現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

ファントム先輩さすがっス

歩いてるうちに夜になったので、ロキの王都近くの森林で野宿だ

「てか、ルートはどうすんだ?ロキから行くとなりゃセイレーンとディランは通ることになるぞ?」

「うっ……それはまずい……」

多分だけど俺が失踪してからまだ1日しか経ってないとはいえ、メリルとクレイがまた暴走しそうだな……

「………ってか!もうすでにディーノがここに向かってるかも!?」

あいつってば俺の大体の居場所がやんわりと分かるんだった!

「そのディーノとやらは契約従者か?従属の魔物など珍しいな」

ファントムも魔物を使ってここの位置を割り出すだろうな……

「あひゃひゃぁ、どうするわけ?」

「仕方ねぇな……来たら来たでいいんじゃねぇか?そいつに事情をある程度話して、お前の仲間に伝えて貰えばいいんだよ。特殊作戦行動の最中だって」

それはさすがに………いや、いけるか?

だってこのメンバーは全員昔の敵とはいえ、ディーノは誰とも直接会ってないわけだし、仲間って言えば信じて貰えるかも!
俺自身アイギーナのことは知らなかったし、多分ディーノもそこらへんはガバガバだろ!

「よし!それで行こう!」

……
………
…………

天気が良くて気持ちのいい朝が来ました

俺は今……

「おい、ご主人……どういうことか説明して貰えるよな?」

「貴様、俺の飯係が俺のそばを離れるとは何事か」

怒られてます!

そりゃ無理だよね!俺の心の声聞こえるんだもん!隠せないよね!

しかもディーノに至っては直接会ったことないメンバー全員知ってたし……変なところで真面目だから情報を集めてたんだろうなぁ

あとファントム、飯以外にも少しは心配してくれ……

……
………
…………

「神様……ねぇ、にわかには信じ難いが…ご主人が嘘をつくとは思えないからな。とりあえず信じておこう」

ありがとうディーノ!

「俺はこれからどうすればいい?メリルとクレイを止めておくのも限度があるぞ」

いや、メリルとクレイ……だけじゃなくてみんなに俺は別の作戦で動いてるって伝えてくれ。内容は説明出来ないけどな

「まぁ、それならメリルとクレイも探しに行ったりはしない……よな?」

若干不安が残るけど、そこはうまくやっておいてくれ

「はぁ……分かったよ。じゃあせめて行き先を教えてくれ、ご主人」

教えていいのかな?と思い他のメンバーを見る

「お前が決めろ」
「私は知らなーい」
「そなたの勝手にすればいい」

自主性を持ってよ!………まぁ、いいか……

行き先は北……武装国家ヘラクレスだ

「厄介ごとの予感しかしない場所だな……時期が時期なだけに」

「ふむ、ならばよかろう!私は魔物を使役する者だ。貴様らを武装国家まで送り届けてやろう」

えっ?ファントムが?ディーノの魔導車じゃないの?

「ふははははは!ジャンヌよ。貴様には見せてなかったな!私の偉大な力を!」

ファントムがそう言った瞬間、空が暗くなる

まるで……頭上に何か居るような………

「……殺すのに手間かかりそうだな」
「魔物かぁ……対人戦以外は苦手なんだよねぇ」
「なぜそなたらはいつも戦う前提なのだ」

頭上にて雄叫びを上げながら、仄暗い鱗を持つワイバーンが羽ばたいていた

「なんだこれぇええええ!」

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