ゲーム持って異世界へ

ユリカ

◆◆やっと…終了〜


光一達が戻った後。
司令塔を失ったことによりモンスター達の体勢が崩れたので倒すのは容易になり、スムーズに決着が着いた。
「皆良くやってくれた!流石に報酬を今すぐ渡すことは難しいだろう…しかし!皆の活躍を祝して宴会を開く!勿論ギルド持ちだ!」
ギルマスがそう宣言すると疲れ果てた姿の冒険者達が嘘のように元気になり“マジか!”“酒だー!!!”“ギルマス最高!!”など叫び出した。
ほんと冒険者って面白いよな(笑)
「おーいハヤト!」
なんとスターク自ら来てくれるとは、探す手間が省けた。
「ちょうど良かった……ちょっとO・HA・NA・SIしようか…スターク」
と俺はにっこり笑いかける。
「な…なんだ…目が笑ってないぞ…」
「いいから…」
「え…ハヤト!いやっハヤトさん!?うわぁああッ……!」
スタークの首根っこを掴み引き摺って場所を移した。
その後たっぷりお話をした。


時は少し戻る───。
「光一君、シャキッとしてください…。そんなんだとモンスターに殺られてしまいますよ」
と前をとぼとぼと歩く光一にそう注意する委員長の花美。
「光一……モンスター…来てる」
と副委員長の翠が横と前から向かってくるモンスターを見ながら光一に声をかける。
そして二人は戦闘体勢に入ったが、光一はまだとぼとぼと歩いている。
「光一君ッ!っ…!!«防壁(シールド)!»」
「光一、前見る!怒る……よ!«影縫い»」
襲いかかってきたオークの棍棒での攻撃を花美のシールドで止め、オーク自体の動きを翠の影縫いで止める。
「…そうだよ……俺も勇者だけど冒険者じゃないか! 」
といきなり叫んだ光一に花美や翠、オークまでもが驚く。
「ブヒッ!!」
「今忙しいんだよ!」
横から来たオークが光一に向けて斧を振り下ろすがそれを聖剣で弾き返し一撃で仕留める。
『…………えっ……』
「うおっ!?目の前にも居るぞ!?」
「えぇ〜!気づいていなかったんですか!?」
「バカ……鈍感……早く倒して」
オークが目の前に居るのに居ることすら気づかなかった光一がビクッとして驚く。
気づいていなかった事に驚く花美と呆れる翠。
光一はすかさず聖剣を振り首チョンパをした。
「びっくりした……」
「それはこっちのセリフですよ……」
花美は額に手を当てて首を振っている。
「お守り……大変……はぁ…」
あからさまに愚痴を零す翠。
「お守りってなんだよッ!?酷くないか!?
ってそれどころじゃなかった!俺気づいたんだよ!」
突っ込みを入れながらも光一は考え込んでいた事を話そうとする。
「なんですか?気づいたことって?」
「俺は勇者だよな?」
「称号的にそうなりますね」
「…そう」
「颯斗も俺らと同じ括りは勇者だよな?」
「称号は無いですけどこの世界に召喚されているのでクラス全員が勇者扱いにはなってますね」
「だろ?」
「だから何?早く結論……言って」
「颯斗は勇者で冒険者だよな?しかも俺も勇者で冒険者なんだからあっちにいてもいいんじゃないか!」
「まぁ…理屈的にはそうなりますけど……騎士団長が許すかどうかですよ?」
「颯斗は、元から許可貰ってあっちに居る。光一とは違う……」
「じゃあ、騎士団長に話してくる!」
と光一は言い捨て走って行ってしまった。
思考停止でその場で立ち尽くす花美と翠は、暫くしてハッ!と覚醒し後を追いかけた。
二人は心の中で思った……
((今まで光一(君)を面倒見ていた颯斗(君)は凄い…))と。



光一が騎士団長から許可を何とか貰って戻るともう終結していたのだった──。


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そりゃそうなるわな‪w(颯斗)

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