Re:legend

りゅう

463:2人で














「アクアちゃん、アクアちゃん、しっかりして」

私が目を覚ますとエリカさんが私の体を揺らしていた。

「よかった。急いでリュウのところに行くわよ。私達じゃあいつは倒せない。リュウに頼るしかない…」

エリカさんは悔しそうにそう言った。

「エリカさん、すみません。私、どうしてもあいつを倒さないといけないんです。そう思ってるのはサラちゃんも同じはず…だから私はサラちゃんの分まで戦います。エリカさん、サラちゃんをお願いします」

「………何を言っても無駄みたいね。わかったわ。サラちゃんは必ずリュウのところに連れてくわ。だからあなたは気兼ねなく戦いなさい」

エリカさんは私にそう言い残しサラちゃんを担いで走って行った。

「逃げなくてよかったのかな?」

「逃げる?私がお前から逃げるだと…そんなこと許されるわけないだろう…」

「アクアちゃん、落ち着いて…冷静に…じゃないとあいつには勝てない…」

怒りのままイカヅチに攻撃を仕掛けようとした私をユリちゃんが止めてくれる。

「2人で一緒にやりましょう」

ユリちゃんは覚醒状態になって私に言った。私も覚醒状態になりイカヅチと対峙する。

「スイ様とイズミちゃん…いいえ、師と姉弟子の仇を取らせてもらう」

「なんだ〜まだ昔のことを根に持ってるの?まあ、いいや…その方が私を倒そうと必死になってくれそうだし」

イカヅチは無邪気に笑いながらそう呟いた。

「アクアちゃん、私があいつを引きつけるからその隙に一番強力なのを撃ち込んで」

「わかった」

私の返事を聞いたユリちゃんはイナズマに乗って飛び出す。それを見たイカヅチは慌てて魔法を繰り出す。だがユリちゃんはイカヅチが放った魔法を全て躱し一瞬でイカヅチを間合いに入れた。そしてレイピアを構えてイカヅチを突く。突いて突いて突きまくった。

「雷帝」

ユリちゃんの攻撃をくらいイカヅチが雷を纏う。

「イナズマ、あれをやるよ」

ユリちゃんがイナズマに指示を出すとイナズマは身体に大量の電気を走らせる。イナズマは身に纏う電気量が多いほど身体能力があがる。だが、あまりに多い電気量だとユリちゃんの身体が耐えられない。だが、覚醒状態になったユリちゃんならイナズマの全力にも耐えられる。いや、それどころかイナズマが放つ余分な電気を蓄え更に強くなることができる。ユリちゃんがずっとイナズマと練習していた奥の手だ。

「なるほど、面白いね〜少しだけワクワクしてきたよ…」

イカヅチはユリちゃんとイナズマを見て嬉しそうに微笑んだ。















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