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りゅう

546:天空神殿にて









「リュウ様、参りました。私の負けです。『夢海』を消すべきという意見は変わりませんが敗者としてリュウ様に従わせていただきます。我らヴァルキリーはリュウ様の傘下に加わることをお約束します。とりあえず門の中へ…」
「わかりました。ゆめみちゃん、行こう」
「………はい」

ゆめみちゃんは僕にぴたっと引っ付きながら恐る恐る僕とともに門をくぐる。門の先は空の上のような空間が広がっており光り輝く階段が門の先にはあった。

「この階段を真っ直ぐに登ると我々ヴァルキリーの中枢、天空神殿がございます。リュウ様のお仲間はすでにそこにいると思いますので我らも急ぎましょう」

ミカエラはそう言いながら翼を羽ばたかせる。

「リュウ様、失礼いたします」

ミカエラは僕にそう言い僕とゆめみちゃんを連れて空間ごと移動し、一瞬で天空神殿へと到着する。

「リュウ、ゆめみちゃん、大丈夫だった?」
「ゆめみちゃん、大丈夫ですか?」
「リュウ様、ご無事でなりよりです」

僕とゆめみちゃんが天空神殿に足を踏み入れた瞬間、先に来ていたエリカやニコルちゃんたちが慌てて僕たちのもとにやってきて僕たちの安否を確認する。

「うん。大丈夫だよ」
「………大丈夫です、リュウさんが守ってくれたから…」

僕とゆめみちゃんの返事を聞きみんなはほっと一息つく。

「さて、リュウ様、早速で申し訳ないのですが今から今後についての話し合いをさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「わかりました。みんなはここで待ってて」

僕はみんなにそう言い残してミカエラと共に奥の部屋に向かう。

「まずはここの現状をお話しさせていただきます。現在、ここは魔族による襲撃を受けております。敵を率いるは『慈愛』、『夢海』と同じように魔神王が作り出した力です」
「その『夢海』について教えてもらえないかな?」
「………『夢海』は長らく行方不明になっていたので詳細は分かりませんが、夢を操る能力みたいですね。お力になれず申し訳ありません」
「いやいや、気にしないでください」
「はい。では、話を戻しますが現在『慈愛』と対等に戦えるヴァルキリーは私しかいません。ですから私はここを離れる訳にはいかないのです」
「なるほど、なら僕たちも『慈愛』を倒すのに協力しましょうか?」
「いいえ、リュウ様たちには『全能』や『夢海』、『色欲』に『空白』と現在抱えている問題を解決していただきたい。現状、『慈愛』率いる魔族とヴァルキリーではヴァルキリーが戦力的に上ですのでそちらに人員が必要な時は私以外のヴァルキリーを向かわせることができます」
「ありがたいです」
「リュウ様との連絡をスムーズに行うためにヴァルキリーの軍に所属している5つの少数精鋭部隊の1つをリュウ様に同行させる許可をいただきたいのですが…」
「こちら側としては有り難いですけど大丈夫ですか?」
「はい。戦力的な問題は発生しないと思われますので遠慮なく連れて行ってください」
「では、お借りします」

その後、いくつかの話し合いをした後僕とミカエラはみんなの元に戻った。












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