新世界と転生の賢者
天生健司の憂鬱
「だめだ・・・」
机の上に読んでいた辞典を投げる
最近何をやっていても上手くいかない
少し前なら辞典を読むだけで一日過ごすことができたが
今はまるでどこかに自分の半身を落とした気分だ
何もやる気が起きない・・・
倒れるようにベッドに横になる
ベッドに横たわった拍子に視界にヘッドギアが入る
「気晴らしぐらいにはなるかな?」
倒れた体勢のまま手だけを伸ばしてヘッドギアを被る
電源をオンにすると軽い浮遊感と共に最近見慣れた白い部屋が視界に映る
「ログイン待ち10089人・・・?」
白い部屋のドアに書かれている数字に頭を傾げる
今までこんな事はなかったはずだが・・・
そういえば今は夏のイベント中だったか?
「・・・やる事もないし・・・待つか」
白い部屋に備え付けられた椅子に座り虚空を見つめる
一人、二人とカウントが減っていき、ドアのカウントが一桁になる頃には数時間が経っていた
「やっとか」
カウントが0になりドアが開くと見慣れた光景が目に広がる
「さて、何をしよう」
特にすることを決めてなかった僕は適当に街をぶらつく
そこは何十年も見た風景を延々と眺め・・・
違和感に気づく
こんな街並みだったっけ?
前来た時はこの先に何があるか、誰が住んでいるかまでわかったのに今では何もわからない
見知った街が急に知らない街になっている
頭がおかしくなったか!?
いわれもない恐怖にかられ走り出す
通りすがりの冒険者達が何事かとこちらを振り向くが気にせず走る
スタミナゲージが無くなり息も絶え絶えになった所で人にぶつかる
「あれ?君は天翔君じゃないか?」
声につられて視線を上に上がるとランズロットさんが立っていた
◇
「へぇ・・・最近何をやっても上手くいかない・・・見知った街が知らない街になってる・・・ね」
露店街を共に歩きながら
頭がおかしくなったのかと笑われる覚悟で心の内を話したが
ランズロットさんが真面目に聞くのでつい思った事を全部話してしまった
「僕・・・おかしくなったんでしょうか?」
ランズロットさんは眼鏡をかけ直すとこちらの目を見つめる
「人間誰しもそういった状態になる事はある、君はたまたま今それが起きただけだ」
言ってる事は理解できる、だがランズロットさんの言うそういった状態とは違うと直感で感じてしまう
「それに・・・僕は今の君の方が魅力的だと思うよ?」
ランズロットさんが手を握り励ましてくれる
だめな子ほど可愛いというやつだろうか?
心なし頬が赤く息が荒い
「・・・ランズロットさん・・・ありがとうございます!少し心が軽くなりました!」
「力になれてなによりだ、それにしても何か騒がしいな」
露店通りでは何故か路上オークションが開かれている
「こういった行為は決められた場所でするべきだ・・・私は少し注意をしてくる」
短槍を片手にオークション会場に突っ込むランズロット
それにしても人が多い
イベント中っていうのもあるけど
キョロキョロと周りを見回す
「遅かったのぅ」
「!?」
最近聞こえなくなっていた幻聴が聞こえてくる
幻聴をよく聞こうとして・・・目の前のフード姿の人間が話しかけて来ていると気づく
「このまま消滅するかと思ったぞぃ」
フード人間は小さい声でそう呟くと僕に抱きつき・・・消えてしまった
「なん・・・だったんだ?」
白昼夢のような出来事に呆然としながら・・・心の中に何か熱いものを感じる!
「今の現象はなんだ!?幻覚か!?それとも!」
久しぶりに感じるやる気に今日は徹夜で原因の解明をするのであった
『やれやれじゃのう』
机の上に読んでいた辞典を投げる
最近何をやっていても上手くいかない
少し前なら辞典を読むだけで一日過ごすことができたが
今はまるでどこかに自分の半身を落とした気分だ
何もやる気が起きない・・・
倒れるようにベッドに横になる
ベッドに横たわった拍子に視界にヘッドギアが入る
「気晴らしぐらいにはなるかな?」
倒れた体勢のまま手だけを伸ばしてヘッドギアを被る
電源をオンにすると軽い浮遊感と共に最近見慣れた白い部屋が視界に映る
「ログイン待ち10089人・・・?」
白い部屋のドアに書かれている数字に頭を傾げる
今までこんな事はなかったはずだが・・・
そういえば今は夏のイベント中だったか?
「・・・やる事もないし・・・待つか」
白い部屋に備え付けられた椅子に座り虚空を見つめる
一人、二人とカウントが減っていき、ドアのカウントが一桁になる頃には数時間が経っていた
「やっとか」
カウントが0になりドアが開くと見慣れた光景が目に広がる
「さて、何をしよう」
特にすることを決めてなかった僕は適当に街をぶらつく
そこは何十年も見た風景を延々と眺め・・・
違和感に気づく
こんな街並みだったっけ?
前来た時はこの先に何があるか、誰が住んでいるかまでわかったのに今では何もわからない
見知った街が急に知らない街になっている
頭がおかしくなったか!?
いわれもない恐怖にかられ走り出す
通りすがりの冒険者達が何事かとこちらを振り向くが気にせず走る
スタミナゲージが無くなり息も絶え絶えになった所で人にぶつかる
「あれ?君は天翔君じゃないか?」
声につられて視線を上に上がるとランズロットさんが立っていた
◇
「へぇ・・・最近何をやっても上手くいかない・・・見知った街が知らない街になってる・・・ね」
露店街を共に歩きながら
頭がおかしくなったのかと笑われる覚悟で心の内を話したが
ランズロットさんが真面目に聞くのでつい思った事を全部話してしまった
「僕・・・おかしくなったんでしょうか?」
ランズロットさんは眼鏡をかけ直すとこちらの目を見つめる
「人間誰しもそういった状態になる事はある、君はたまたま今それが起きただけだ」
言ってる事は理解できる、だがランズロットさんの言うそういった状態とは違うと直感で感じてしまう
「それに・・・僕は今の君の方が魅力的だと思うよ?」
ランズロットさんが手を握り励ましてくれる
だめな子ほど可愛いというやつだろうか?
心なし頬が赤く息が荒い
「・・・ランズロットさん・・・ありがとうございます!少し心が軽くなりました!」
「力になれてなによりだ、それにしても何か騒がしいな」
露店通りでは何故か路上オークションが開かれている
「こういった行為は決められた場所でするべきだ・・・私は少し注意をしてくる」
短槍を片手にオークション会場に突っ込むランズロット
それにしても人が多い
イベント中っていうのもあるけど
キョロキョロと周りを見回す
「遅かったのぅ」
「!?」
最近聞こえなくなっていた幻聴が聞こえてくる
幻聴をよく聞こうとして・・・目の前のフード姿の人間が話しかけて来ていると気づく
「このまま消滅するかと思ったぞぃ」
フード人間は小さい声でそう呟くと僕に抱きつき・・・消えてしまった
「なん・・・だったんだ?」
白昼夢のような出来事に呆然としながら・・・心の中に何か熱いものを感じる!
「今の現象はなんだ!?幻覚か!?それとも!」
久しぶりに感じるやる気に今日は徹夜で原因の解明をするのであった
『やれやれじゃのう』
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