異世界奮闘、チート兄
安堵
「クオちゃん、クオちゃん朝よぉ!」
「…………!?な、なんっ、で……は!?」
誰かの声によって起こされたクオは、ボーッとする頭でその人物を確認して眠気を一気に吹き飛ばされる。
漢女が寝ているクオの上にまたがり、マウントポジションを取っていたのだ。
両隣にはフィリアとルノがいつの間にか寝ており、体を少しも動かすことができなかった。
「あらぁ?クオちゃんって寝起き悪いのかしらぁ?」
声だけあげて身動きをとらないクオを見た漢女は、クオが寝ぼけていると判断した。
「なら、お姉さんが優しく起こしてあげるわねぇ?」
そう言いながら、漢女はクオの上着の中に指を這わせる。
「寝ぼけてなんかない、起きてる!おい、やめ、やめろおぉおおお!!」
漢女のモーニングコールは、叫び声をあげながら必死に身をよじるクオに気づいたルノとフィリアが起きるまで続いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「んんっ。もう充分クオちゃんには堪の……お世話になったし、私はそろそろ出発するわねぇん?」
その言葉をきいたクオに明らかに喜びの表情がさす。
「キャサリン。……途中まで一緒に」
「そうですよ!旅は人数が多い方が楽しいです!」
「やめろ、こいつにも色々考えがあるんだ、無理にひきとめたりするな」
ひきとめ始めたルノとフィリアに顔を青くしながらまくしたてるクオ。
「ごめんなさいねぇ?ルノちゃん、フィリアちゃん。私も早く帰ってお仕事に戻らなくちゃいけないの」
その言葉に安堵するクオ。
「ちょっと待っててねぇ」
漢女はそう言って何やらごそごそと自分の荷物を探りだした。
「……はい!ルノちゃん、フィリアちゃん!私からのプレゼントよぉ!」
そう言って取り出したのは2着の服だった。
ルノとフィリアの服のデザインは、今漢女が着ているものと同じであり、ルノは黒を基調とし、フリルなどのちょっとしたアクセントに白を使っている。
フィリアはルノの服の黒い部分が白、白い部分が水色だった。
確実に似合うだろうが、これを見るたびに漢女を思い出すだろうなと肩を落とすクオ。
「特殊効果があるから戦闘の時にも使えるわよぉん?」
それを聞いたクオはとりあえず鑑定する。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
反魔蚕のドレス
反魔蚕の魔法耐性を極限まで高めた糸を素材に作られたドレス。
・魔法攻撃8割カット
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
クオは開いた口が塞がらなかった。
反魔蚕とは、文字通り魔法耐性が高い魔物ではあるが、その糸を使って作った防具はせいぜい1割カットが限界だった。
それが8割である。
潜在的な能力を引き出すにもほどがあるだろう。
「……なんだこれ」
「あらん?クオちゃんは気づいたの?流石私の見込んだ男だわぁ!」
「……クオ、これすごいの?」
「私たちにはわからないです」
「……これ、魔法攻撃8割カットだぞ……」
それを聞いた2人の瞳が驚きで見開き、受け取ったドレスをまじまじと見る。
「……すごい」
「……あの、こんなにすごい服貰っていいんですか?」
「いいのいいの!あなた達みたいな可愛い娘のお洋服作て楽しかったわ!それに、その服に使われてる糸は少し珍しいくらいだもの!気にしなくていいわよぉ」
クオはこの言葉を聞いて、こいつは別世界に住んでいる人間なんだ。と思うことにした。
「「ありがとう(ごさいます!)」」
「どういたしましてぇ!……クオちゃんの分もあげるわね?」
そう言って渡されたのはカーディガンだった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
反射羊のカーディガン
反射羊の物理耐性を極限まで高めた毛糸を素材に作られたカーディガン。
・物理攻撃7割カット
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
「説明はいらないわねぇん?」
「ああ」
「早速着てみてほしいわぁ!」
言われたとおりに羽織るクオ。
そのカーディガンは、動きを阻害しないギリギリという感じのダボダボさだった。
「……これ、大きくないか?」
それを聞いた漢女は舌舐めずりしながら、
「それがいいんじゃなぁい」
と笑う。
それに身の危険を感じるクオ。
「……それじゃあ、やり残したことはあんまりないし、私は行くわねぇん」
「私は王都で自分の名前のお店を開いてるから、王都に来たらいらっしゃい!沢山サービスしてあげるわぁ!」
ドッドッドッと駆け出す漢女。
それを見るクオは、二度と関わらないようにと願う。
しかし、その願いが絶対に叶わないであろうことをなんとなく感じ取っていた。
「…………!?な、なんっ、で……は!?」
誰かの声によって起こされたクオは、ボーッとする頭でその人物を確認して眠気を一気に吹き飛ばされる。
漢女が寝ているクオの上にまたがり、マウントポジションを取っていたのだ。
両隣にはフィリアとルノがいつの間にか寝ており、体を少しも動かすことができなかった。
「あらぁ?クオちゃんって寝起き悪いのかしらぁ?」
声だけあげて身動きをとらないクオを見た漢女は、クオが寝ぼけていると判断した。
「なら、お姉さんが優しく起こしてあげるわねぇ?」
そう言いながら、漢女はクオの上着の中に指を這わせる。
「寝ぼけてなんかない、起きてる!おい、やめ、やめろおぉおおお!!」
漢女のモーニングコールは、叫び声をあげながら必死に身をよじるクオに気づいたルノとフィリアが起きるまで続いた。
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「んんっ。もう充分クオちゃんには堪の……お世話になったし、私はそろそろ出発するわねぇん?」
その言葉をきいたクオに明らかに喜びの表情がさす。
「キャサリン。……途中まで一緒に」
「そうですよ!旅は人数が多い方が楽しいです!」
「やめろ、こいつにも色々考えがあるんだ、無理にひきとめたりするな」
ひきとめ始めたルノとフィリアに顔を青くしながらまくしたてるクオ。
「ごめんなさいねぇ?ルノちゃん、フィリアちゃん。私も早く帰ってお仕事に戻らなくちゃいけないの」
その言葉に安堵するクオ。
「ちょっと待っててねぇ」
漢女はそう言って何やらごそごそと自分の荷物を探りだした。
「……はい!ルノちゃん、フィリアちゃん!私からのプレゼントよぉ!」
そう言って取り出したのは2着の服だった。
ルノとフィリアの服のデザインは、今漢女が着ているものと同じであり、ルノは黒を基調とし、フリルなどのちょっとしたアクセントに白を使っている。
フィリアはルノの服の黒い部分が白、白い部分が水色だった。
確実に似合うだろうが、これを見るたびに漢女を思い出すだろうなと肩を落とすクオ。
「特殊効果があるから戦闘の時にも使えるわよぉん?」
それを聞いたクオはとりあえず鑑定する。
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反魔蚕のドレス
反魔蚕の魔法耐性を極限まで高めた糸を素材に作られたドレス。
・魔法攻撃8割カット
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クオは開いた口が塞がらなかった。
反魔蚕とは、文字通り魔法耐性が高い魔物ではあるが、その糸を使って作った防具はせいぜい1割カットが限界だった。
それが8割である。
潜在的な能力を引き出すにもほどがあるだろう。
「……なんだこれ」
「あらん?クオちゃんは気づいたの?流石私の見込んだ男だわぁ!」
「……クオ、これすごいの?」
「私たちにはわからないです」
「……これ、魔法攻撃8割カットだぞ……」
それを聞いた2人の瞳が驚きで見開き、受け取ったドレスをまじまじと見る。
「……すごい」
「……あの、こんなにすごい服貰っていいんですか?」
「いいのいいの!あなた達みたいな可愛い娘のお洋服作て楽しかったわ!それに、その服に使われてる糸は少し珍しいくらいだもの!気にしなくていいわよぉ」
クオはこの言葉を聞いて、こいつは別世界に住んでいる人間なんだ。と思うことにした。
「「ありがとう(ごさいます!)」」
「どういたしましてぇ!……クオちゃんの分もあげるわね?」
そう言って渡されたのはカーディガンだった。
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反射羊のカーディガン
反射羊の物理耐性を極限まで高めた毛糸を素材に作られたカーディガン。
・物理攻撃7割カット
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「説明はいらないわねぇん?」
「ああ」
「早速着てみてほしいわぁ!」
言われたとおりに羽織るクオ。
そのカーディガンは、動きを阻害しないギリギリという感じのダボダボさだった。
「……これ、大きくないか?」
それを聞いた漢女は舌舐めずりしながら、
「それがいいんじゃなぁい」
と笑う。
それに身の危険を感じるクオ。
「……それじゃあ、やり残したことはあんまりないし、私は行くわねぇん」
「私は王都で自分の名前のお店を開いてるから、王都に来たらいらっしゃい!沢山サービスしてあげるわぁ!」
ドッドッドッと駆け出す漢女。
それを見るクオは、二度と関わらないようにと願う。
しかし、その願いが絶対に叶わないであろうことをなんとなく感じ取っていた。
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