新世界と転生の賢者

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暇つぶしと転生の賢者


「これは珍しいのぅ・・・」

グラフ街露店街
賢者は今日も知識を求めて探索している

珍しいアイテムを手に入れホクホク顔で露店街の端に移動する
古今東西様々な製作キットを取り出すと
突然見たことも無いアイテムが大量にあらわれた事により人だかりができている
タイムリミットありきの暇つぶしで時間が無いため仕方ない

先程手に入れたアイテムをその場で錬金、付与、転換していく
その様子を驚愕半分面白半分で見ていた野次馬がアイテムをこちらに投げ込んでくる
折角なのでその素材を魔改造するとアイテムを投げる野次馬が徐々に増えていき素材に困らなくなった

興が乗ってきた私は普段つくらない実用性皆無のアイテムまで作り出す
犬耳カチューシャを体と連動するようにした
野次馬のテンションは何故か急上昇
その場で疑似オークションが開催され始める

『こ・・・!これは俺が買う!愛しのあの子に!3000G!』
『ぜ・・・!絶対欲しいわん!5000G!』
『いや10000G!』
『私の看破のスキルがいっています・・・あれは53万Gです』
『『『買えるかそんな値段!!!』』』

面白がっていた集団が血眼になって更にレアな素材が投げ込んでくる

「む・・・?このアイテムは・・・」

時の砂・・・時間を逆行させる成分があるアイテムだ
私がこのアイテムの成分を100%発揮させれば魔力耐性が無い人間なら一発で生まれる前の姿にする事が出来る程のレアアイテムだ

前の世界では不老不死の霊薬を作ろうという魔法教団の会合で使ったのだが
いかんせん知識が足りなかった私達は多くの犠牲を出してしまった
それ以降ご禁制の品になった時の砂は世界から封印された

だが今回偶然にも件の品がある

「今の私ならば何つくれそうじゃ!」

結果として大量の失敗作の飴をつくってしまった
時間を逆行させレベルを下げるどころか
時間を進行させて未来に受ける状態異常を今受けるというわけのわからない失敗作まで出来た
今回も失敗作だらけになってしまった
だがご禁制の品を堂々と実験の材料に出来るのは久しぶりで満足できた

「たまにはこういうのも悪くないのぅ・・・」

今日はイベント5日目
最終日に向けての祭りの雰囲気にあてられほろ酔い気分の賢者であった

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