異世界奮闘、チート兄
不動産
「クオ、どんな建物にするの?」
店に向かう途中、ルノが尋ねる。
「ん?そうだな……。店と寮みたいなものも欲しいから、最悪土地だけ買うことになるかもな」
店と社寮のようなものが同じになっている建物があるかは賭けのようなものである。
″師匠、魔法で建築?″
「まあ、そうなるかもってだけだが」
それを聞いたサタナが瞳をキラキラと輝かせる。
″なら、ぜひ建物が建っている状態で買って欲しい″
「大体目的が想像できるんだが……」
″そう、一度壊してから作れば、破壊の魔法。創造の魔法が使えて二度美味しい。どう?″
名案とばかりにどや顔をするサタナ。
頭には丁寧に!マークが浮かんでいる。
念話のような能力を手に入れたものの、人通りの多いところで日常会話まで念話にするのは流石にありえないので、フィリア、ルノ、ルッカ、セナは普通に話している。
サタナは話さないので念話になるだろうと考えていたが、全員が会話する中1人念話なのは不自然だということで、今まで通り文字で話すらしかった。
まあ、魔力の文字など普通は見えないので、念話とさして変わらないのだが。
因みに、魔力の制御は念話の方が難しいのではとクオが聞いたところ、
″よく見て″
と、書いた文字がよくよく見るとラメ文字になっていたり、暗いところで光ったりと、文字自体にバリエーションができていた。
どうやら、魔力に光などの属性を持たせることが出来るようになったらしい。
流石に光の属性を持った魔力で闇の魔法を使うことはまだ出来ないらしいが、光の魔力で光の魔法を使うと威力が少し上がるようだった。
「どう、じゃねえよ。……いやまあ、土地だけってのは無理な可能性があるから、そうなるかもしれないが……。手加減はしろよ」
それに対し、サタナは何も言わず、ぐっと親指を立てるだけであった。
「フィー。もしもの時は頼んだ」
自分で対応するのも面倒になったのか、フィリアに丸投げするクオ。
「はい!任せてください!」
それを知ってか知らずか、フィリアは拳を胸の前で握り、やる気に満ち溢れていた。
「ここですか?」
と、そこへルッカが声をかける。
ルッカの視線の先には、一件の店があった。
目的の不動産屋である。
大きさは、品物を直接並べるわけでもないのにかなり広く、民家の3倍はある大きさだった。
高額な商品を扱う場所として、自らの店が持つ財力を示さなければならないのだろう。
「……クオ、お金足りる?」
心配そうにルノが言う。
どうやら5人とも同じ意見のようで、不安そうにクオを見ていた。
実際、クオの今回の予算は白金貨50枚程度、日本円にして五千万ほどである。
それだけあれば普通の物件ならなんなく買えるだろうが、このような立派な店で扱うような物件を買うのなら少し心もとない。
「大丈夫だ。……むしろここだから買えるんだよ」
その言葉に首をかしげる5人。
『……うわぁ。クオさん、えげつないですね……』
『……儂も、なんとなく予想できるだけに、のう……』
アスタはクオの考えた策が漏れたらしく、若干引いたような声をあげ、常にクオに装備され、クオが裏でしていた細工をほぼ知っているからこそ、その内容にある程度予想がついた龍も似たような反応だった。
「これ、大丈夫なのかな……?」
セナだけがポツリと漏らすが、他の4人はむしろ今のセリフを聞いて安心したらしい。
そんな5人を置いて、クオは扉を開ける。
「いらっしゃいませ、お客様。こちらへどうぞ」
入って早々、店員によって個室へと案内されるクオたち。
普通ならこんな少年少女が来店してもまず門前払いだっただろうが、訳ありな客なども来るのだろう、まずは個室へと通してそれから予算などから判断するらしかった。
やはりこのレベルになってくると、会話の1つ1つに守秘義務がでるのだろう。
よく見かけるカウンター方式ではなく、完全な個室制であった。
「それで、本日はどのような物件をお探しでしょう?」
と、尋ねる店員に。
「ああ。ちょっと大きな屋敷が欲しくてな」
クオは本来の目的と全く違うことを要求したのだった。
店に向かう途中、ルノが尋ねる。
「ん?そうだな……。店と寮みたいなものも欲しいから、最悪土地だけ買うことになるかもな」
店と社寮のようなものが同じになっている建物があるかは賭けのようなものである。
″師匠、魔法で建築?″
「まあ、そうなるかもってだけだが」
それを聞いたサタナが瞳をキラキラと輝かせる。
″なら、ぜひ建物が建っている状態で買って欲しい″
「大体目的が想像できるんだが……」
″そう、一度壊してから作れば、破壊の魔法。創造の魔法が使えて二度美味しい。どう?″
名案とばかりにどや顔をするサタナ。
頭には丁寧に!マークが浮かんでいる。
念話のような能力を手に入れたものの、人通りの多いところで日常会話まで念話にするのは流石にありえないので、フィリア、ルノ、ルッカ、セナは普通に話している。
サタナは話さないので念話になるだろうと考えていたが、全員が会話する中1人念話なのは不自然だということで、今まで通り文字で話すらしかった。
まあ、魔力の文字など普通は見えないので、念話とさして変わらないのだが。
因みに、魔力の制御は念話の方が難しいのではとクオが聞いたところ、
″よく見て″
と、書いた文字がよくよく見るとラメ文字になっていたり、暗いところで光ったりと、文字自体にバリエーションができていた。
どうやら、魔力に光などの属性を持たせることが出来るようになったらしい。
流石に光の属性を持った魔力で闇の魔法を使うことはまだ出来ないらしいが、光の魔力で光の魔法を使うと威力が少し上がるようだった。
「どう、じゃねえよ。……いやまあ、土地だけってのは無理な可能性があるから、そうなるかもしれないが……。手加減はしろよ」
それに対し、サタナは何も言わず、ぐっと親指を立てるだけであった。
「フィー。もしもの時は頼んだ」
自分で対応するのも面倒になったのか、フィリアに丸投げするクオ。
「はい!任せてください!」
それを知ってか知らずか、フィリアは拳を胸の前で握り、やる気に満ち溢れていた。
「ここですか?」
と、そこへルッカが声をかける。
ルッカの視線の先には、一件の店があった。
目的の不動産屋である。
大きさは、品物を直接並べるわけでもないのにかなり広く、民家の3倍はある大きさだった。
高額な商品を扱う場所として、自らの店が持つ財力を示さなければならないのだろう。
「……クオ、お金足りる?」
心配そうにルノが言う。
どうやら5人とも同じ意見のようで、不安そうにクオを見ていた。
実際、クオの今回の予算は白金貨50枚程度、日本円にして五千万ほどである。
それだけあれば普通の物件ならなんなく買えるだろうが、このような立派な店で扱うような物件を買うのなら少し心もとない。
「大丈夫だ。……むしろここだから買えるんだよ」
その言葉に首をかしげる5人。
『……うわぁ。クオさん、えげつないですね……』
『……儂も、なんとなく予想できるだけに、のう……』
アスタはクオの考えた策が漏れたらしく、若干引いたような声をあげ、常にクオに装備され、クオが裏でしていた細工をほぼ知っているからこそ、その内容にある程度予想がついた龍も似たような反応だった。
「これ、大丈夫なのかな……?」
セナだけがポツリと漏らすが、他の4人はむしろ今のセリフを聞いて安心したらしい。
そんな5人を置いて、クオは扉を開ける。
「いらっしゃいませ、お客様。こちらへどうぞ」
入って早々、店員によって個室へと案内されるクオたち。
普通ならこんな少年少女が来店してもまず門前払いだっただろうが、訳ありな客なども来るのだろう、まずは個室へと通してそれから予算などから判断するらしかった。
やはりこのレベルになってくると、会話の1つ1つに守秘義務がでるのだろう。
よく見かけるカウンター方式ではなく、完全な個室制であった。
「それで、本日はどのような物件をお探しでしょう?」
と、尋ねる店員に。
「ああ。ちょっと大きな屋敷が欲しくてな」
クオは本来の目的と全く違うことを要求したのだった。
コメント