Re:legend
240:死
「冗談ですよね…?」
冗談だと思いたい。冗談でありますように、頼むから冗談だと言ってくれなどと思いながら草の魔女ソフィラに尋ねる。
「すまんが、冗談じゃないんだよねぇ」
「急がないと…」
僕は急いでテレポートを発動させてみんなの元に向かう。
「………………………」
僕がテレポートで遺跡の外に出た瞬間、僕の目に受け止めたくない現実が映った。
血を流しながら倒れる兄を妹が支えた。
「お兄ちゃん、なんで、私なんかを…」
妹が倒れる兄に言う。
…………………………………………………………
兄は返事をしない、妹が兄を抱きしめ段々と冷たくなっていく兄を感じながら妹は意識を失った。
「アミちゃん、ヒースクリフ…」
僕は急いでテレポートで2人の元へ移動する。ヒースクリフの安否を確かめたが既に死んでいるようだった。
「嘘だろ…」
「嘘ではない、我が殺したのだからな」
僕が振り返ると風の魔女ウィルモアが立っていた。
「それにしても愚かな奴よ、奴はそこにいる妹を庇って死におった、そんな救う価値も無いような妹を庇ってな」
「黙れ」
それ以上は聞きたくなかった。それ以上聞いたらとても理性を保っていられそうにないからだ。
「久しぶりですねウィルモアさん」
僕がウィルモアに向けていた視線に草の魔女ソフィラが割り込んでくる。
「ほう、復活してたのか、せっかく復活の邪魔をしにきたというのに」
「魔女の力をまだそのようなことのために使っているのですね、言ったでしょうこの力は人々を救うために使うべきだと」
「貴様の勝手な意見を我に押し付けるなと昔言っただろう」
風の魔女ウィルモアがそう言いながら魔力を集中させる。
「話し合う気はないのですね…」
「ふっ、当たり前だろう」
草の魔女ソフィラの言葉を鼻で笑い風の魔女ウィルモアが魔法を放つ。
風の魔女ウィルモアが魔法を放つ少し前、アミちゃんは自分では兄を殺された怒りを抑えきれずにいた。
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