Re:legend
193:最強の兎
「これは…」
僕は目の前の光景に驚かながらもドリフトを発動させ、みんなをここに呼ぶ。
「何…これ…」
「クソッ」
みんなも目の前の光景に驚いていたが、ガランさんは舌打ちをしながら真っ先に飛び出して行く。
「獣化」
ガランさんがいきなり獣化を発動させる。
まだ未完成な獣化らしいがそれでもソラミちゃんと互角に戦えるくらい強い。
ガランさんが次々と魔族を倒し、魔族に襲われていた獣人達を助け出す。
「ピュレット騎士団は住民の安全確保を、僕達は魔族を撃退する」
「あなた方は…?」
僕が振り返るとそこには兎耳の少女がいた。
「僕はピュレットの国王、涼宮竜、たまたまこの国に来たら街が襲われていたからみんなを助けようとしてるんだ。君も騎士団の指示に従って避難して」
「ピュレット国王様でしたか、この度はありがとうございます。申し遅れましたが、私ビースト連合第4王女ニコル・ビースト・アルデヒドと申します。」
「王女様?何故ここに…いや、今は急いで避難を」
「いえ、避難は致しません、私は街を襲ってる魔族を倒しに来たのですから…」
「え?」
僕は少し驚いてしまう。
7歳くらいの少女が魔族を倒すと言い出したのだ。
流石に無理だと止めるが彼女は聞かなかった。
「獣化」
ニコルちゃんが獣化を発動させ、巨大な兎のような姿になった。
「獣化か、こんな小さな子が…」
「失礼な、王族は生まれつきほとんどみんな獣化できる」
そうだったのか…
後でガランさんから聞いたのだがこの国ビースト連合で獣化できるのは王族の9人の他に4人しかいないらしい。
うちの獣人のみなさんはかなり優秀なんだな…
ニコルちゃんが兎耳をピクピク動かす。
「ピュレット国王様、ここから14メートル左側にいる敵を任せてもいいですか?残りは私の弾で倒します」
「わかった」
僕はニコルちゃんの言葉を聞き、『怠惰』の魔法を発動させ、10本の剣を作り、周りに浮かせる。
その中の1本に乗り、上空へ移動し、魔族を確認する。
その魔族に残りの剣を全て飛ばして仕留める。
「28の歯」
ニコルちゃんが唱えるとニコルちゃんの周りに球体が現れ、各地に飛んで行く。
すると次々と爆発音が聞こえる。
「たぶんこれで、全滅したはずです」
ニコルちゃんが僕に言う。
念のためスマホで確認する。
「ニコルちゃん、危ない」
ニコルちゃんの真後ろに迫っていた魔族へ剣を飛ばし、ニコルちゃんを助ける。
「大丈夫?」
「はい。ありがとうございます。まさか消音魔法を使う者がいるとは…」
「さっきの獣化魔法ってやつ?」
獣化魔法とは完全な獣化を果たした獣人のみが使える魔法だ。
ちなみに獣化魔法は人によって異なるらしい。
「はい、兎の特徴である耳で魔族の居場所を探し獣化魔法で撃退しました」
「すごいな…」
ガランさんが横で呟く。
「とりあえず王城までいらしてください。お礼もしたいですし」
「わかりました」
僕達はニコルちゃんに続き、ビースト連合王城に向かう。
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