時の異能者
5話
「あのね実は....」
ここまで言うと亜美の言葉をさえぎるように優が
「相談したいことがあるの」
そうきっぱりと言い放った。
そういうところはさすがだと思うけどもそれでもその声には落胆と迷いがあるようだった。当然と言えば当然なのだが
「...健のことか?」
目を閉じおそらくこれが正解だと思うことを言った。目をあけると予想通りの顔がそこにあった。驚いたような嬉しいような何とも言えない顔をしていた。片目が見開きもう片目が少し細くなっていた。このような顔は見たことがない。
「なんでそのことを?」
すこし落ち着いたのか顔をいつものように戻しあくまでも表面上は落ち着いているように見えた
「今日の朝覚えているか?俺と健が話しているのを」
ここまでくれば隠す必要はほとんどないとそう俺は思った。それでも少しは隠すと思うけども
「もちろん知っているわ」
当然と言わんばかりにそういう優。なら話は早い、俺はこの話に決着をつけるためにこう切り出した
「じゃあ訊くが今でも健が好きか?」
これが一番早い。正直こいつらに巻き込まれるのはいやだからな。そして健の答えを知っている以上、こうするしかないと思った。
優はこの質問を聞いたとたん顔が赤くなった。つまりそういうことだと俺は思ってる。もちろん答えは...
「そりゃあそうよ。いまでも..るのこと.きに....んじゃん」
おいおい最後らへん聞こえなかったけど顔を真っ赤にして下を向いているので察せる。はいはい、じゃあちょっと手伝おうかね。
「はいはいわかったわかった。じゃあ亜美」
いままで会話に参加せず黙々とお弁当を食べていた亜美に声をかける。亜美は口に入った物を飲み込み終わると
「ん~わかった私も手伝えばいいんだね~」
さすがに会話ぐらい聞いていたか。俺はその言葉に首を縦に振った。そうして長いようで短い昼休みが終わった。...そういえばいつもは健と優は一緒に飯食ってたっけどうしてんだろうな
そんなことを考えお昼休みも終わり午後の授業が始まった。相変わらず授業が面白いとは思えずぼーっとしていると
「おいゴラァ!海音、私の授業を聞いてないのか?あぁん?」
といったかんじで薫ちゃんがちょいオコみたいな感じだ。そんなに退屈そうな顔してましたかね。それは申し訳ないです
「いやいや、まさか?そんなことあるはず無いですよかおりty...いや薫先生?」
クラスの視線を一人占めにしているため下手なことは言えないのだが...
「おい、海音!か・お・り・ちゃ?なんだ?いってみろ?」
やべぇやべぇよ怒らしちゃったなてか怒らしたとかいうレベルじゃねーぞ。やばいやばいやばい
「ん?い・っ・て・み・ろ・っ・て・い・っ・て・い・っ・て・ん・だ・よ」ニコッ
怖い怖い怖い、クラスの奴もみんなして顔を下にむけうつ向いていやがる、仕方ない、なんとか誤魔化せないかな?
と考えた時『キーンコーン』というチャイムが流れ
「ほ、ほら先生じゅ、授業終わりのチャイムも鳴りましたしオ、終わりません?」
授業のチャイムはいつもとは違う意味で安心をもたらしたと思った...思ってしまった。
「しょうがない。じゃぁ海音おまえこれ運ぶの手伝え」
指差したのは見た目は軽そうな紙袋だが実際はそうではない。紙袋の中には今日の授業で回収したプリントだったこれが一人1枚ならともかく5枚とかだから結構重いのだ。
「っく、それで帳消しにしてくれるというのではあれば喜んでお運びさせてただきます...」
ただでさえクラスのみんなに迷惑かけているのにこれ以上面倒は大きくさせたくないしな。仕方ないのだ、そう仕方ない。
そう聞くと薫先生はニコォと悪魔的な笑みで言った。
「よし、そこまで言うのであれば仕方ないな、海音荷物運びさせてやろう喜べ」
その顔に苦笑いしかできなかった
「よーし、では解散。次の授業に遅れんなよ~。んじゃ海音荷物持ってこい。職員室にな」
そういって荷物すべてを置いて出て行った...まじかよぉ、落ち込んでいる暇はないか...周りからの同情の眼が痛いほど刺さる。じゃあ手伝ってくれよと思う俺だった。
「失礼しまーす。薫ちゃ......薫先生の荷物をお届けにまいりました。」
「お!予想より早いな、そこに置いておいてくれ~」
やべぇまたやらかしたと思っていると特にお咎めなく終わった。よかったよかった......『ガシィ』え?
振り向きたくないがつい反射的に振り向いてしまった、もちろん後悔してももう遅い。
「あっはっは海音くんちょっとお話しましょうか」
やべぇ、冷や汗止まらないし青筋立ってるしまだ職員室なのにそんなことするはず無いよね?ね?
「アハハ―話するのでしたら外出ましょうかーアハハ―」
外に出てからのち彼の姿を見たものはいなかった...完
...ということもなくそんなはずもなく思いっきり説教されました。はい、次からは気をつけよう...いや今までも気をつけていたけれども急すぎて出てしまったということで...いや、申し訳なく思ってはいますよ?そりゃあねこれからもっと気をつけていこうと思いました。はい...
「じゃ次から気をつけろよ?」
「はい...」
そうして薫先生から解放されたのは授業の終わりの時でした。長いよ長すぎるもうこれで今日の授業終わりだよ。はぁ
解放されて教室に向かい掃除を当番表に従い行い、ホームルームの時間となった。
ホームルームも終わり俺は朝に約束していた通り健と帰ろうとする……が今日も玄関でばったり会ってしまった。若干気まずい空気が流れる。健と優は顔を合わせようともしない。そして一言もしゃべらず帰ってしまった。亜美は手を振ってきたので手を振り返し優の後を追いかけて行った。今日は公園大丈夫かな...
「健、行こうぜ」
「......ん?ああ」
「どうした考え事か?」
そう訊くと苦笑いして
「んまあね。」
それ以上聞く気もないので抵当に相槌を打っておいた。それからいつもと違う公園に行く。ここの公園はある意味穴場みたいなところで子どもは一人もいなかった。公園にはブランコ、時計とベンチしかないので俺らはベンチに座った。座ってしばらく黙っていたが健が
「...実はな相談というのは最近の夢のことなんだ。」
夢と聞くと俺の身体は予想以上に反応した。けどあくまでも冷静を装いこう訊いた
「夢?それがどうしたんだ?」
「それがな...」
と思いのほか真剣な顔でこう言ってきた
「まだ俺は15ではないのはしってるだろ?あの異能者が死んだ日から毎晩...と言っても2、3回だが異能の夢を見るようになってなその夢で俺は......どうした?顔色が悪いぞ?」
話をとぎって俺の方を向く
「いや、お前いつ誕生日だ?」
俺の頭の中では最悪であろうビジョンが見えた。ゆえに顔色が悪いのだ
そんな俺の気を知らないのかこちらを心配しながら
「俺の誕生日?一応今日だよ。だからこそ相談しておきたかったんだよ。急にどうした」
「いや、ありがとう。そしたらお前は今日異能に目覚めるかもしれないということか?」
俺はどうしてもやばいとしか思えなかった。
「ああ、だから訊いておきたかったんだ。俺が異能に目覚めたとしてもお前は親友でいてくれるかってことをさ」
そう言ってこっちに笑顔を向ける健、その光景はまるで『ゆめ』の再現のようだった...
そう気がついた瞬間、頭が急に痛くなる。だがこれを隠して出来る限りの笑顔でこう言った
「あぁ、もちろんだ俺はお前の親友であり続ける。だからお前も俺の親友でいろよ?」
「ああもちろんだとも。誓うよ俺はいつまでも俺はお前の...海音の親友であると」
...笑顔。その瞬間なんで俺はこいつを逃がそうとしなかったのか自分を追い詰めたくなった。けれどなぜかそうしなくてはいけないような気がしたのだ。なぜだが...
「っくはは、なんで海音、泣いてるんだよ。そんな嬉しかったのか?」
身体が勝手に涙を流す。勝手に声が出る。
「ああもちろん嬉しいに決まってるだろ?」
そう聞いた健はやはり笑っていた。そのとき...頭がさらに痛くなってきた。そしてついに...
「あ...あ..ああ..あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!『永久停止!』」
その瞬間この公園のすべての時間が止まった...風も地面も夕焼けも風で少し揺れていたブランコも時間を知らせる時計でさえも...そして夕焼けにてらされた笑顔のままの親友...健がすべて止まった...
ここまで言うと亜美の言葉をさえぎるように優が
「相談したいことがあるの」
そうきっぱりと言い放った。
そういうところはさすがだと思うけどもそれでもその声には落胆と迷いがあるようだった。当然と言えば当然なのだが
「...健のことか?」
目を閉じおそらくこれが正解だと思うことを言った。目をあけると予想通りの顔がそこにあった。驚いたような嬉しいような何とも言えない顔をしていた。片目が見開きもう片目が少し細くなっていた。このような顔は見たことがない。
「なんでそのことを?」
すこし落ち着いたのか顔をいつものように戻しあくまでも表面上は落ち着いているように見えた
「今日の朝覚えているか?俺と健が話しているのを」
ここまでくれば隠す必要はほとんどないとそう俺は思った。それでも少しは隠すと思うけども
「もちろん知っているわ」
当然と言わんばかりにそういう優。なら話は早い、俺はこの話に決着をつけるためにこう切り出した
「じゃあ訊くが今でも健が好きか?」
これが一番早い。正直こいつらに巻き込まれるのはいやだからな。そして健の答えを知っている以上、こうするしかないと思った。
優はこの質問を聞いたとたん顔が赤くなった。つまりそういうことだと俺は思ってる。もちろん答えは...
「そりゃあそうよ。いまでも..るのこと.きに....んじゃん」
おいおい最後らへん聞こえなかったけど顔を真っ赤にして下を向いているので察せる。はいはい、じゃあちょっと手伝おうかね。
「はいはいわかったわかった。じゃあ亜美」
いままで会話に参加せず黙々とお弁当を食べていた亜美に声をかける。亜美は口に入った物を飲み込み終わると
「ん~わかった私も手伝えばいいんだね~」
さすがに会話ぐらい聞いていたか。俺はその言葉に首を縦に振った。そうして長いようで短い昼休みが終わった。...そういえばいつもは健と優は一緒に飯食ってたっけどうしてんだろうな
そんなことを考えお昼休みも終わり午後の授業が始まった。相変わらず授業が面白いとは思えずぼーっとしていると
「おいゴラァ!海音、私の授業を聞いてないのか?あぁん?」
といったかんじで薫ちゃんがちょいオコみたいな感じだ。そんなに退屈そうな顔してましたかね。それは申し訳ないです
「いやいや、まさか?そんなことあるはず無いですよかおりty...いや薫先生?」
クラスの視線を一人占めにしているため下手なことは言えないのだが...
「おい、海音!か・お・り・ちゃ?なんだ?いってみろ?」
やべぇやべぇよ怒らしちゃったなてか怒らしたとかいうレベルじゃねーぞ。やばいやばいやばい
「ん?い・っ・て・み・ろ・っ・て・い・っ・て・い・っ・て・ん・だ・よ」ニコッ
怖い怖い怖い、クラスの奴もみんなして顔を下にむけうつ向いていやがる、仕方ない、なんとか誤魔化せないかな?
と考えた時『キーンコーン』というチャイムが流れ
「ほ、ほら先生じゅ、授業終わりのチャイムも鳴りましたしオ、終わりません?」
授業のチャイムはいつもとは違う意味で安心をもたらしたと思った...思ってしまった。
「しょうがない。じゃぁ海音おまえこれ運ぶの手伝え」
指差したのは見た目は軽そうな紙袋だが実際はそうではない。紙袋の中には今日の授業で回収したプリントだったこれが一人1枚ならともかく5枚とかだから結構重いのだ。
「っく、それで帳消しにしてくれるというのではあれば喜んでお運びさせてただきます...」
ただでさえクラスのみんなに迷惑かけているのにこれ以上面倒は大きくさせたくないしな。仕方ないのだ、そう仕方ない。
そう聞くと薫先生はニコォと悪魔的な笑みで言った。
「よし、そこまで言うのであれば仕方ないな、海音荷物運びさせてやろう喜べ」
その顔に苦笑いしかできなかった
「よーし、では解散。次の授業に遅れんなよ~。んじゃ海音荷物持ってこい。職員室にな」
そういって荷物すべてを置いて出て行った...まじかよぉ、落ち込んでいる暇はないか...周りからの同情の眼が痛いほど刺さる。じゃあ手伝ってくれよと思う俺だった。
「失礼しまーす。薫ちゃ......薫先生の荷物をお届けにまいりました。」
「お!予想より早いな、そこに置いておいてくれ~」
やべぇまたやらかしたと思っていると特にお咎めなく終わった。よかったよかった......『ガシィ』え?
振り向きたくないがつい反射的に振り向いてしまった、もちろん後悔してももう遅い。
「あっはっは海音くんちょっとお話しましょうか」
やべぇ、冷や汗止まらないし青筋立ってるしまだ職員室なのにそんなことするはず無いよね?ね?
「アハハ―話するのでしたら外出ましょうかーアハハ―」
外に出てからのち彼の姿を見たものはいなかった...完
...ということもなくそんなはずもなく思いっきり説教されました。はい、次からは気をつけよう...いや今までも気をつけていたけれども急すぎて出てしまったということで...いや、申し訳なく思ってはいますよ?そりゃあねこれからもっと気をつけていこうと思いました。はい...
「じゃ次から気をつけろよ?」
「はい...」
そうして薫先生から解放されたのは授業の終わりの時でした。長いよ長すぎるもうこれで今日の授業終わりだよ。はぁ
解放されて教室に向かい掃除を当番表に従い行い、ホームルームの時間となった。
ホームルームも終わり俺は朝に約束していた通り健と帰ろうとする……が今日も玄関でばったり会ってしまった。若干気まずい空気が流れる。健と優は顔を合わせようともしない。そして一言もしゃべらず帰ってしまった。亜美は手を振ってきたので手を振り返し優の後を追いかけて行った。今日は公園大丈夫かな...
「健、行こうぜ」
「......ん?ああ」
「どうした考え事か?」
そう訊くと苦笑いして
「んまあね。」
それ以上聞く気もないので抵当に相槌を打っておいた。それからいつもと違う公園に行く。ここの公園はある意味穴場みたいなところで子どもは一人もいなかった。公園にはブランコ、時計とベンチしかないので俺らはベンチに座った。座ってしばらく黙っていたが健が
「...実はな相談というのは最近の夢のことなんだ。」
夢と聞くと俺の身体は予想以上に反応した。けどあくまでも冷静を装いこう訊いた
「夢?それがどうしたんだ?」
「それがな...」
と思いのほか真剣な顔でこう言ってきた
「まだ俺は15ではないのはしってるだろ?あの異能者が死んだ日から毎晩...と言っても2、3回だが異能の夢を見るようになってなその夢で俺は......どうした?顔色が悪いぞ?」
話をとぎって俺の方を向く
「いや、お前いつ誕生日だ?」
俺の頭の中では最悪であろうビジョンが見えた。ゆえに顔色が悪いのだ
そんな俺の気を知らないのかこちらを心配しながら
「俺の誕生日?一応今日だよ。だからこそ相談しておきたかったんだよ。急にどうした」
「いや、ありがとう。そしたらお前は今日異能に目覚めるかもしれないということか?」
俺はどうしてもやばいとしか思えなかった。
「ああ、だから訊いておきたかったんだ。俺が異能に目覚めたとしてもお前は親友でいてくれるかってことをさ」
そう言ってこっちに笑顔を向ける健、その光景はまるで『ゆめ』の再現のようだった...
そう気がついた瞬間、頭が急に痛くなる。だがこれを隠して出来る限りの笑顔でこう言った
「あぁ、もちろんだ俺はお前の親友であり続ける。だからお前も俺の親友でいろよ?」
「ああもちろんだとも。誓うよ俺はいつまでも俺はお前の...海音の親友であると」
...笑顔。その瞬間なんで俺はこいつを逃がそうとしなかったのか自分を追い詰めたくなった。けれどなぜかそうしなくてはいけないような気がしたのだ。なぜだが...
「っくはは、なんで海音、泣いてるんだよ。そんな嬉しかったのか?」
身体が勝手に涙を流す。勝手に声が出る。
「ああもちろん嬉しいに決まってるだろ?」
そう聞いた健はやはり笑っていた。そのとき...頭がさらに痛くなってきた。そしてついに...
「あ...あ..ああ..あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!『永久停止!』」
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