現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

男にはやらねばならない時がある

「流石ですね……生殺与奪ソウルリーパーの二つ名は伊達じゃないって感じです」

盗賊団を捕獲して冒険者ギルドに連れてきた。周りの人達は驚いてるけど、あれだけ条件が揃ってれば楽勝だ。

あと、ギルド職員のお姉さん。その二つ名は知らないからね!他人の二つ名はかっこいいと感じても、自分が言われると恥ずかしすぎる!

「これが今回の依頼の報酬になります。ご確認ください」

ギルド職員のお姉さんが金貨を5枚ほど差し出す。やっぱりこの仕事を受けて正解だな、たいして苦労せずに1週間分の宿と食事代は稼げたな

「じゃあ、宿探しだね」

「了解っス!」

……
………
…………

「この時間帯は客が多くてね。1部屋しか空いてないよ」

港町ゆえに旅行客が多いらしく、夕方の時間帯はどこの宿も満室になってしまうらしい……ここは1部屋だけ空いていたようだが、俺とジャンヌさんが同室にいるわけにもいかない。仕方ないから、俺は野宿しよう

「俺が……」
「空いてるって!ラッキーだね!2人1部屋でお願いします」

ちょっ!ちょぉおおお!?

「ジャンヌさん!いくら騎士団の仲間とはいえ、男女が同じ部屋なのは問題があるんじゃないッスか!?」

「私は気にしないから、大丈夫だよ」

なんで平然としてるんだ!?

「ほら、早く部屋行こう。私疲れちゃったから寝たい」

誘ってる……わけないよな?

……
………
…………

「……………」

部屋は特徴のないただの宿の部屋といった感じだ。ベッドか大きい上に1つしかないけど……

「ジャンヌさん、俺は床で……」
「うん、私は右で寝るから、シェスト君は左ね」

そう言うとジャンヌさんはベッドの中に入ってしまう…

どうするべきだ!?もちろん男としてはこの状況を逃したくはない……
でも今は緊急事態だ。早くディラン王国に帰らなければならないのに、間違いがあったらいけない……

「どうしたの?もしかして右が良かった?」

右左の問題じゃない!

「いや……いくらなんでも同じベッドはマズイんじゃないかな……って思うんスけど」

「ベッドは1つしかないから仕方ないよ。それにシェスト君のこと信頼してるから」

誘惑に負けてベッドに入った俺は、好きな人との密着と信頼の言葉に挟まれその日は一睡も出来なかった


 

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