Re:legend

りゅう

222:習得







僕達がエイリーンから古代魔法を習い始めてから1週間が経過していた。
既に僕とハルカはかなり上級の古代魔法を使えるようになっていた。
フランは中級の古代魔法まで覚え、ユリちゃんは初級の古代魔法を使えるようになった。
上級クラスの古代魔法になると詠唱無しで自由に炎や氷を出したりできるみたいだ。

ハルカは炎属性の古代魔法を覚えるので手一杯だったが僕は氷と炎の上級古代魔法を扱える。

「さて、リュウとハルカはだいぶ上級の古代魔法の扱いに慣れてきたみたいね」

エイリーンが僕とハルカの動きを見て言う。

「まあ、だいぶ慣れたかな?」
「でも、風の魔女ウィルモアには遠く及びません…」

ハルカが言う。確かに風の魔女ウィルモアと比べるとまだまだだ。今の僕とハルカはエイリーン以上風の魔女ウィルモア以下という感じかな、まあエイリーンと風の魔女ウィルモアの間にはかなりの差があるが…

「あとは実践あるのみね、とりあえず2人で戦ってみなさい、今までのスタイルにどうやって古代魔法を組み込むかを考えるのよ」

「わかった」
「わかりました」

エイリーンに言われた通り僕とハルカで模擬戦をすることにする。

僕とハルカは互いに向かい合い構える。
今回の模擬戦では武器と『大罪』の魔法の使用は禁止にしたので僕もハルカも拳を構えるだけだ。

「じゃあ、行くわよ、模擬戦開始!」

「アクセル」

エイリーンが模擬戦の始まりを告げた瞬間ハルカが猛スピードで僕に迫る。
以前、ポワンから取り上げ、ハルカにあげた魔導書に入っていた魔法アクセルを使ったようだ。

「アクセル」

僕もアクセルを使い加速する。
お互いの拳と拳がぶつかり、力負けしたハルカが吹き飛ぶ。

僕が追撃をしようとハルカに迫るが、ハルカが腕を振ると炎の壁が僕の前に現れ追撃を阻止する。

「流石、リュウさんですね」

ハルカがそう言い立ち上がる。

「じゃあ、本気で行きます!」

ハルカがそう言い、自身の拳に炎を纏う。
拳に炎を纏ったハルカがアクセルで加速し、僕に迫る。

ハルカが拳を僕に向けて放つが僕が慌てて作り出した氷の壁で防ぐ。

「このまま凍らせる」

僕が氷属性の力を使いハルカを足元から凍らせていくが、ハルカが全身に炎を纏い氷を溶かす。

「はぁ、はぁ、これ、結構魔力の消費が多いから使いたくなかったんですよね」

ハルカが拳以外の炎を消して言う。

「たぶん、次の古代魔法で私の魔力が尽きるでしょう、全力で行きますよ」

ハルカがそう言い拳を引く。

「最大火力、メテオバーン」

ハルカが拳を僕に向けて放つと拳から巨大な炎の塊が放たれる。半径20メートルはありそうな火球が僕に迫る。

「すごいな」

僕はつい、そう呟いてしまった。

「でも、まだ僕の方が強い…」

僕も拳に炎を纏い構える。

「火龍の咆哮」

僕が炎の上級古代魔法を放つ。
僕の拳から放たれ続ける炎が火球目掛けて進む。火球とぶつかる少し前、僕の炎の先端が龍の頭のような形になり、ハルカの火球を喰らい尽くす。

「流石ですね、リュウさん、私の負けです。」

ハルカが両手を上げて降参する。









コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品