Re:legend

りゅう

402:帰宅










「エリカ…エリカ…エリカ…」

「お姉…ちゃん……」

レグルスと氷の魔女フロストが戦い始めた頃家では氷の魔女フロストの魔法からみんなが解放されていた。

「よかった…エリカが無事で……」

ハルカは泣きながらエリカに抱きついた。エリカはどうすればいいかわからずただその場でハルカにきつく抱きしめられていた。

「他のみんなの氷も溶けていってますよ」

フランが解放されていくみんなを見ながら言う。

「みんなが元に戻ってるってことはリュウさんは…」

「それはないです」

ニコルちゃんが嬉しそうに何か言おうとしたがフェアリーが遮る。

「つい先ほどリュウさんに念話すら送れなくなりました。フランさんならわかると思いますが精霊とその契約者が念話できなくなるということはどちらかの死を意味します」

「そんな……」

ニコルちゃんがすごく悲しそうな表情で呟く。となりにいたフランも泣きそうになっていた。

「ダメだ、やっぱ念話できねえ」

フェアリーだけでなくフレアも念話できないみたいだった。

「そんな…リュウさん…お願いだから……戻って来て……」

ハルカはエリカを強く抱きしめながらそう願った。その場にいた全員が僕の無事を願ってくれていた。

その瞬間、契約通りレグルスが僕の体を家まで運んでくれた。

「リュウさん…リュウさん…」

ハルカが泣きながら僕に近づいて来るが僕は返事が出来なかった。返事が出来ないどころか完全に抜け殻状態になっていた僕の体は倒れてしまった。

「リュウさん…」

僕の体をハルカが支えてくれるが僕に反応はなかった。

「リュウさん…きっと疲れてるんですよね…とりあえず…部屋まで運んであげますから……だからはやく疲れをとってくださいね……」

ハルカは泣きながら震える手で僕を持ち上げて僕の部屋まで連れて行く。ハルカは僕の部屋のベッドに僕を寝かしつける。

「リュウさん…お願いですからはやく起きてください…リュウさん…ちゃんと起きてくださいね…私を…私達を置いて行っちゃダメですから…」

ハルカは僕の手を強く握りしめて言う。







「くそっ…すまねえ逃げられちまった」

僕がいた場所に戻って来たレグルスが僕に謝る。あの後レグルスは氷の魔女フロストを圧倒していたのだが氷の魔女フロストは逃走してしまった。もちろんレグルスは後を追おうとしたのだが僕の体が限界だったため断念した。

「いや、十分やってくれたよ。ありがとな…」

「ふん。まあ、あと数ヶ月すりゃ家に戻れる。それまでは俺様の話し相手になってもらうぜ」

あと数ヶ月か…長いな…ごめんみんな、戻るまでもう少し時間がかかりそうだ……















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