現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

アヴァロン到着

めっちゃ遠かったな……錬金術師の国アヴァロン。さすが西端だ

「私は貴族様の作法などは分からないのですが……」

「大丈夫!私も分からないから!」

「ご主人は貴族なんだから分からないとダメだろ!……まぁ、他国の就任式だ。丁寧な挨拶が出来れば問題ないだろ」

敬語が出来れば大丈夫だよな……?

「お姉様、気になっていたのですが服はどうなさるのですか?正装などは用意してますか?」

あっ………

「あっ……じゃねぇよ!遠方への旅だから準備を怠るなって!だから俺が荷物を確認しようかどうか聞いたんだ!」

お、落ち着いてよディーノ

「そしたらご主人はなんて言ったと思う?」

な、なんて言ったっけ?

「ディーノは心配性だな。大丈夫だって」

ごめん!本当にごめん!

「どうすんだよ……その冒険者チックな私服じゃとても王様と謁見なんて出来ないぞ」

「大丈夫ですお姉様!こういうこともあろうかと、私がお姉様に似合うドレスを選んで持ってきてます!」

「ナイスだ!メリル!最悪俺の幻視でなんとかしようと思ってたぜ……」

それで良かったんじゃない?

「俺とメリルはただの付き人だから就任式自体には参加出来ない。外で待ってるしかない……まぁメリルが大人しく待ってるとは思えないが」

「ディーノの幻視で陰ながら見守っていますね。お姉様」

「そういえばキリナさんは正装持ってる?」

「持ってますよ。当たり前じゃないですか」

あ、当たり前………だよねー

「うるさいぞ貴様ら」

お前は俺の腕の中で寝てるだけでいいから気楽だな…ファントム

……
………
…………

「各国から勇者が集まってるな……なんて美味いイベントだよ」

「ここまでお膳立てしてやったんだ。祭壇の完成を邪魔させるなよ」

「分かってるって、それが俺の仕事だからな。空っぽになった勇者は俺が貰っていいんだろ?」

「あぁ、いいだろう。お前に全てやろう」

暗き部屋で男たちは密約を交わす

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