現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

死神登場

「よぉ、死神。束の間の人間生活はどうだった?」

ここが精神の奥……こいつの深層心理はこうなってるのか…

「ここは暗いね」

少し先も見渡せない。まるで無限に広がっているかのように感じられる暗黒  

「多分だけど……ここは俺とお前の本性を映し出してるんだよ。そうでもなきゃここまでドス黒くはならない」

それもそうか……こいつも僕も醜いからな。なら納得だ

「さて、死神。ここに俺たち2人がいるって事はどういうことか分かるよな?」

うん……分かってる

「戦おう。惨たらしく、憎悪渦巻く狂った戦いを」

……
………
…………
 
「ついに来たぞ狂人化バーサークだ!まともに戦おうとするな。回避に専念しろ」

(模倣聖剣フェイクの影響がではじめてる。レイジはもう少しで限界が来る!時間稼ぎは出来ない!)

問題ない。腕が引きちぎれようとも、この命が潰えようとも、この聖剣を振るう

「ユイ、男ってのは馬鹿なもんだ。カッコいいところ見せてやる」

正直なところ……目の前で暴れる狂える化け物を抑えるので精一杯だ

さっきまでも人間の体とは思えない動きだったが、今の死神は本当に人間の動きじゃない。無造作に、さっきまでとは一線を画す鋭さでその手に握る鎌を振るう。身を低くし、壁や天井でさも駆け抜けて、魔法を行使する

「アイザック!アイギーナ!離れてろ、少し特殊な魔法を使う。出来れば獣化してるクレア様を抑えといてくれ」

あと少しで模倣聖剣フェイクは使えなくなる。もう少しで俺の体も限界を迎えるだろう……だったら後続が少しでも戦いやすくしないとな

「生命を保有する物質を解析……完了。構成物は68.2%……死神を構成する意識は31.8%と仮定……要素解析不能……死神以外の構成物の解析0.92%……オーラ染色。基礎物質は魔力……質量固定……完了。波動をその身に宿せ」

解析は出来た。あとはマーキングだ

「強制波動流出……オーラフェイス」

……
………
…………

「はっ……流石に俺の仕事も終わりかな……」

もうまともに立ち上がる事も出来ない。こんなに早く床に膝をつけるなんざ

「おい!今の魔法はなんだ?死神の体からなんか出てっけどよぉ?」

死神の体からは黒い魔力が溢れ出している

「アレは俺のオーラを感知する魔法を利用した逆転の魔法だ……こちらが探知するのではなくあちらを目立たせる。お前にもなんとなく分かるだろう?あいつの位置や行動が」

使用するのは対象の魔力だ。一応死神の魔力を削ぐ事も出来てると思うが、多分無駄だろうな。魔力はとんでもないし

「ユイ、俺には分かる。死神の位置を感覚で把握出来るようになった今、元よりここに向かっていた者たち以外もここに駆けつける……無茶な話だと思うが……」

(分かってる。私が全員に人理変動ヒューマニズムをかけてあげる)

その時、部屋の壁が崩壊し土煙が立ち上がる

やっと到着だ……

「既に狂人化バーサークは発動させた!あとは頼むぞ」

壁の先から現れた数人の中心にいる人物が答える

「死神には死神……生殺与奪ソウルリーパー到着です」

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