現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

裏話。ベリアルの誓い

黒竜の討伐に向かった時は夜だったが、討伐戦を終え、騎士団のみんなの回復を待っていたり、自分たちも休んでいたら朝になってしまった。

「やっと帰ってこれた……」

「久しぶりにマジで疲れた……」

「俺も全身に力入らないっス……」

ディラン王国第二騎士団の28名と一緒に俺とアスカはやっと王都に帰ることが出来た。

「じゃあ、団長に報告してくるっス。みんなはとりあえず家に帰っていいっスよ」

「私もベリアルさんのところに行きます」

「俺は宿とって寝るわ。じゃあまた今度な」

……
………
…………

「ベリアルさん」

俺とシェストは騎士団の待機所でベリアルさんと対面していた。

「ジャンヌ……」

ベリアルさんの平手が俺の頬を叩く。

「えっ…」

「俺がどれだけ心配したと思ってる!!お前に何かあったら俺は約束を………」

ベリアルさん?

「とにかく無事でよかった。だが、今後こんな事はないようにしろ。報告はシェストから受ける。お前からも話は聞かせてもらうが、後でいい。今日は休め」

「は、はい…」

……
………
…………

俺は綺麗好きな方ではあるが、特別風呂好きというわけではない。
だけど、今日の風呂は本当に気持ちいい。疲れが流れ落ちるようだ。

「はぁ……」
 
「どうした?ため息なんてついて、疲れたか?」

「…ベリアルさん」

「俺も疲れたよ。お前が心配でな……」

「ごめんなさい…」

「いいさ、無傷とはいかなくてもちゃんと戻ってきた。それだけでいい………でも今はこうさせてくれ…今だけでいい」

ベリアルさんは俺に抱きついたまま、しばらく泣いていた。

……
………
…………

ジャンヌが風呂から出て、1人になった浴場

「ジャンヌ、お前は俺が守ってみせる。未来のお前に誓ってな」

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