現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

裏話。密かに恋する男子

俺の名前はシェスト・シールディ。密かに恋する男子だ。
そうは言っても、彼女と特に進展はない。でも、彼女と毎日同じ訓練をするのはなかなかいい日々だ。

「もう……無理……」

いやらしい目で見ているわけではないが、少し小柄な肢体から滴る汗を見るとそこはかとなくドキドキする。

「今回の記録は2352回ですね。筋肉を治療するので、また頑張ってください」

ちょっとやり過ぎじゃないっスか?

「ジスタさん、さすがに休ませてあげたほうがいいっすよ。ジャンヌさん可哀想っス」

そう言うと、目を輝かせ嬉しそうな顔で俺のことを見てくるジャンヌさん。なんかすごいいい気分だ。

……
………
…………

ベリアルさんに呼び出されたから怒られるかと思っていたら、国立騎士育成学園で臨時講師をしてほしいと頼まれてしまった。

「無理っスよ!俺は人に教えられるほどの魔法を使えないっス!」

「ほう、口答えか?」

ベリアルさんがものすごい速さで俺の前に移動して、俺に足を払い転ばせ、組み技を仕掛ける。

「あぁ、やってほしいなぁ。やってくれないと俺の手がお前から離れないなぁ」

痛い痛い!すごい理不尽!

「いだだだだ!やるっス!誠心誠意やらせてもらっス!」

「よし」

めっちゃ痛い。この人魔法使いの騎士団の団長なのに物理戦闘が強すぎるっスよ。俺もそこそこ強いつもりなのに手も足も出ない。

「ジャンヌ、お前も口答えしてみるか?」

ベリアルさんの目が怖いなぁ

「一生懸命、講師を務めさせていただきます!」

臨時講師……どうなるか分からないけど、好きな子と一緒ならいいかな?

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