関にクソアニキが立っていた。
「何?邪魔なんだけど」
「いや、そう身構えるなって」
兄が私に触れようとする。
私はそれを手で思いっ切り振り払う。
「きもい。触れないで!ってかもう2度と私の視界に入ってこないで!」
「それは無理。だって兄妹だもの」
「そういう発言がきもいんだよ!」
私は兄の脇腹に本気の蹴りを1発入れて2階へ階段を登った。
「痛ぇ。何も本気でやらなくても…」
本当に有り得ない。
何?私のことが好きなの?
吐き気がする。
通報してやろうかっての!
でも流石に、蹴りはやり過ぎたかな…。
こんな私にも欠点はある。
そう、兄が嫌い過ぎて思わず暴力をふるってしまうこと。
ってそもそもこれ、私悪くなくない?
全てアイツのせい。
「このクソアニキ!」
私の叫びは部屋中に響いて、消えていった。
1
私の兄はニートだ。
それは私が見なくても分かるくらいだ。
普段、家から1歩も出ることはないし更には部屋からも滅多に出ない。
別に、部屋の中で勉強とか仕事をしているのならいい。
でも兄の場合、一般人が見たら気持ち悪いと言われるようなゲームをひたすらやっているだけなのだ。
そして、働く気もない。
つまりニート。
兄はいつもこう言う。
「なんで働かないといけないんだ?」
いや、親不孝も甚だしい。
親を楽にさせてあげようという気はないの?
本当に腹が立つ。
腹が立つのはこれだけではない。
そう、それは昨日の出来事を思い出せば分かること。
この前、私の友達の美紅ちゃんが遊びに来た時。
美紅ちゃんが言っていた言葉。
「イケメンお兄さん」
そう、ニートの癖にイケメン。らしい。
絶対に選ぶ人間違えてるよ、神様。
世の中の男子がどれだけ求めていることだろう…。
結論はこう。
私の兄はクソアニキ。
2
この前の出来事が美紅ちゃんにとってどれだけ印象に残ったのかは分からない。
けどまぁ、変な印象は持たれていなさそうだったし、別にいいよね。
「おはよう!来波ちゃん」
「うん、おはよう!」
美紅ちゃんが私の席の方まで寄って挨拶をしに来てくれた。
「ねぇねぇ、来波ちゃんのお兄さんってどんな人なの?」
っ!痛いとこつくね、美紅ちゃん。
優しそうな顔に似合わないよ。
「そうだね、ハッキリ言えば馬鹿?」
彼女は意外そうな顔をする。
「本当に?真面目そうな人だったけど…」
「ないないないない。絶対、ない!」
真面目?
高校までは確かにそうだったらしいけど、今は社会から出たゴミ。
真面目など1番疎遠な言葉だよ。
「今度遊びに行った時は、お兄さんと話してみたいなぁ」
「やめた方がいいと思うよ?」
ニートの道に引きずり込まれる。そんな気がした。
というか絶対そうだ。
「大丈夫だよ。絶対いい人だって!」
「美紅ちゃんがそう思うなら、別にいいけど」
もし、変なことしようとしたら意地でも止める。
そう心に決めた。
「あ、そうだ。宿題テストの結果、廊下に張り出されてたよ!見に行こっ!」
「うん」
私たちは廊下へと向かった。
3
『うわぁ、来波ちゃんまた1位かぁ』
『誰か勝てるやついないの?』
『去年は1度も1位の座を譲ってないらしいぞ!』
『本当?』
『それに容姿端麗でスポーツ万能なんて、非の打ち所もないよ』
そう。
私の今回の順位は1位。というか今回もだけど。
私は完璧を目指して努力は欠かさない。
だからこそ私はこう思う。
天才は努力してなるもの。と。
「すごいね、来波ちゃん。私なんて後ろから数えた方が早いのに…」
「いや、別に大したことないよ。それに美紅ちゃんも頑張ればまだ上を目指せるよ!」
「うん、頑張る…」
たぶん伸びしろがあるから大丈夫。たぶんね。
まぁ私が助け舟を用意しますから大丈夫!
「今度遊びに来た時に勉強一緒にしよ!それなら教えられるし」
「え?本当に?ありがとう、来波ちゃん」
こうして今度、勉強会を実施することにした。
学校が終わり家に着くと、玄関にクソアニキが立っていた。
「何?邪魔なんだけど」
「いや、そう身構えるなって」
兄が私に触れようとする。
私はそれを手で思いっ切り振り払う。
「きもい。触れないで!ってかもう2度と私の視界に入ってこないで!」
「それは無理。だって兄妹だもの」
「そういう発言がきもいんだよ!」
私は兄の脇腹に本気の蹴りを1発入れて2階へ階段を登った。
「痛ぇ。何も本気でやらなくても…」
本当に有り得ない。
何?私のことが好きなの?
吐き気がする。
通報してやろうかっての!
でも流石に、蹴りはやり過ぎたかな…。
こんな私にも欠点はある。
そう、兄が嫌い過ぎて思わず暴力をふるってしまうこと。
ってそもそもこれ、私悪くなくない?
全てアイツのせい。
「このクソアニキ!」
私の叫びは部屋中に響いて、消えていった。
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