Re:legend

りゅう

572:復活1日前




 リュウが戻ってくる前日、ピュレットは無数の魔族の襲撃に遭っていた。
 その中には『虚無』のクレティアの姿があり、ピュレットに対抗できる者はいなかった。
 だが、戦わないわけにはいかないとピュレット騎士団やみんなは立ち向かった。
 そして、クレティアの前に2つの巨体が倒れた。
 狐と兎の姿をしたコリンさんとニコルちゃんがクレティアに挑み敗北したのだった。
 「んー、君たちは僕相手によくやったよ。だからさ、そろそろ死んでね」
 クレティアは無邪気に笑いながらコリンさんとニコルちゃんにトドメを刺そうとする。
 周りにコリンさんとニコルちゃん以外いないのを確認し『虚無』の魔法を解除して巨大な闇を創り出してコリンさんとニコルちゃんの真上から振り落とす。
 「リュウさん…ごめん…なさい……」
 ニコルちゃんは動けない体の瞳から涙をこぼして呟く。
 コリンさんは死の覚悟を決めて目を瞑った。
 だが、何秒経っても2人に死は訪れなかった。
 
 「へえ、今の闇を弾くんだ。なかなかやるね」
 クレティアは嬉しそうに呟いて『虚無』の魔法を再び発動させて魔法が使えなくなる空間を生み出した。そして、自身は巨大な闇を身に纏う。
 「もうしわけない…けど…2人は殺させない……」
 闇の塊を弾き飛ばした衝撃で震えが止まらない腕をもう片方の腕で必死に押さえつけながらソラミちゃんがクレティアに言う。
 「あと、私に…『虚無』の魔法は…意味がない…私は…ダンピールだから……」
 「あっ、そう。まあ、僕には関係ないから念のために魔法は解除しないけどね」

 そう言いながらクレティアはソラミちゃん目掛けて闇を繰り出した。ソラミちゃんはまだ震える手で血の剣を強く握りしめて先程コリンさんとニコルちゃんを救った時のように闇の塊を弾こうとするが震えて力が入らない腕では先程のように弾くことはできなかった。
 闇の力を直接受けたソラミちゃんはその場に倒れこんだ。

 そして倒れたソラミちゃんに向けてクレティアは再び闇の塊を放つのだった。




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