Re:legend

りゅう

462:壁













「スイさん…そんなことできるわけ…」
「そうですよ。私達も一緒に戦います」

サラちゃんと私はスイ様の逃げろと言う言葉を聞きスイ様に言う。

「はっきり言います。まだ魔女の称号を得て間もない新人魔女と半人前がいても足手まといになるだけです」

「そんな…」

スイ様の言葉を聞き私は何も言い返せなかった。スイ様の言っていることは正しい。だが目の前でイズミちゃんを…私を守ろうとしてくれた姉弟子を殺したあいつを許すことはできなかった。

「いいですか、よく聞きなさい。アクア、サラ、あなたたちには可能性があります。私ではイカヅチを倒すことができないでしょう。ですがあなたたちはまだ若い、しっかりと修行し、強くなりなさい。そして私とイズミの敵討ちをしてくださいね」

スイ様は私とサラちゃんにそう言いながら魔法を発動させた。スイ様の魔法により私とサラちゃんは水の泡の中に閉じ込められた。

「アクア、もし私が死んだらあなたが水の魔女となりなさい。頼みますよ…」

スイ様は笑いながら私に言い水の泡を川に置いた。川の上に置かれた水の泡は流されていった。激しい雨が降っていたため川の流れははやく私の魔法では止まることができなかった。

「弟子思いなんだね〜だけどあっさりと死なないでね。面白くないから…」

「ええ、もちろん。大切な弟子を1人殺されたのです。楽に死ねると思うなよクソガキ」

スイ様は怒りをあらわにしてイカヅチと戦った。だが、イカヅチには届かずスイ様は敗れた。

川を流された私とサラちゃんはしばらく行動をともにしたがすぐに別れてしまった。2人で一緒にいるとお互いの優しさに甘えてしまうから……

スイ様の死後、水の魔女となった私は姉弟子と師の敵を討つためにひたすら修行した。そして長年の時を超えて今、私は再びイカヅチに敗北した。初めて覚醒状態になれたが届かなかった…私は私とイカヅチの間にある壁を超えられなかったのだ…














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