29:怠惰討伐

凄い勢いで何かが迫ってくる。気づいたら僕はその何かに蹴り飛ばされていた。

「勝手にお姉ちゃんを連れ出して何してるんですか」

いやいやちょっと待ってくださいよエリカさん。僕はハルカに誘われて一緒に出かけていただけなのに…

ぶっちゃけかなり痛かった…

「エリカやめなさい。私がリュウさんを連れ出したの。それにエリカが寝てたから起こさない方がいいと思って2人で出かけることにしたの」

「私ちゃんと起きてたし‼︎」

「絶対寝てただろ…」

僕達が何回エリカの部屋の扉を叩いたと思ってんだ…何回叩いても反応しなかっただろ…

「てかなんで私が寝てたってもしかして…あんた私の部屋を覗いたわね」

いやいや覗くわけないじゃないですか…そんなことしたら殺される…

「この変態〜」

顔を真っ赤にしたエリカの拳が僕に深々と当たる…

その後エリカからの誤解が解けてエリカが渋々僕に謝った。

その後女の子2人の買い物に付き合わされてかなり疲れた…なんで女の子ってあんなに買い物が長いんだろう…

僕達が宿に帰ってきた頃にはすでに辺りは暗くなっていた。

翌日

僕達は冒険家ギルドに依頼を受けにむかう。中に入るといつもより賑わっていた。

「何かあったのかな」

そういい僕達は人が集まっている場所にむかう。その中心には1枚の紙が貼られていた。

その紙にはここからすぐ近くの村が壊滅状態になっていることが書かれていた。原因は『怠惰』の少女シャルロットが村で暴れ出したことだ。

まだ村には生存者がいるようで一刻でもはやい救助要請とシャルロットの討伐依頼の依頼書が貼られていた。

この依頼は誰でも受けることが可能で国がシャルロットという少女を危険視したためかシャルロットに高額の懸賞金がかけられていた。

依頼達成条件はシャルロットの討伐またはシャルロットを村の外へ追い出し残された村人の救助。

シャルロットを討伐した場合は達成報酬に加え懸賞金を受け取ることができる。

僕達はこの依頼を受けることにする。相手が『怠惰』の少女のせいかこの依頼を受けたのは僕達だけみたいだ。

僕達はすぐに旅の支度をしシャルロットがいるという村アーラム村へとむかう。