ツンデレ妹とヤンデレ妹に愛されすぎて困ってます!

淳平

5話「妹たちと温泉旅行」2日目 中編

 現在昼の12時半。 神社から熱海駅へ戻ってきた俺たちは昼食を取り、次は茜の行きたいところへ向かうためバスに乗っていた。
 小柄な茜は俺の膝の上に座り寝てしまっていた。 
 寝てる時は大人しくて可愛いのだが。
 ほのかに香るシャンプーの匂い。
 俺が使ってるシャンプーと同じ匂いだ。
 こいつ……俺のシャンプー勝手に使ったな。
 まあ可愛いから許す。

 15分ほどバスに揺られ最寄駅に着いた俺たちはバスを降りて目的地へと向かった。

「おーい、陽兄〜! ちーちゃーん! 早く〜!」

 バスを降りてから茜は一人で目的地へと走り出していた。
 よっぽど楽しみなんだな。 こういうところは我が妹ながらくっそ可愛い。

「まったく茜は子供なんだから」

 やれやれといった感じで智咲は言う。

「まあそれだけ楽しみなんだろ。 智咲の行きたいとこもそうだろ?」
「べ、別に……普通よ……」
「陽ちゃーん、疲れちゃった〜。 おんぶして〜」
「バーカ。 自分で歩け」
「そうよ。 菜摘さん、兄さんに甘えないでよ」
「ちぇー。 二人とも厳しいなあ」
「おーい、皆早くー!」

 茜に急かされ俺たちは目的地まで急いだ。
 バス停から徒歩で5分、俺たちは目的地に到着した。
 茜の行きたかったところ、それはロープウェイだ。
 なんでも日本一短いロープウェイで、3分間なんだとか。
 でもロープウェイから見る景色は最高なのだとか。
 チケットを購入し、階段を登りロープウェイ乗り場へと向かう。
 ここでも勿論、茜が先頭だ。 
 なんかもう張り切りすぎてまるで小さい子みたいだ。 兄さんとしてはくっそ可愛いのだが。
 ロープウェイに到着しスタッフにチケットをもぎってもらった。

「陽兄〜、早く乗ろ乗ろ!」

 茜に手を引かれロープウェイに乗り込んだ。
 智咲と菜摘も後からついて来た。
 出発のアナウンスがありロープウェイは上へと登っていく。
 段々と登っていくにつれ熱海の海岸付近を見下ろせた。
 高いところから見る地上の景色ってのはどうしてこう綺麗なものなんだろう。
 遠くから見ると可愛い子とかと同じなのかもしれない。 近くで見るとそうでもなかったりする。
 周りを見ると茜も智咲も菜摘も外の景色を楽しんでいる。
 皆、感心したように外の景色を眺めている。
 と、そう思った途端に到着のアナウンスが聞こえた。

「あれ、もう終わっちゃったんだー。 本当に早いんだねー」
「まあ日本一短いからなあ」

 俺と菜摘がそんな会話をしていると、茜がニヤニヤとした顔でこっちを見つめていた。

「ニヒヒッ。 これで終わりじゃないよ〜」

 そう言って茜はロープウェイから降りた。
 俺たちも茜の後に続いて降りていく。
 茜の後について行くと茜は後ろを振り返り微笑み指を差した。

「じゃーん! 展望台です!」

 茜の指差す方を見るとそこには熱海の街並みから海辺までを見渡せる展望台が見えた。
 何だか高い所というのはテンションが上がる気がする。 
 ……いや実際上がってきた。
 俺は気が付けば展望台の手すりに手を置き、ここから見える景色を眺めていた。

「おーい皆! ここからの景色最高だぞ!」

 後ろを振り返り俺は3人に向かって叫ぶ。
 風が強く吹き茜と智咲の髪が揺れる。 
 小走りで向かってくる菜摘の胸が揺れる。
 それを見た俺の心は踊る。

「本当だ! 海がすっごく綺麗に見えるね!」
「もー、陽兄〜、茜が先に見るつもりだったのに〜」
「兄さんも子供ね。 ……そういうとこ可愛いけど」

 3人はそう言ってから手すりにつかまり、展望台から見える景色を眺めた。
 3人は景色を見ながら「おぉー!」とか「きれーい!」とか漏らしていて、どうやらこの景色を気に入ってくれたようだ。
 天気が良い時に見えることのできる熱海市の離島、初島も見ることができて3人はかなり嬉しそうだ。
 それを見ていると何だか俺も嬉しくなってしまう。
 そんなことを考えていると不意に茜に抱きつかれた。

「ニヒヒ〜。 よかったね、陽兄〜」

 髪を耳にかけ上目遣いでとびっきりの笑顔でそう言う茜。
 思わず抱きしめそうになったが拳を握りしめ己の太ももを殴りなんとか我慢した。

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