時の異能者

茶影さん

12話

「またここに来たの?あほだよね、ほんとに君はあほだよね!」

「うるさい!こうでもしなくちゃあのままでいるのが苦痛以外何者でもないわ!」

確かにこんな手を使ってまでここにくる事になるとは思わなかったけれども!それでも!あれは嫌だ!

「というかたぶんもうすぐ君起きるよ?そういうことで、じゃな!しばらく来るな!」

あ、おい!まじかよ...またあそこに戻らなくちゃいけないのか...そんなことを思ったら既に俺の意識は覚醒しかけていたのか次の瞬間にはもう目の前は真っ暗だったそして思うこれからどうしようかと...


「ふん、ようやく起きたか。」

「んーんー」

「まだ口は塞いである、喋れない、そしてもうすぐお前の待遇が決まるだろう」

相も変わらず機械的な音声でどう反応したものか分からないというのが本音だ

「んーんーんー」

「もう騒ぐなよ、さっき何故か私が怒られたのだ、暴力を振るうんじゃないとな...」

この人、俺のせいで怒られたのか、まぁどうでもいいがな...というか今何時だ?いや、どうせ話せないし...どうしようもないよな、寝ようかな...

「あ、そうだ、寝るなよ?間違われたら面倒だしな」

なんてこった、寝れやしないのか...じゃあどうしろと言うんだこの人は...出来ることなんてないし


それからどのくらい経ったのだろうか、気付いたら寝ていたと思う正直目の前が暗いというだけで眠気が襲ってくる。

「...お前寝てたろ...絶対寝てたろ!また怒られたじゃないか!」

俺悪くなくね!この状況が悪いだろ!じゃあこれ取れよ!「ん」しか言わせないこの状況をどうにかしてくださいよ!猿ぐつわ?をはずしてくれよ!

ガタガタと俺は必死に動くが気付かれるはずもなく「うるさい」と一蹴された。おかしい...

「はぁ、もうすぐだと言われてあれこれ2時間経っているんだけれども...」

苛立っているのか貧乏ゆすりをしているようで床?がカタカタと叩かれているようだ。これは怒らせてはいけないと思いました。



あれからどのくらいの時間が経っただろうか...あれからずっとカタカタとなっているさっきよりも心なしか早くなっていると思う。あれから暴れられるはずもなくおとなしくしていたが何回か寝かけていたがなんとか起きていた。が限界だ!もう寝る...というときに『バン!』と扉?の音が聞こえて急に目隠し?と猿ぐつわを外され一発ビンタされた...なんで!おかしいでしょ!何故俺ビンタされた!ねえ、なんで!で、よく見てみるとそこにいたのはゆうだった。まじかよ...

「で?どうして捕まったか分かってる?海音かいと?」

「...いや、しらんな、それより今の状況を説明してほしいんだが...あと時間」

口と目は解放されたがいまだに手と足は縛られたままなんだが...

「分かった、今あなたはここに拘束されている。そして今の時間は【4時42分】よ、もちろんPMだけれどもね。それで十分?」

「いや、それはおかしいだろ、拘束されている理由聞いていないし」

「そう言えばそうね、簡単にいえばあなたは危険なのよ。あらゆる意味でね、自覚はしていると思うけれどね」

「一応、その自覚らしきものはありますがそれがどうかしました?」

「それが原因なの、分かっていたようでなによりです。」

「で?それでどうすれば帰らせてもらえるんですかね?」

「え?帰れると思っていたの?」

ですよねー知ってた。じゃあどうすればいいのかな?俺は?

「…かといってここに置いておくのも邪魔だしな。一回気絶させて外に放って置けばいいか……」

なんか物騒なこと言ってるし、俺が警察に話しても「夢でも見ていたんだろ」で終わるだろうし……
いや、浩介こうすけとかいう警察だったら分かってくれるのだろうか……それはどうなんだ?

「…海音かいと、私はこういう立場にあるの。そしてこの事は他言無用よ、亜美に手を出されたくなかったらね」

それは亜美が人質としてとられていると思って間違いないということか!ふざけるなよ!

「そう怒らないで、これはある意味取引よ。貴方が黙っているならばこちらも何もしない」

「それをしないという根拠はなんだ!」

「……そうね、この案件は私達の信頼にも関わってくるの……それだけなんだけれども根拠として薄いわね。……じゃあこうしましょう、‘クライマー'が勝手に亜美に手を出した場合、警察に言ったりマスコミに垂れ込むのもあり、殺してもかまわない、それでどう?」

やはり根拠としては薄いのだけれども、それならまだ大丈夫…か

「……わかった。その条件でいい」

「契約成立ね」

この時の俺は目の前の事に気をとられ過ぎて何を思って笑う優の顔がよく見えなかった……そして

「今のを契約とするために彼女を呼んできて」

「わかりました」

そう言って優はそこにいたフードをかぶった人にそう命じた。数分もしないうちにその人は現れた。もう一人のフードをかぶった人を連れて。

「では改めて契約をしようか海音。契約内容は先ほどとほとんだ変わらない、
1つ.冬馬 海音はクライマー関係者手を出してはいけない、手を出した場合、海音の大切な人は殺される。

2つ.もし、こちらから海音、及びその関係者に手を出した場合この契約は無くなる。その時手を出した輩は死に死体は消える。

3つ.何かしらの要因で「契約」の異能者が死んだとしてもこの契約は続行される。

4つ.第三者から海音、及び関係者の人に危害が加わりそうであったらこの契約で守られる。

これにて契約を終える、この契約は忘れることのないように記憶にしっかり刻みこまれる。以上が契約内容になる。そしてこれを話し終わったときから1時間後に契約は開始される。が海音以外に手を出さないことを我らクライマー、契約の異能者によって保障されるこれを破れば私は死ぬ。」

...なんだそれ、ほとんど変わらないけど、俺は危害を加えられるみたいな言い方は......まさかな

「...よし契約も終わったし海音を解放してあげるよ」

よかった奇遇で終わりそうだ...手と足の拘束を解かれ自由かと思いきや、そんな事はなく、もう1回気絶させられた。俺が意識を取り戻したのは、幼いころ遊んでいた公園だった。既に日が傾き始めていて、今日という日の終わりを知らせていた。

......やっぱりそうなったかくそが!はぁ携帯とかあるかな?お、あった...

俺のポケットに入っていた携帯の時計は【6時12分】を指していた。そして一枚の紙がポケットに入っていた

『ワレラクライマーハイツデモキサマヲミテイル』

とだけ書かれていた。いやがらせでもここまでしないっての...それほど本気なのか?けどもういい、俺は決めた絶対にどんな手を使ってでもクライマーを壊滅させてやる。俺はそれを決意し、方法を考えようと悩み始めた。

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