Re:legend

りゅう

107:『 』

僕は王城の地下にむかっていた。

「『色欲』は今起きているのか?」

「はい、もう目覚めております。一応牢獄に鎖をつけて閉じ込めてあります」

僕の言葉にロンさんが答える。
僕とロンさんとユリちゃんは『色欲』の女性ポワンがいるという檻に行く前に看守室にむかった。そこにポワンの2冊の魔道書があるとロンさんが言っていたからだ。

僕達は看守室に着き2冊の魔道書を受け取る。

「なんだ…これ」

僕はポワンの魔道書をみて驚く。ポワンのブーストとアクセルとジャックとインビジブルが書かれた魔道書は普通の状態だったが『色欲の書』と思われる魔道書が真っ白だった。表紙だけでなく中身も真っ白で何も書かれていない。
とりあえずポワンのブーストとアクセルとジャックとインビジブルは『強欲』の魔法でコピーさせてもらった。
かなり強力な魔法が一気に4つも増えた。

僕達は魔法をコピーすると2冊の魔道書を持ってポワンの元に向かう。

ポワンのいる檻の前に立ち中を見るとそこには傷だらけのポワンがいた。
もちろん騎士団の人達は何もしていないらしい。

「『強欲』か?」

僕達の気配に気づきポワンが問う。

「あぁ、そうだよ。一体何があったんだ?ハルカとの戦いではそんなに傷だらけにならないだろ」

「たしかにあんたの彼女さんには敵わなかったわとりあえず撤退して後日また戦おうと思ってインビジブルを使い歩いていたわ。すると怪しいフードの男が私の前に現れた。インビジブルを使っているのに私の姿が見えているようだったわ。そして気づいたら私の『色欲の書』を盗まれていた。『色欲の書』が私の元に返ってきた頃には真っ白になってた『色欲』の魔法も使えない。直後私は気絶させられて気づいたらここにいたってわけ」

信じられなかった。ポワンほどの実力者からあっさりと魔道書を盗みとりポワンを一瞬で気絶させるやつがいるなんて

「お前は誰にやられたんだ?」

「さあ、わからないわ…ただフードの男は言っていた。自分は『   』資格なき者の資格を奪う者と…」

どういうことだ?僕はさっぱりわけがわからなかった。

ポワンからある程度の事情を聞いた僕はロンさんとポワンの処理をどうするか決めた。ポワンはシャルロットの姿で隣の国ヒューマニアの指名手配犯になっていたのでとりあえずヒューマニアに引き渡すことになった。ポワンはピュレットではまだ悪さをしていなかったので刑罰を与える訳にはいかなかったからだ。

「Re:legend」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く