時の異能者

茶影さん

7話

「俺は警視庁刑事課所属異能変異解決部部長である阿部あべ 浩介こうすけだ」

「...」

いやまじで説明もなしにつれてこられて自己紹介とかされてもどうしろってんだよ!

「ふむ、それもそうかんじゃ説明してやろうか、お前が今いる状況とこれからについてな」

だからなんで俺の考えていることが分かるんだよ!

驚きと戸惑いのような考えをまわしていると急に

「っくくくくはははははは」

「んな!急に笑うんじゃねーよ!」

「いやー悪かったなそんなことを考えている顔するとは思わなくてな、くくくく」

やっぱ子供じゃねーか!大人ぶりやがってよ!

「...ヴォイてめぇ、俺のことを子供だと思ってんじゃねーぞ?おい!」

グッと近づいてきてガっと胸元を掴まれた。めっちゃ怖い顔してまるで鬼のような顔してた。背が小さいのを気にして今まで生きてきたのかよ!

「あたりめぇだろ!俺なんて!俺なんて!小学6年生から身長伸びてないんだぞ!お前にこの苦しみが分かるかテメェによ!」

涙ぐみながら力説されてもしょうがないじゃん。わからねぇし、あと顔がちけぇ、あと首!首が閉まる!

首を絞めている腕をパシパシと叩く。

「おおー悪かったな。あと俺の異能は『読心術』の強化版と考えてくれ俺は『心理観測』と読んでいる。よろしく頼むよ『冬馬とうま 海音かいと』君?おっとそんなに驚くような事かね?」

「そりゃ驚くに決まってんだろ!まだ名乗ってすらいないぞ!」

「...お前をここに連れてくるように言った奴いたろ?」

ああ、あの人か...ということはあの人も異能者ってことでいいのかな?

「正解だ。あいつは一目見ただけでそいつの名前が分かる、たとえ顔を変えていたとしても...な」

そこまで言うと刑事?さんは椅子に座りこっちにも座るように促した。俺が椅子に座るのを待ってから話を続けた。

「...さて、ともかく今のお前の状況とこれからについて話してやろう。そうだな、まずは...異能についての説明をしてやる。よく聞いておけよ?
まず異能が発現した時に半永久的にその能力に関する要素のうちの1つがなにかしらの形で現れる。それを俺らは『暴走』と呼んでいる。
お前の場合は人を一人含めた状態で...そうかお前のダチか...」

そんなに辛気臭い顔をしないで欲しい。もうやっちまった後だし。解決法があると思うし

「...まぁいい話を続ける。えーっと、それでなお前はその空間を固定...というか止めたわけだ。そして『暴走』で起こしたことは何かが原因でおさまるらしいがよくわかっていない。
それにお前が止めた空間は特殊らしくてなその空間の中に入れないんだ誰一人としてな。
そんな異能を放っておくわけにもいかないのでお前は今警察に連行されているということだわかったら首を縦に振れ!」

俺は首を縦に軽く振った

「なぜ確保されたかというと単純な話だ、【クライマー】の奴らに拉致されないためにだ。そして、その異能を今後どういう風に使って行くかの決断をさせるために...だ。」

いつになく真剣な表情をしていやがる。でも俺どうすればいいのかよくわからないんだけれどもな...

「そう言えば話の内容が違っていたっけな?じゃあ最初から詳しく説明する。まずお前の状況だが今お前は異能者のグループに狙われている。そして、異能者は三つのグループをつくっている。
まず一つ目さっきも言ったとおもうが【クライマー】トレードマークは黒の六芒星
こいつらはいわゆる犯罪者の集まりだ。しかし、以前は非人道的な実験をしていた科学者たちに復讐を誓い行動していたグループだった。そしてその復讐を果たした後、残った犯罪に手を染めていた奴らと科学者との戦いの中で発現した異能者のなかで気性の荒かった奴らは、犯罪に手を染めていった。そして今の【クライマー】が成立された。

二つ目に【クライション】についてだ。トレードマークは白の六芒星
このグループは初期の【クライマー】から抜けた奴らと争いで発現した異能者の中でも争いを嫌った奴らの集まりだ。けど最近は【クライマー】と小競り合いが頻繁に起きている。そして異能を使っているからと言って異能者が悪者という世間の風当たりを払拭するために活動している...といった感じだ

そして三つ目【ノ―クライメーション】トレードマークは白の六芒星が円のなかに入っている
このグル―プは...あーなんて言うかなんもしない異能者の集まりって感じかな?でも最近は【クライション】を支援しているグループってとこかな?

そして、俺が所属している【アイセルカンド】トレードマークは無い
このグループは警察関係者の中の異能者が集まっているって感じだ。それでも普段は【クライション】に入っている奴らと【クライマー】に入って情報を集めている奴らの二つに分かれている。」

ここまで話を聞いてみたがやはりどのグループに入るかなんて急に言われても...でも自分の身は自分で守らなければいけないという感じがねひしひしと伝わってきたな。

俺が小難しい顔をしていたのか読みとったのかは分からないが阿部さんが...

「お前のことはお前が決めろ、それを決めたら今日はもう帰ってもいい。親御さんには連絡しておいた」

それを聞いてさらに俺は迷うのであった。結局どうするのかを決めた時には零時をまわってからだった...

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