現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

自身が周囲に比べ馬鹿だと悟った時、馬鹿ゆえに劣等感に気が付かない

部屋のベッドでゴロゴロしてる

国中が新勇者誕生でお祭り騒ぎだ。正直勘弁して欲しい……

名誉職だから俺自身の仕事は第二騎士団の仕事のままだが、何かあれば先頭に立って人々を導いていかなければならない。もちろん、クレイやベリアルさんも協力してくれるから大丈夫だと思うけど……問題がある

休みがない

言葉にすると勇者という大きな役職を背負った者のセリフにしてはショボいように聞こえてしまう。だがしかし、それは重大な事だ

あと勇者ならギルド職員じゃなくてもいいよみたいな理由で結局俺はSランク冒険者にされてしまった……それも休みがない理由の1つだ

俺は1ヶ月以上の長旅を終え、この地に帰ってきて、2週間の休みを貰ったのに初日でそれが崩れ去った

1日目:勇者任命
2日目:王城にてパーティー
3日目:貴族達への挨拶
4日目:Sランク冒険者の就任式
etc………

そんな事してたらもう休日が終わりだ!明日から通常勤務だよ!

「そう嘆くなよご主人、人類史的に見ればNo.3なんだぞ」

ノックして入ってこい。そしてどういうことだ?

「過去に世界を破滅寸前まで追い込んだ魔王の厄災を払った真の勇者シンヤが世界的に最初の勇者、それから各国が勇者を任命する事を始めた。その中で女性の勇者は3人だけだ」

俺が3人目の女性勇者ってことね……

「まぁご主人の場合は女性なのは性別だけだが」

うるさい!慣れたとはいえちょっと気にしてるんだよ

「あとこの国では初の女性の勇者だ。良かったなご主人」

何も良くないよ……てかディーノ犬なのになんで人類史を知ってるんだよ

「ご主人がヒモ生活をしてる間も俺は家事をしながら勉強してたんだよ」

え……俺が勉強してないみたいじゃん

「実際にしてないだろ……」

まぁ歴史とか知らなくても生きていけるしね

「ほら、ベッドメイクするからどいてくれ」

もしかして俺って世間的には常識知らずの馬鹿なのか?

「確かに世間的に見たらそうだが、ご主人はご主人だからいいだろう。それにもうすでに教鞭を振るった身で学校に行くのはちょっとあれだろ」

う、うん

「明日から通常勤務で早起きなんだからもう寝ろって、ベッドメイク終わったから」

そうだ!寝よう!寝て忘れよう

「これから頑張れよご主人」

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