Re:legend

りゅう

93:これからそして提案

「とりあえずソラミちゃんを迎えに行こうか」

僕の意見にみんなが頷く。僕はみんなにドリフトを発動させみんなを送り出した平原に戻る。平原は僕達が出発した時と比べてかなり荒れていた。

「リュウ…さん…」

僕が振り向くとソラミちゃんがいた。かなり熾烈な戦いだったのだろう。

「ハルカあの魔法を使ってあげたら」

「そうしたいんですけど…魔力切れで魔法が使えないんですよ」

まだエリカが『暴食の書』を手にしたことを知らされてなかった僕はよくその状態で魔族と戦えたななどと思っていた。

「じゃあハルカの代わりに僕が使うよ。癒しの雫」

僕が魔法を発動させると僕の人差し指の先端から1滴の雫が落ちた。その雫がソラミちゃんにあたるとソラミちゃんの傷が癒えていく。
これはこの前魔道書屋でコピーした回復魔法だ。
傷は治せても血は戻らないので貧血状態なのは変わらないが…

「ありがとう…ございます…あと…ごめん…なさい…『色欲』に逃げられました…」

「そうか…まあソラミちゃんが無事でよかったよ」

僕はそういいソラミちゃんを抱えみんなにドリフトを使う。

ピュレットの王城に戻るとシャルロットと今回共に戦った仲間が城にいた。街で奴隷にされていた人間はみんな解放されたらしい。

「シャルロット…さん…すみません…『色欲』に…逃げられました…」

ソラミちゃんがシャルロットに謝罪する。

「気にすることないですよ。それよりソラミちゃんが無事でよかったです」

シャルロットに怒られなくてソラミちゃんが少しほっとしていた。

「さてこれでピュレット奪還作戦は終了だ。 ピュレットは人間の元に戻った。これからは復興作業で忙しいと思うけどみんな頑張ってくれ。僕達もできる限り協力する」

「あのー1つリュウさんに提案っていうか頼みがあるんだけど」

「頼み?」

シャルロットの言葉に僕が首を傾ける。
その隣でエルがにやけている。

「これは街で奴隷にされてた人や今回共に戦ってくれた方々とリュウさんが戻ってくる前に相談して決めたことなんですけど、もし、よろしかったらリュウさんにこの国ピュレットの王になって欲しいんです。」

「え?僕が王に?いやいや、無理だよ。それにこの国の国王はこの国の元国王がなるべきだよ」

「元国王は一族ごとこの国が支配されたときに処刑されました…」

そうだったのか。でも僕が国王になんてなれるわけない…

「国の政治などは全て私が引き受けさせていただきますので是非ともお願いいたします。みなもリュウ様が国王になることを望んでおります。」

前に出てきたおじさんの言葉に皆が頷く。

僕はシャルロットやみんなに国王になったら?と進められたがとりあえず街の復興が終わるまではこの話はお預けとなったが僕は国王になるしかないような気がしていた…

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