Re:legend
573:血の狂乱
 クレティアの闇を喰らった私は気づいたら真っ暗な空間にいた。
 私の前には真っ暗な闇が広がっていた。ソラミちゃんは迷うことなく真っ暗な闇に足を踏み入れた。
 更に強くなるために、自分の限界を超えるために……
「なんで…なんで、ダンピールのお前が…」
 クレティアは驚きを隠せない表情でソラミちゃんに問う。当然だ。トドメを刺そうとしたソラミちゃんが当然起き上り普通じゃ考えられない量の血を体から噴出し巨大な盾を血で創り出してクレティアの闇を防いだのだから…
 「…………」
 クレティアの問いに対してソラミちゃんは何も返事をしない。ソラミちゃんは黙って大量の血を体から噴出して巨大な木くらいの長さがありそうな血の剣を創った。血の量はソラミちゃんの体にとても収まりそうにないくらいの量だった。
 「血の狂乱…ダンピールだけが使えるという特殊能力か…面白い」
 クレティアはそう呟きながら闇の塊をソラミちゃん目掛けて放った。
 ソラミちゃんはクレティアが放った闇の塊を一閃、あっさりと斬りその場から消えた。
 「どこに……」
 クレティアがソラミちゃんの姿を探そうと辺りを見回そうとした瞬間、クレティアの体は猛烈な痛みに襲われて吹き飛ばされた。
 いつの間にかクレティアの背後に回り込んでいて回し蹴りを喰らわせたソラミちゃんは吹き飛ぶクレティア目掛けて手に持っていた血の剣をぶん投げる。そして、同サイズの血の剣を何本も創り出してクレティアに投げつけていく。
 クレティアは闇の力で何本かは弾いたが何本かがまともに体に突き刺さり串刺し状態になっていた。
 「強すぎる…」
 クレティアが何とか血の剣から体を脱出させて体を回復させた直後、再びクレティアの体に小さな穴が開いた。そして、クレティアの体に猛烈な痛みが走った。次から次へとクレティアの体に小さな穴が開いていく。クレティアがソラミちゃんを睨みつけ、ソラミちゃんが何をしているか見てみるとソラミちゃんはただ単に自分の血を少しずつ垂らしてクレティアに目掛けて放っているだけだった。
 
 凝縮された血はあっさりとクレティアの体を貫いた。そして、クレティアの体内に残ったソラミちゃんの血はクレティアの体内に少しずつダメージを与えられるほどの猛毒だった。
 
 血の狂乱状態となったソラミちゃんは完全にクレティアを圧倒していたのだった。
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