異世界奮闘、チート兄
のんびり
「疲れてないか?」
「……大丈夫」
「まだまだいけます!」
「そうか。無理はするなよ?」
「はい!」
「ん」
クオが2人を気遣っているのは、今いる場所が森の中だったからだ。
ある程度遠出する時に森へは入ったことはあるが、今は旅の途中であり、日帰りの時とはわけが違う。
そう思って確認したクオだったが、2人は一切疲れた様子はなかった。
「……クオ。あっちの茂みにゴブリン4体」
「分かった」
そう言うと刀を一振り、その一瞬で緑に輝いた刀は、ルノが指さした方へ斬撃を飛ばす。
「「「「ギャ……?」」」」
斬撃はそのまま、待ち伏せをしていたゴブリンの首を切り飛ばし、ゴブリンたちは状況が理解できなかったため不思議そうな顔をしながら頭と胴を分けて死んだ。
『お、主人。剣術もちが一体おったのじゃ』
「これでレベル2か……長いな……」
『まあ、主人は自分でスキルのレベル上げが出来ないポンコツじゃからのう!』
それを聞いたクオは八百万を地面に突き刺して歩き出す。
『ま、まって!待つのじゃ主人!こんな所に置いてかれたら儂錆びちゃう!』
「いや、お前神刀だから錆びる訳ないだろ」
『心が錆びちゃうのじゃ!……儂、今うまいこと言わんかったか?』
「うるせえ、どやるな駄龍」
クオが完全に放置して行ったのを見たフィリアとルノは八百万を引き抜く。
『フィリア、ルノ!儂に優しいのはお主たちだけじゃ!』
だけも何も3人しかいないのだから当たり前なのだが、そこに突っ込む人はいなかった。
「……いつものこと。……龍、普通に話せば何もされないのに」
「龍さんはいつもお兄様を馬鹿にしますからね」
『うむ……。主人を馬鹿にして放置されるのが習慣になったからじゃろうか?なぜか主人と話す時おちょくるのが癖になってしまってのう』
それを聞いた2人は顔を見合わせクスリと笑う。
「……確かに、それがいつもの2人」
「そうですね。それに、龍さんが真面目に話すって想像できないです」
さり気なく酷いことを言うフィリア。
『そ、そんなことないのじゃ。例えば夕飯のメニューなんかは割と普通に答えるぞ?』
「……いつもは普通に答えるけど、今日はそれでからかってた」
「今日の夕飯は鳥でしたっけ?」
ちなみに、鳥をリクエストした龍のセリフは
『儂は鳥を勧めるのじゃ!チキンチキン!ルノやフィリアにスキンシップされた時対応の仕方が分からずに顔を背けたりとりあえず軽く頭を撫でてみるだけの主人にぴったりのチキンなのじゃ!』
それに対しクオの返答は
「お前棒な」
の一言であった。
料理の器具にされ、火であぶられる所を想像した龍が必死で撤回するのはいつものことであった。
『ま、主人はツンデレじゃからの。なんだかんだで邪険にはしないのじゃ』
「……ん。クオは龍のこと結構好き」
「たまに私たちが入れない雰囲気が出るくらいですもんね!」
実際、龍は刀から龍に戻れば付いていけるし、クオも本気で面倒だったら無限収納に入れるはずである。
それを互いがしないことが何よりの証拠だった。
『儂と主人の仲……ん?これは、主人の魔法かの?』
気が付けば、龍はルノの手から離れクオの元へふわふわと飛んでいた。
『ふっふっふ。寂しかったのか?主人』
「そうだな」
『ん?今日はやけに素直おぉお!?』
龍の言葉はそこで途切れた。
今までふわふわと浮いていたのが、高速でグルグルと回転に変わったのだ。
『こ、これ目がまわ、あぁぁあああ!?』
あまりの高速回転に物凄い風切り音がなっていた。
それを眺めるフィリアとルノ。
前こそ若干引いていたが、今では微笑んで見守るばかりだ。
『笑ってないで助けて欲しいのじゃ!?』
「……ん。やっぱり2人はーー」
「はい!2人はーー」
「「仲良し(です!)」」
『どこを見たらそうなるのじゃ!?』
いつも通りの、まるで自宅に居るような緩い雰囲気。
どこでも平常運転の3人と1匹の旅は、まだ始まったばかりである。
「……大丈夫」
「まだまだいけます!」
「そうか。無理はするなよ?」
「はい!」
「ん」
クオが2人を気遣っているのは、今いる場所が森の中だったからだ。
ある程度遠出する時に森へは入ったことはあるが、今は旅の途中であり、日帰りの時とはわけが違う。
そう思って確認したクオだったが、2人は一切疲れた様子はなかった。
「……クオ。あっちの茂みにゴブリン4体」
「分かった」
そう言うと刀を一振り、その一瞬で緑に輝いた刀は、ルノが指さした方へ斬撃を飛ばす。
「「「「ギャ……?」」」」
斬撃はそのまま、待ち伏せをしていたゴブリンの首を切り飛ばし、ゴブリンたちは状況が理解できなかったため不思議そうな顔をしながら頭と胴を分けて死んだ。
『お、主人。剣術もちが一体おったのじゃ』
「これでレベル2か……長いな……」
『まあ、主人は自分でスキルのレベル上げが出来ないポンコツじゃからのう!』
それを聞いたクオは八百万を地面に突き刺して歩き出す。
『ま、まって!待つのじゃ主人!こんな所に置いてかれたら儂錆びちゃう!』
「いや、お前神刀だから錆びる訳ないだろ」
『心が錆びちゃうのじゃ!……儂、今うまいこと言わんかったか?』
「うるせえ、どやるな駄龍」
クオが完全に放置して行ったのを見たフィリアとルノは八百万を引き抜く。
『フィリア、ルノ!儂に優しいのはお主たちだけじゃ!』
だけも何も3人しかいないのだから当たり前なのだが、そこに突っ込む人はいなかった。
「……いつものこと。……龍、普通に話せば何もされないのに」
「龍さんはいつもお兄様を馬鹿にしますからね」
『うむ……。主人を馬鹿にして放置されるのが習慣になったからじゃろうか?なぜか主人と話す時おちょくるのが癖になってしまってのう』
それを聞いた2人は顔を見合わせクスリと笑う。
「……確かに、それがいつもの2人」
「そうですね。それに、龍さんが真面目に話すって想像できないです」
さり気なく酷いことを言うフィリア。
『そ、そんなことないのじゃ。例えば夕飯のメニューなんかは割と普通に答えるぞ?』
「……いつもは普通に答えるけど、今日はそれでからかってた」
「今日の夕飯は鳥でしたっけ?」
ちなみに、鳥をリクエストした龍のセリフは
『儂は鳥を勧めるのじゃ!チキンチキン!ルノやフィリアにスキンシップされた時対応の仕方が分からずに顔を背けたりとりあえず軽く頭を撫でてみるだけの主人にぴったりのチキンなのじゃ!』
それに対しクオの返答は
「お前棒な」
の一言であった。
料理の器具にされ、火であぶられる所を想像した龍が必死で撤回するのはいつものことであった。
『ま、主人はツンデレじゃからの。なんだかんだで邪険にはしないのじゃ』
「……ん。クオは龍のこと結構好き」
「たまに私たちが入れない雰囲気が出るくらいですもんね!」
実際、龍は刀から龍に戻れば付いていけるし、クオも本気で面倒だったら無限収納に入れるはずである。
それを互いがしないことが何よりの証拠だった。
『儂と主人の仲……ん?これは、主人の魔法かの?』
気が付けば、龍はルノの手から離れクオの元へふわふわと飛んでいた。
『ふっふっふ。寂しかったのか?主人』
「そうだな」
『ん?今日はやけに素直おぉお!?』
龍の言葉はそこで途切れた。
今までふわふわと浮いていたのが、高速でグルグルと回転に変わったのだ。
『こ、これ目がまわ、あぁぁあああ!?』
あまりの高速回転に物凄い風切り音がなっていた。
それを眺めるフィリアとルノ。
前こそ若干引いていたが、今では微笑んで見守るばかりだ。
『笑ってないで助けて欲しいのじゃ!?』
「……ん。やっぱり2人はーー」
「はい!2人はーー」
「「仲良し(です!)」」
『どこを見たらそうなるのじゃ!?』
いつも通りの、まるで自宅に居るような緩い雰囲気。
どこでも平常運転の3人と1匹の旅は、まだ始まったばかりである。
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