異世界奮闘、チート兄
潜入
それから少し経って、ルノたちは目的地に向かっていた。
どうやら、その本拠地とやらには、幻術の様なものがかけられているらしく、ただ闇雲に探しても見つけることができないらしい。
しかも、その幻術を打ち消すための品は、侵入した全員がペンダントとして持っていたが、所有者が捕まるなどすると、自動的に壊れるようになっていた。
かなり徹底した秘密主義である。
しかし、それにしては杜撰な点が多かった。
昼間は、精霊の声を聞ける少女などという完全なイレギュラーがいたからにしても、今回侵入した者は全員が何処かに自らの尻尾をくわえた龍、ウロボロスの様なタトゥーのようなものが必ず入っていたのだ。
気になる部分はあったが、クオが笑みを崩さないのを見たルノたちは、気にする必要はないとそのまま宿屋を出たのだ。
ルノたちは、恐らく敵の本拠地であろう屋敷のようなものを見ていた。
首には全員が同じペンダントを着けている。
クオは鑑定や、その他生産スキルが最高レベルで、こと魔法関係に関しては魔術も使える今、魔法具などは、それこそ古代の喪われた技術でもない限り解析できないはずはない。
暗殺者と対峙した時点でペンダントを鑑定し、複製していたのだ。
「大きい」
「ですね。こんなに大きい建物が見つからないようになっているなんて不思議です」
「ルノちゃん。どうするの?」
″燃やす?″
ルッカの質問に便乗して、恐ろしいことを口走るサタナ。
「……流石にダメ。それは騒ぎになる。なるべくやらない」
完全には否定しないあたりやりそうな気もするが。
「とりあえずグループに分かれよっか」
セナの提案で、2つのグループに分かれる。
メンバー構成は、
ルノ
ルッカ
サタナ
と、
フィリア
セナ
だ。
ちなみに、このグループ決めは、くじ引きによるものである。
「えっと、この中を探索してボスを倒す。私たちはついでに精霊の操る方法を探して、捕まっている精霊がいたら助ける。こうだよね?」
「ん。とりあえずは」
「じゃあもたもたしてないでさっさと行こう!」
そういいながらセナは塀を超えていく。
今回はどちらかと言うと隠密のミッションだ。
セナの後に続いて、ルノたちも屋敷に侵入を果たした。
″このミッション、簡単すぎる″
そう書くのはサタナ。
「……確かに」
「がら空きだもんね」
声を潜めながらも2人はサタナに同意した。
3人がこんなにも余裕なのは、ほとんど見張りがいなかったからだ。
「なんでこんなに見張りが少ないんだろう?」
「……ここは一応裏の組織。だから、人が多く関わると不都合」
実際、幻術で本来なら組織に関わる人間しか入れないのだ、むしろ、たくさんの警備兵など邪魔でしかない。
「なるほど」
″しかも、ルノの誘導が完璧。さすが師匠の家族″
しかも、今ルノは極薄い血霧(ブラッドミスト)を発動している。
常に屋敷内を把握しているので、見つかる可能性はほとんど皆無だった。
「……でも、ここからは無理。あの扉に、常に2人は警備兵がいる」
「まあ、今までがすんなり行き過ぎてたから、仕方ないかな?」
″2人くらいなら、瞬殺″
「……今は魔法を使わないで。バレたら面倒」
″殴ってくる?″
魔法使いのはずが、まさかの物理の提案である。
「……いい。今回は、私とルッカがやる」
「任せて!」
そう言ってルッカが取り出したのはボウガンのようなもの。
と言っても本来よりかなり小さい、ハンドガンより一回りは小さいだろう。
ルノは手のひらを警備兵へ向ける。
ルッカの矢は警備兵の眉間に当たり、鎧を貫通する。
ルノの手から発射された血の針は、鎧の隙間に刺さった。
それにより崩れ落ちる警備兵。
ルッカの攻撃はもちろん、ルノの血の針には即効性のある猛毒が仕込んであった。
当然、どちらも即死である。
「……間違いなく、今から戦闘になる。サタナも魔法を使っていい」
「暴風」
ルノが言い終わるのが早いか、サタナが魔法で扉を吹き飛ばす。
戦闘時に備えて使用許可を出したはずが、それで扉を吹き飛ばされて、ルノは若干呆れていた。
「だっ、だれだ!?」
叫んでいたのは少し太った男。
ジャラジャラと宝石で着飾られた洋服の、すねのあたりから血が滲んでいる。
大方、吹き飛ばされた扉の破片か何かが刺さったのだろう。
座り込んだ男は、入ってきた人物に見覚えがないことを確認すると、手を2回叩く。
すると、どこからか軽装に身を包んだものたちが現れる。
その数12。
それぞれがかなりの力量を持っているのだろう。
それを悟ったルノはしかし、にやりと笑う。
「数もちょうどいい。今日は運がいい」
どうやら、その本拠地とやらには、幻術の様なものがかけられているらしく、ただ闇雲に探しても見つけることができないらしい。
しかも、その幻術を打ち消すための品は、侵入した全員がペンダントとして持っていたが、所有者が捕まるなどすると、自動的に壊れるようになっていた。
かなり徹底した秘密主義である。
しかし、それにしては杜撰な点が多かった。
昼間は、精霊の声を聞ける少女などという完全なイレギュラーがいたからにしても、今回侵入した者は全員が何処かに自らの尻尾をくわえた龍、ウロボロスの様なタトゥーのようなものが必ず入っていたのだ。
気になる部分はあったが、クオが笑みを崩さないのを見たルノたちは、気にする必要はないとそのまま宿屋を出たのだ。
ルノたちは、恐らく敵の本拠地であろう屋敷のようなものを見ていた。
首には全員が同じペンダントを着けている。
クオは鑑定や、その他生産スキルが最高レベルで、こと魔法関係に関しては魔術も使える今、魔法具などは、それこそ古代の喪われた技術でもない限り解析できないはずはない。
暗殺者と対峙した時点でペンダントを鑑定し、複製していたのだ。
「大きい」
「ですね。こんなに大きい建物が見つからないようになっているなんて不思議です」
「ルノちゃん。どうするの?」
″燃やす?″
ルッカの質問に便乗して、恐ろしいことを口走るサタナ。
「……流石にダメ。それは騒ぎになる。なるべくやらない」
完全には否定しないあたりやりそうな気もするが。
「とりあえずグループに分かれよっか」
セナの提案で、2つのグループに分かれる。
メンバー構成は、
ルノ
ルッカ
サタナ
と、
フィリア
セナ
だ。
ちなみに、このグループ決めは、くじ引きによるものである。
「えっと、この中を探索してボスを倒す。私たちはついでに精霊の操る方法を探して、捕まっている精霊がいたら助ける。こうだよね?」
「ん。とりあえずは」
「じゃあもたもたしてないでさっさと行こう!」
そういいながらセナは塀を超えていく。
今回はどちらかと言うと隠密のミッションだ。
セナの後に続いて、ルノたちも屋敷に侵入を果たした。
″このミッション、簡単すぎる″
そう書くのはサタナ。
「……確かに」
「がら空きだもんね」
声を潜めながらも2人はサタナに同意した。
3人がこんなにも余裕なのは、ほとんど見張りがいなかったからだ。
「なんでこんなに見張りが少ないんだろう?」
「……ここは一応裏の組織。だから、人が多く関わると不都合」
実際、幻術で本来なら組織に関わる人間しか入れないのだ、むしろ、たくさんの警備兵など邪魔でしかない。
「なるほど」
″しかも、ルノの誘導が完璧。さすが師匠の家族″
しかも、今ルノは極薄い血霧(ブラッドミスト)を発動している。
常に屋敷内を把握しているので、見つかる可能性はほとんど皆無だった。
「……でも、ここからは無理。あの扉に、常に2人は警備兵がいる」
「まあ、今までがすんなり行き過ぎてたから、仕方ないかな?」
″2人くらいなら、瞬殺″
「……今は魔法を使わないで。バレたら面倒」
″殴ってくる?″
魔法使いのはずが、まさかの物理の提案である。
「……いい。今回は、私とルッカがやる」
「任せて!」
そう言ってルッカが取り出したのはボウガンのようなもの。
と言っても本来よりかなり小さい、ハンドガンより一回りは小さいだろう。
ルノは手のひらを警備兵へ向ける。
ルッカの矢は警備兵の眉間に当たり、鎧を貫通する。
ルノの手から発射された血の針は、鎧の隙間に刺さった。
それにより崩れ落ちる警備兵。
ルッカの攻撃はもちろん、ルノの血の針には即効性のある猛毒が仕込んであった。
当然、どちらも即死である。
「……間違いなく、今から戦闘になる。サタナも魔法を使っていい」
「暴風」
ルノが言い終わるのが早いか、サタナが魔法で扉を吹き飛ばす。
戦闘時に備えて使用許可を出したはずが、それで扉を吹き飛ばされて、ルノは若干呆れていた。
「だっ、だれだ!?」
叫んでいたのは少し太った男。
ジャラジャラと宝石で着飾られた洋服の、すねのあたりから血が滲んでいる。
大方、吹き飛ばされた扉の破片か何かが刺さったのだろう。
座り込んだ男は、入ってきた人物に見覚えがないことを確認すると、手を2回叩く。
すると、どこからか軽装に身を包んだものたちが現れる。
その数12。
それぞれがかなりの力量を持っているのだろう。
それを悟ったルノはしかし、にやりと笑う。
「数もちょうどいい。今日は運がいい」
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