現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

各個撃破。クレイVS黒い外套

「クロノスは俺がやる。他を頼む」

「分かった。気をつけてねアルラウネ」

相手にも精霊がいるとなると、アルラウネに相手をしてもらうしかないだろうな。

「よそ見してていいのかぁ!」

…!またか!

黒い外套を纏った少年が再び俺に噛み付こうとする。

「させない」

危ない……クレイのおかげで助かった……

「この子供は僕がやろう。反応出来るのは僕だけみたいだからね」

「お願いします」

青いマフラーを巻いた青年が口を開く

「これはあれだね。6対6じゃなくて、1対1を6個やる流れみたいだね。じゃあ僕はあの子を貰おうかなぁ……1番弱そうだからね」

メリルを狙ってるのか

「お姉様、あのゴミは私が片付けておきますね…」

メリルもやる気か……

「あのご老人は俺が相手をする。相当な使い手だ」

白い眼帯を付けた男はエリックさん

「ふむ、仕方あるまい」

灰色のバンダナを巻いた男と赤いマスクをつけた女は

「じゃあ俺たちがメインターゲットを仕留めるぞ」

「はぁい、思う存分虐めてあげるわ」

俺とアスカであいつら2人をやるみたいだな

……
………
…………

「俺の食事の邪魔をしないで欲しいって言いたいところだが……お前も美味そうだな」

少年は無邪気な笑顔をクレイに向ける

「人の味覚や食事の嗜好にどうこう言うつもりはないけど、カニバリズムは感心しないし、カニバリズムじゃなかったとしても僕はノーマルだから男は遠慮したいな」

2人はそんな会話をしながらも普通の人間には捉えることのできない速度で戦闘を繰り広げている。

………
…………
……………
「ちょこまか動くなよ!さっさと食われろ!食材が」

少年は苛ついていた。今までの食材は自分の速度に反応出来ず、無抵抗のまま食されて行ったのに……
目の前の食材を食べることが未だに叶わない

「流石に、徒手格闘じゃ勝てないな…」

クレイは腰に帯刀している剣を引き抜いた。

「ただの鋼如きが俺の歯に勝てるわけないだろ!」

少年は鋼で出来ているであろう剣を噛み砕こうとした……

「な…なんで……俺の歯が欠け…」

だが次の瞬間、少年の前歯は半分ほどの所から折れていた。

「勇者の聖剣……これを使うと僕自身が強くなれないからね。あまり使いたくなかったんだけど、緊急事態だから」

クレイがそう言い放つと少年の前歯を起点にして少年の全身に無数の切り傷が現れ、少年は大量の血を流し絶命した。

「なにより、ジャンヌを殺そうとした君を僕は許せない……」

こうして、少年とクレイの戦いはクレイの圧勝で終わった。

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