現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

ダイナミック海水浴

ジャンヌさんと一晩中密着するのは男として嬉しいことだが、寝れるわけもなく体がもたないので2日目からはなんとか別の宿を見つけることができた

この1週間はジャンヌさんに個別でされた依頼を一緒にクリアしたり、海の幸を食べて過ごした。なかなか楽しい日々だったから名残惜しいけど、早くディラン王国に帰らねばならないので今日でこの街とはお別れだ

「アリトン大陸行きの船の乗船券を2人分お願いっス」

「あいよ、あとちょっとで来るから待っててくれ」

俺が乗船券を買っている間、ジャンヌさんは貝類の串焼きを食べてる。何かを食べてる時のジャンヌさんはリスみたいで可愛い

「シェスト君も食べる?」

ジャンヌさんが食べかけの串焼きを俺に差し出す。この前までの俺だったらものすごく動揺していたが、今ではこの程度はどうということない。信用されてるのは嬉しいけど、男として見てもらえてないと思うと悲しくなる……

「大丈夫ッスよ。ジャンヌさんが買ったんスから全部食べてください」

「そう?」

ジャンヌさんはまた咀嚼し始める。可愛い

……
………
…………

現在、アリトン大陸行きの船に乗っている。大体4日くらいで着くらしい……が

「気持ち悪い……」

「大丈夫ッスか?」

ジャンヌさんは乗り物酔いする人らしい。俺はそういう経験がないので分からないが、本当に辛そうだ……

「船員さんに言って部屋を借りましょう。俺が頼んでくるっス」

船はあまり部屋がないので俺たちのような旅行者は甲板の上で生活する。船の周囲に結界が張ってあるらしく雨などは通さないから割と快適な空間だ。とはいえ甲板ゆえに揺れは大きい、酔ってしまう人は多いだろう

「ま、待って……本当は目立つからあまり使いたくなかったけど、これ使うから……」

そう言うと、ジャンヌさんが突如として浮き始める

「な、なんスかそれ!?」

さっき動揺しないと言ったが、俺は相当動揺している 

「これは魔族の飛行魔法を人族でも出来るように再現した魔法だよ。こうやって飛んでれば揺れなんて関係ない!このまま浮き続けると魔力がなくなっちゃうから、しばらくしたら着地しなきゃならないけど……」

特異魔法はすごい効果な物が多いから、ジャンヌさんの魔法が強いのも分かるけど、これは種族魔法の再現……つまりやろうと思えば誰でも出来てしまうことが証明された…

「どうやってるんスか?俺にも出来ますかね?」

「これは結構燃費が悪いけど、使い勝手はいいからオススメだよ。まずは全身から魔力を下に向かって放出して浮くところから始めて」

全身から魔力を放出か……出来ないことはないけど、30分もたない気がする。とりあえず言われた通りにしよう

「うぉおあぁあ!!」

魔力を放出した途端すごい勢いで体が浮き、そのまま海へダイブ

「シェスト君!?」

かっこわりぃ……



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