異世界奮闘、チート兄
外出
宿屋では、クオがギルドにいくために残されたルノ達がいた。
実質休日のようなものなので、それぞれが寛いでいる。
ただ、サタナは夕方まで依頼をこなすらしく、ここにはいないが。
「ねこさん、おいしいですか?」
フィリアは、開けた窓の縁にちょこんと座っている猫に煮干しらしきものを与え、食べる様子を眺めていた。
話しかける言葉の中に、時折にゃー。と、猫の鳴き真似を混ぜている。
「ルッカー。おやつー」
「もー。しょうがないなあ。待っててね?」
「ありがとうルッカ!大好きだよー!」
「調子いいんだから」
嬉しそうに笑いながら食堂の調理場を借りに行ったルッカ。
暫くして、食堂の人から借りたのか、トレイのようなものを持って帰ってきた。
「お姉ちゃん、できたよー!あ、ルノさん達もどうですか?」
「いいんですか?いただきます!……さようなら、ねこさん」
「……ん。もらう。ありがと」
フィリアは猫に手を振って別れを告げ、ルノは読んでいた本を閉じ、それぞれ席に着く。
「「「「いただきます」」」」
ルッカの作ったのはパンケーキだった。
赤いソースは何かの果物を使っているのだろう。
その上には生クリームのような白いものがのっている。
赤と白のコントラストが、パンケーキの綺麗な狐色の生地の上で混ざり合い、食べる前から楽しめる一品だった。
見とれること数秒。
堪能したルノは、パンケーキを小さく切り分け、口に運ぶ。
イチゴの味に近いソースの酸味を、生クリームが包む。
生クリームはイチゴ擬き本来がもつ甘さを損なわないためか、余り砂糖は入っていないようで、クドさはなく、むしろソースのおかげてサッパリとすらしている。
焼きたてのパンケーキと良く合い、ついついいくらでも食べてしまいそうだった。
フィリアも料理が上手いが、ルッカは素材の組み合わせ、フィリアは素材そのものの良さを最大限に引き立てる。
それぞれが別の所で天才といえる資質を持っている。
「あー。やっぱりルッカのお菓子は最高だねえ」
「ふふ。ありがとお姉ちゃん。ほら、クリーム付いてる」
「ありがとー」
「どうですか?」
セナの口を拭っていたルッカが、ルノとフィリアに尋ねる。
「おいしい」
「すっごくおいしいです!……ルッカさん、今度一緒にお料理しませんか?」
「あ、いいですね!ぜひ一緒にやりましょう!」
「はい!」
約束をしたルッカとフィリア。
だが、やはりどこかぎこちないように感じる。
会ってからまだ1週間も経っていない。
しかも、殆どがクオと行動を共にしており、こういった女子だけで、といった状況にはなかなかならなかったのだ。
スキルに表示されるほど信頼はされているのだろうが、それと仲が良いかはまた別の話。
お互いが歩み寄ろうとはするものの、あまりきっかけがなかったのも事実だ。
そんな様子を見ていたルノ。
パンケーキをみんなが食べ終えた頃、提案をした。
外を見て回ろうと。
ルノの意図を察したルッカとフィリアは即座に了承した。
セナも楽しみだと提案を受け入れている。
こうして、初めての女子のみの外出となった。
実質休日のようなものなので、それぞれが寛いでいる。
ただ、サタナは夕方まで依頼をこなすらしく、ここにはいないが。
「ねこさん、おいしいですか?」
フィリアは、開けた窓の縁にちょこんと座っている猫に煮干しらしきものを与え、食べる様子を眺めていた。
話しかける言葉の中に、時折にゃー。と、猫の鳴き真似を混ぜている。
「ルッカー。おやつー」
「もー。しょうがないなあ。待っててね?」
「ありがとうルッカ!大好きだよー!」
「調子いいんだから」
嬉しそうに笑いながら食堂の調理場を借りに行ったルッカ。
暫くして、食堂の人から借りたのか、トレイのようなものを持って帰ってきた。
「お姉ちゃん、できたよー!あ、ルノさん達もどうですか?」
「いいんですか?いただきます!……さようなら、ねこさん」
「……ん。もらう。ありがと」
フィリアは猫に手を振って別れを告げ、ルノは読んでいた本を閉じ、それぞれ席に着く。
「「「「いただきます」」」」
ルッカの作ったのはパンケーキだった。
赤いソースは何かの果物を使っているのだろう。
その上には生クリームのような白いものがのっている。
赤と白のコントラストが、パンケーキの綺麗な狐色の生地の上で混ざり合い、食べる前から楽しめる一品だった。
見とれること数秒。
堪能したルノは、パンケーキを小さく切り分け、口に運ぶ。
イチゴの味に近いソースの酸味を、生クリームが包む。
生クリームはイチゴ擬き本来がもつ甘さを損なわないためか、余り砂糖は入っていないようで、クドさはなく、むしろソースのおかげてサッパリとすらしている。
焼きたてのパンケーキと良く合い、ついついいくらでも食べてしまいそうだった。
フィリアも料理が上手いが、ルッカは素材の組み合わせ、フィリアは素材そのものの良さを最大限に引き立てる。
それぞれが別の所で天才といえる資質を持っている。
「あー。やっぱりルッカのお菓子は最高だねえ」
「ふふ。ありがとお姉ちゃん。ほら、クリーム付いてる」
「ありがとー」
「どうですか?」
セナの口を拭っていたルッカが、ルノとフィリアに尋ねる。
「おいしい」
「すっごくおいしいです!……ルッカさん、今度一緒にお料理しませんか?」
「あ、いいですね!ぜひ一緒にやりましょう!」
「はい!」
約束をしたルッカとフィリア。
だが、やはりどこかぎこちないように感じる。
会ってからまだ1週間も経っていない。
しかも、殆どがクオと行動を共にしており、こういった女子だけで、といった状況にはなかなかならなかったのだ。
スキルに表示されるほど信頼はされているのだろうが、それと仲が良いかはまた別の話。
お互いが歩み寄ろうとはするものの、あまりきっかけがなかったのも事実だ。
そんな様子を見ていたルノ。
パンケーキをみんなが食べ終えた頃、提案をした。
外を見て回ろうと。
ルノの意図を察したルッカとフィリアは即座に了承した。
セナも楽しみだと提案を受け入れている。
こうして、初めての女子のみの外出となった。
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