俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件

のりしお

学校生活2日目……

 
  まだ朝早くの事、教室の窓辺から入ってくる風は少し冷えていて今の季節には気持ちの良いものだった。

  そんな中……

  俺は震える手でケータイのメモ帳機能に遺言を書いていた。

  しかしまぁ一番後ろの窓側とはなかなかいいポジションだが……いつ消えるか分からないこの命……友達できたら花瓶でも置いてもらおう。

  友達が出来たら……。

  俺は自分の書いた遺書を見た。

  【拝啓お父さん、お母さん、そして妹の雫よ……俺は今ある事情により不安の中、常に怯えている状況で学校生活を送っています。まるでハンバーガーのバンズを真ん中にして肉2枚に挟まれたような……そんな気分です。いやぁー!!油がどんどん染み込んでくる〜〜!!……とまぁこんな感じなのですが今まで育ててくれてありがとう】

  軽く書いて見たがこんなものか?遺書など書いた事ないからさっぱりだ。

  きっと第三者に見せたのなら俺は精神科に連れていかれるに違いない。

  しばらく時間が経ちーー

  次第に教室の中に続々と生徒が入ってくる中、俺は隣の席が志保……前の席が美代と言う本来なら美少女2人に囲まれたハーレム状態で喜ぶ訳だが……

  だが!!

  全て命がけだ……誰か心臓ください!いくつあっても足りません!

  俺は横目でチラッと志保の方を向くと教科書の裏表紙に名前を書いていた。

  さらさらっと書くそのなめらかな指先からは気品さを感じさせる。

  【山口 志保】

  「へぇ〜志保って綺麗な字書くもんだな〜硬筆とか得意だったっけ?」

  「なっ!……」

  すると志保は急に書くのをやめてマッキーペンを手から落としこちらを見てきた。

  「き、綺麗!?そんな可愛いだなんて……お世辞、言ってもなにもでないわよ!もうっ!」

  志保はふんっと言ってそっぽを向いた。

  え?なに言ってるの?俺は字が綺麗って言ったんだけど……それに可愛いなんて単語は一言も使ってない。

  「雪くん〜美代の字も見て〜ほら?綺麗でしょ?可愛いでしょ?」

  美代は後ろを振り返ると俺の方にグイグイとノートを押し付けた。

  近すぎて見えないのですが……。

  【関根 美代】

  と言うかなんでお前ら字に可愛さを求めてるの?顔文字でも書いてるの?

  「お、おう美代の字も綺麗だな」

  すると美代は膨れた顔をした。

  「むぅ〜!可愛くないんだ?可愛くないなら……」

  待って!可愛いよ!だからシャーペンを高く上げて刺そうとしないで!

  教科書に名前を書くだけで人の命が関わるとか今の社会厳しすぎ!

  「みなさーん青春してますか〜?そろそろ席について下さ〜い」

  教室のドアから出席簿を持って先生が入ってくるとそれぞれが席につきはじめた。

  「また後でね……雪くん」

  なんで続く事が確定してるの!?もうやめよう!ねえ?

  先生が出席を取り終えた後、各自部活動見学をする事になった。俺はもちろん友達作りの為にいろんな人に声をかけようと思ったが……志保と美代がそんな事を許してくれなかった。

  「私以外の女に手を出すつもり?最低ね……」とか

「美代がいれば他はいらないよね?……ね?」とか
   
  俺は男に話しかけるつもりなのに……いやホモじゃないから!

  それは真っ向から否定するよ!

  そんなこんなで、俺たちは一緒に部活動見学をした訳だが……美代も志保もどの部活動からも入ってくれと勧誘されまくり、挙げ句の果てには泣いて土下座する先輩もいたが
  「美代は〜雪くんと同じ部活がいいからな〜」とか「わ、私は別に構わないけど……雪くん1人じゃ心配だから同じ部活に入ってあげないこともないわよ」

  などと言って、全ての勧誘を断った。

  先輩方、なんか俺のせいですみません!だから睨まないで!!特に野球部の先輩!!泣きながら「マネージャーが欲しい!」とか言わないで!

  そんなこんなで、俺たちは全く決まらずとりあえず保留となった。

  今日1日がすごく長い気がする……。

  夕日が沈み込んでいく中、これから夏に入ろうとしているせいか今朝とは違い少しジメジメとした空気が流れこんでくるのを感じていた。

  志保はこちらをチラッ、チラッと見てきて美代は俺の腕をつかみ、胸を押し当てて「結婚しようね〜」とか話しかけてくる。

  それらを全て軽く流していたが、そろそろ限界に近そうだ……。

  「ねぇ?聞いてるの雪くん?……そ……」

  「もちろん聞いてるとも!でもあれだな!……今朝とは違って少し暑いな!」

  俺は全ての空気を切り裂くためあえて大声を出した。

  「そうね、特に胸のあたりが暑いわね……」

  志保は制服を少し淫らにし手で仰ぐと……

  「美代もそう思うの〜」

  そう言って美代もパタパタとスカートを仰ぎ始めた。

  その光景は明らかに同い年とは思えない格差があった。

  あえて何とは言わないが……。

  「ぬっ!……かっ!……そ、そうよね!特に上半身が暑いわよね!」

  あぁ〜、嫌な予感がする〜。

  「うん、特にむ……」

  これはまずいな……2人が喧嘩したら世界が、俺が終わる!

  「ふ、2人とも!部活とかどうするの!?もう決まったのかな!?」

  すると志保はもみあげをくるくると回したが斜め下を見てしばらく黙っていた。その隙に美代が俺に再びくっついてくると……

  「私は雪くんと同じ部活動にしよっと〜」

  「わっ!あぶなっ!」

  いきなり飛びつかれたので少しバランスを崩しだが美代をなんとか抑えると志保がものすごい目つきでこちらを睨んできた。

  「誰かに任せてばかりでは社会に出られないわよ、いつまでも雪くんに甘えているのは良くないと思うのだけれど」

  その後も俺たちはグダグダと会話しやっとの思いで家に着いた。

  こいつら部活動入る気あるのか?

  部活動……どうするかなぁ〜。

  こうして俺の2日目の学校生活を終えた。

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