Re:legend

りゅう

337:覚醒状態







「はやく、サラさんの元に行かないと…」

私は慌てて城から出ようとする。すると砂の壁が現れ私の行く手を阻む。

「我が望むは封印の鎖…『憤怒』よ、魔法の壁を封印せよ」

私が魔力を集中させてそう唱えると私のすぐ側に小さな黒い穴が発生した。その黒い穴から封印の鎖が飛び出して砂の壁を封印した。

「やっぱり….魔導書なしでも魔法が使えるようになってる…」

この前、サラさんに惨敗し己の無力さを改めて感じた私への怒りが私を更に強くしたみたいだった。魔導書なしだと魔法発動の詠唱が必要みたいだがそのうちこれも要らなくなるだろう…

「急がないと…我が望むは感知の鎖…『憤怒』よ、砂の魔女サラの居場所を…」

私が感知の鎖を発動させようとした瞬間…

「ふう〜やっぱり砂の魔女の元にいたのね…」

「あなたは…」

私が振り返ると『色欲』の魔族がいた。

「あいつめ…魔族を裏切るつもりか…まあ、いい…ここで会ったからには『憤怒』を復活させて貰おう。大人しく『憤怒の書』を渡す気はないか?」

「ごめんなさい。今『憤怒の書』はここにないの…」

「そうか、じゃあいい…死ね…」

「死ぬのはあなたです。おばあちゃんを利用したあなたを私は絶対に許さない」

私はそう言いながら砂の古代魔法を発動させる。

「へえ、サラに習ったの?だけどまだ私には敵わないわよ」

「そうですか…ならこれでどうです………覚醒の魔女」

私はサラさんに教えてもらった覚醒状態をいきなり使う。覚醒状態になったはいいが私の体だと数分間しか持たない….覚醒状態が解除される前に決着をつけなければならない。

「へえ、魔女じゃないのに覚醒状態になれるなんて…すごいわね…」

「これであなたを倒します」

「面白い、『色欲』の名にかけて全力で相手をしてあげる」

『色欲』の魔族はそう言いながら今まで溜めていた魔力を一気に解放した。

私と『色欲』の魔族の一騎打ちが今、始まる。











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