Re:legend
562:意思表示
ミカエラが地面に衝突した直後、ミカエラが落下した地点に向かって巨大な闇が一直線で進んで行く。
パラスアテナは慌ててミカエラの前に回り込み、闇の剣をイージスの盾で弾いた。
「ふぅ…これはそこのヴァルキリーとの一騎打ちだと思ってたんだけど邪魔しないでもらえるかな?」
「お断りします」
パラスアテナはエリザベータと距離を置いて地面に横たわるミカエラを光と闇の力で包み込んで守る。
パラスアテナとエリザベータが睨み合うが、現状不利なのは後ろにいる戦えない者を守らなければならないパラスアテナだった。故にパラスアテナからは仕掛けない。
万に一つでも相手が撤退してくれる可能性があるからだ。ぶっちゃけパラスアテナの体力や魔力は堕天使たちとの戦いによりほとんどなくなっていた。エリザベータもミカエラとの戦いで消耗してはいるだろうが自分ほどではないだろう。
当然この現状はエリザベータも分かっている。だが、エリザベータも迂闊には攻め込められなかった。光と闇を操るイレギュラーな存在、そしてあれだけの数の堕天使を討ち取った相手ともなるとミカエラとの戦いで消耗した自分が必ず勝てるかわからないからだ。
お互いが睨み合い時間は少しずつ経過していく。パラスアテナとしてはエリザベータが撤退する方が望ましいがエリザベータとしては将来、更に厄介な敵になる可能性があるパラスアテナをここで討ち取りたいという気持ちもあった。
数分の時が経ち勝負を続けるか否かの選択権を握っていたエリザベータが動き出した。
闇の剣を真っ直ぐにパラスアテナに向けて戦うという意思表示を行う。
エリザベータの意思表示を見てパラスアテナも光と闇の剣を作り出してエリザベータに向けて受けて立つという意思表示を行なった。
両者無言のまま戦うという意思表示の交換を終え、両者は剣を構えた。
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