Re:legend

りゅう

488:僕という存在














「さて、どこから話したものか…うん。ここから話すとしよう…リュウ、僕が君と出会った時に僕が君がこの世界に来た時から君を見ていたと言ったのは覚えているかい?」

「え、あっ、うん。覚えてるけど……あっ」

「どうやら気づいたみたいだね。君の予想は正しいよ。君をこの世界に呼んだのは僕と僕の仲間だ。君が本来いるべき世界にね…」

「僕が本来いるべき世界?」

「ああ、君はこの世界出身なんだよ。そしてこの世界の禁断の魔法で君がもといた世界に転生した。まあ、簡単に言うと君は転生して転生したんだ」

「僕を最初に転生させたのもお前なのか?」

「いや、違う。君を最初に転生させたのは君の両親だ。君の両親は君のことを思って異世界に転生させた。本来なら産まれてはならない君の命を守るために…」

「どういうことだ?」

「かつてこの世界で戦争が起こったのを知っているだろう?天使族と魔族の戦争だ。君はその戦争の最中に産まれた。母親は天使族の女神の地位についていた女神ウリエル、父親は魔族第1王子サリエル…サリエルは魔神王の息子だった。つまり君は魔神王の孫ってことになるね。ちなみに母親の女神っていう地位は天使族でもっとも偉い立場だ。かつて戦場で戦い、互いに傷つけあい、互いの思いを理解した。君の両親は戦争否定派だった。そして2人は互いの地位を捨てて生きることにした。2人だけで…女神である君の母親が地位を捨てて去ったことにより天使族はあっさりと破れた。今まで軍を率いていた女神がいなくなったんだ。当然の結果だろう。こうして天使族は滅びた君の母親を除いてね…そして天使族との戦いが終わった後、魔神王は君の両親の抹殺を決意した。魔族の裏切り者を許すな、と…魔族第1王子と女神の夫婦だ。魔神王にも十分対抗できただろう。2人揃っていればね…だが、君の母親は戦えなかったお腹にいる君のために…そして父親は魔神王に殺された。父親を殺した魔神王は母親を殺そうとしたが母親は女神のみが使える禁忌の魔法を使い君を逃した。そして自身は消滅した…これが君が1度目の転生をするまでの流れだ…君は最強の女神と優しさに満ち溢れた魔族の王子の血を引く者だ。血筋だけなら魔神王をも上回れる。君の両親は願った。いつか君が両親の仇を討ってくれる日が来るように…魔神王を止める日が来るように…君が世界を救う英雄になるように…君が幸せになるように…」

「お前は僕の両親と何か関係があったのか?」

「僕は君の父親の契約精霊だった。君の父親とともに君を逃す時間を作るために魔神王とも戦ったさ…さて、君にこれを渡さないとね…」

クロノスはそう言いながら2つの箱を僕に渡した。

「赤い箱は君の母親から青い箱は君の父親から…2人が最後に僕に託した君への贈り物だ。開けるか開けないかは君次第だ。まあ、僕としては開けて欲しいけどね…2人が箱を僕に渡す時に君への伝言も頼まれた。これは両親としてお前にしてあげられる最初で最後のことだ。お前がこれを使い世界を導くことを願う…以上だ。さあ、どうする箱を開けるか開けないか…」

「開けるに決まってるだろ」

僕は即答し2つの箱に同時に触れた。すると2つの箱が輝きだした。
















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