読書家は最強スキル

ヤミカミ384

第1章 1冊目 テンプレ勇者召喚

  


  
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしーーーーゆーーーーこーーぜーーーーーーーーーーー

………う………な……に?…………

ーー勇者ーーーに成功ーーーーーーー ーこれでーーーーー救われるーーーー



………お…きな………きゃ……………

「うん………何が…起きたんだ……」

混乱している頭を振って、何があったのか思い出す。

「そうだ……昼飯を食べ終わってから
急に魔法陣が出現して……」

「そういえば!他の皆は!?」

気がついて辺りを見回すと、石の様な物で出来た板の上に
クラスメイト達が寝ていた。

「大丈夫か!」

近くに寝ていた美咲さんを慌てて起こす。

「う……うん…」

「良かった……」

どうやら気を失っていただけらしい。少し揺さぶるとゆっくりと瞼を開けた。

「うん…」
「何が…」
「どうなったの……」

他のクラスメイト達もどうやら気が付いたらしい。
次々に起き上ってくる。

全員起きるまでまだ時間があるだろう。そう思って立ち上がり辺りを見てみる。
どうやらここは部屋の中らしい。豪華な装飾の付いた両開きの扉が魔法陣の正面に付いていた。
しかしこの部屋には窓が無いな……どうやら生活のために作られた部屋では無いらしい。
思った以上に自分が冷静で良かった。父さんからも言われたっけ……

『どんな時でも頭は冷静に保てよ。思考を止めるな、せっかくこんな良い頭があるんだ。
考えなきゃ損だろう?』

今になって役に立つとは… 人生ホント何があるかわからないな。
ともかくここが元居た教室ではないことは確かだ。
ここまで考えて、薄々気づいていたが、ある結論に至った。
それは、、、

「勇者召喚か、、、」

そう。ラノベでは定番。王道。定石。
異世界への召喚ってヤツだ。
しかし、あれは客観的に見てるから面白いわけで…
まさか自分が召喚されるとは微塵も思っていなかった。

「結翔くーん!」

と、そこまで考えたところで、美咲さんから呼ばれた。

「集合してって言ってるよー」

「わかった。今行くよ。」

集合するのはクラス委員長である長谷川霧乃はせがわきりのが呼んでいる場所だ。
彼女は全国大会に出場するほどの剣道の腕前を持ち、家は古流剣術の大家でありながら
勉強でも相当良い順位にいるハイスペックな少女だ。
また、顔立ちも整っていて学級の三大アイドルでもある。
その竹を割ったような性格から、下級生達から「お姉様」と呼ばれているらしい。

ともかく、急いで行かないと怒られてしまう。

「それで?なにかあったの?」

「うん…それはね……」

自分の考えを言おうとした時……

バァン!

「な、なんだ?」

「おお!勇者様が来て下さったぞ!」
「これで我が国は救われますな……」

「なんだ!?映画の撮影か?」
「なんでいきなり映画の撮影に参加しなくちゃいけないのよ!」

「どうやら勇者様は召喚されたばかりでお疲れのご様子。時間を空けたほうがよろしいかと…」
「おお!そうだな。」

「失礼ですが、あなたたちは?」

今質問したのはクラス一のイケメン天崎一輝あまさきかずきだ。
こいつは勉強はもちろんのこと、運動でも高成績を出し、先ほど言った長谷川の家の
道場でも霧乃に次ぐ実力者として認められている。
そのハイスペックさから、毎日告白が絶えないという。
簡潔に言おう。僕(モテない男子)の敵である。

「おっと、自己紹介がまだでしたな。私はここカレメア国の王。
シュルト・ヴァン・カレメアです。」

「カレメア国?」

「ああ、まだ状況が呑み込めていないご様子。簡潔に説明しましょうか。
あなたがたは、勇者として召喚されたのです。」













「は?」








天崎が間抜けな声で返事を返す。
まあ仕方ない。急に『勇者として召喚されましたー』とか言われてもなぁ。
皆が放心状態でいることに気付いたのか、近くにいた宰相らしき人に
いくつか指示を出していた。その後、部屋に入ってきたメイドさんに連れられて
僕らはそれぞれにあてがわれた部屋に着いた。

………まあ僕は生メイドに地味に感動していたわけですが。

部屋に着いたところで、メイドさんが自己紹介してきた。

「私のことは、クラナとお呼びください。ユイト様。」
「いや、クラナさんで……」
「クラナとお呼びください。」
「いや……」
「クラナと…」
「わかりました!わかりましたから!」

こんなひと悶着があったが、一時間程して集合するように言われた。







クラナに言われた部屋に着くと、僕以外の全員が席についていた。

「さて、全員揃ったところで、あなたたちを召喚した理由を説明しましょうか。」
「おい、ちょっと待てよオッサン。」

今口を挟んだのはクラス一の問題児。美咲のことが好きらしい。
が、美咲本人は何とも思っていないのが傍から見ていて面白い。
そして、美咲の近くにいる僕を目のかたきにしている一人である。
樫田総司かしだそうじだ。

「俺たちは帰れるんだろうな?」
「……わからん。」
「ふざけんなよ!こっちはいきなり召喚されたんだぞ!」
「確かに。いきなりよびだしておいて謝罪の一つもないとは……」

天崎が口を挟む。

「すまなかった。誠に申し訳なかった。」

「チッ、今更かよ」
「まあ謝罪してもらったことだし、いいとしようか。」

「さて、君たちがよばれた理由だが……魔王を倒してほしい。」
「「「魔王!?」」」

おっと、いきなりテンプレが来たぞ。
魔王とはな……まあ予想の範疇ではあるが、面倒だなぁ。

「大丈夫だ。この国の騎士団の者を君たちの訓練教官としてつかせる。
おい!入って来るんだ!」

「わかりました。」

ドアを開けて入って来たのは、身長180センチ程の大柄な男性だった。

「この国で騎士団長をしているファラナス・サラディンだ。よろしく頼む。」

「よろしくお願いします。」

めちゃくちゃ強そうだなぁ。つーかこの人いたら魔王倒せるんじゃないか?

「皆この者がいれば魔王を倒せるのではないかと考えているだろう。」

うげっ なんでわかったんだ?心眼でもあるのか?

「しかし伝承では勇者のみが魔王を倒せると書いてある。
なのでそなたらに強くなって魔王を倒してもらうしかないのじゃ。」

成程な…眉唾物の情報ではあるが覚えておこうか…

「それで?俺たちは何をすればいいんだ?」
「そうだな…まずは君たちのステータスを見せてもらおうかな」
「ステータス?」
「そうだ。これから君たちにステータスカードを配る。それに血を流すことで
君たちの勇者としてのステータスがわかるという優れものだよ。」

キターーーーーーーーーーー!!
これぞテンプレ!チートスキルが欲しいですよー!

「さあ、別室に移動して、ステータスカードを登録しようか。」

よし!楽しくなってきたぞ!







コメントくれた方ありがとうございました。
風邪や大会などで忙しく更新が遅れてしまいました。
すみませんでした。
コメントやいいね!よろしくお願いします。

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コメント

  • ノベルバユーザー86259

    クラロワのがりしょうです。
    とても面白いです。
    これからも頑張って下さい!

    0
  • ノベルバユーザー121739

    お初です!ワクワクします!大変かと思いますが、更新のほどよろしくお願いします

    1
  • ハイド

    スキルはよ
    スキルがつまらんかったら読むの止めます。頑張ってください(ニッコリ)

    0
  • 瑞樹の相棒ヤゾラっち

    久しぶりに来た!面白いから次話も楽しみ!

    0
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