貴方に贈る世界の最後に

ノベルバユーザー175298

第5話 封印の森の中を


 こんどこそ俺の事について話した。

 異世界から来たこと。
 その世界で起きたこと。
 俺の力のことなどのことだ。

 「ふーん、そっか...ユウも私と同じ...」

 お互い、嫌な人生を送っているものだ。
 ノアも、何か思うこともあるのだろう。

 「それで、この世界のことを教えてくれないかな」

 「ん、分かった」

 色々話を聞いて分かったことだが、取り敢えずこの世界は、そこまで荒れている訳ではないらしい。
 確かに、ゲームのような世界で勇者とか、英雄など。有名な人物はいるみたいだが、それらの人物は全て俺達と同じ、別の世界から転生してきた者みたいだ。

 特に問題になっているのは、大きな力を持った転生者が暴れていることぐらいらしい。

 そして、この世界には、魔王が存在するらしい。
 スライムなどの魔物がいるのは、その魔王の力によって生み出しているからだとか。
 それと、魔力溜まり、と呼ばれるものからも生まれてくるらしい。
 ノアも、そこまでよく知っている訳ではないと言っていたが、俺にとっては、けっこう有益な情報だった。


 俺が力を使っても、普通に生きられる世界は、ゲームの中のような世界しか無いって事がわかった。


 ......話のついでにステータスの見方も教えてもらった。


 「ぷっ...ふっ...ステータスは...」

 と笑いながらノアは教えてくれた。
何か・・を思い出してしまったんだろう。
 後でお仕置きをしないと。



 ......そんなことよりステータスを見てみるか。
 やはり、自分のステータスは気になるものだ。

 ステータスは、G~SSSまであり、普通の人間だとF、冒険者などは最低でもDぐらいだと言う。Sがついている人なんかは国で三人居るか居ないかだそうだ。

 ステータスでSSSが付いていた人は、過去に一人だけいたらしい、どうやらその人は運がSSSだったとか。

 取り敢えず100年前まではそう言う感じだったらしい。
 100年前だとかなり変わっているんじゃないかと思うが、まぁ、大丈夫だろう。

 確信の無い答えを出して、次の事を考える。

 そして、俺は自分のステータスを思い浮かべる。

 (ステータス)

 半透明の板が浮き上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 :  キサラギ・ユウ   
 性別 :    男
 種族 :  人間(90%) (吸血鬼10%)

 レベル :  10

 体力 :  D
 魔力 :  D
 物理攻撃力 :  D
 魔法攻撃力 :  D
 物理防御力 :  D
 魔法防御力 :  D
 素早さ :  D
 運 :  D

      ~スキル~
 言語能力  環境適応  (隠蔽)  手加減

      ~固有能力~
  ステータス調整
(現在  0.000000001%)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 色々とわからないスキルがあるな、そう思うと、詳しく見ることができた。

 ☆

    -言語能力-
 常時発動。その世界での言語を使えるようになる。

    -環境適応-
 常時発動。あらゆる環境に適応できるようになる。

     -隠蔽-
 常時発動。()の中を他人に見せないようにする。

    -手加減-
 任意発動。どんなに強いダメージを与えても、致命傷以下のダメージになる。

   -ステータス調整-
 自分のステータスを調整できる。


 ☆

 と、こんな感じのステータスだったが...

 一番気になるのは......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 種族 :  人間(90%)  (吸血鬼10%)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ここだ。

 「ノアさん、ちょっとこっちに来てくれるかな?」

 そう言ってノアを招き寄せる。

 「ユウ...なんか顔が怖い...よ」

 ノアに俺のステータスを見せる。もちろん隠蔽を解除して、

 「これを分かりやすく、説明して貰ってもいいかな?」

 「......」

 ノアは、スーーッと目を明後日の方向に逸らす。

 「私は、知らないよ」

 そして、開き直ったのか満面の笑みでそう返してきた。

 「ハッハッハッ。そうか、知らないのかー」

 俺も満面の笑みで答える。

 「そ、そう、私は知らない」

 「ハッハッハッハッ」

 「アハハハハハ」

 俺は笑顔のままノアに近づいていく。
 ノアの笑顔がどんどん引き釣っていく。

 「ノア、説明してくれる?」

 ノアは、小動物のように小さくなりながら

 「......ごめんなさい、私が悪かったです」

 と言った。

 お仕置きはこれぐらいにするとしよう。

 説明を聞くと、ノアが全部悪いわけでも無かった。
 どうやらこの世界では、吸血鬼に噛まれただけだと吸血鬼にはならないらしい。
 俺が少し吸血鬼化が始まってしまったのは、力を使った反動と血を流しすぎて体が弱った事が原因みたいだ。

 話終わったノアは少し涙目だった。
 そんなに俺が怖かったんだろうか?

 「大丈夫、もう怒ってないから。俺も悪かったよ」

 「本当に?」

 「怒ってないから」

 そう言ってノアの頭を撫でる。

 「...うん」

 「...それよりユウのステータス、おかしくない?」

 確かに、あんな巨大ゴーレムをステータスオールDの俺が倒したんだから変だと思うだろう。

 「そうか?よく分からないんだよな?ちょっとノアのステータスを見せてくれるか」

 「うん...いいけど」

 そして、ノアのステータスはこうだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 :  ノア
 性別 :   女
 種族 :  吸血鬼

 レベル :  50

 体力 : D
 魔力 : S
 物理攻撃力 : D
 魔法攻撃力 : SS
 物理防御力 : C
 魔法防御力 : S
 素早さ : B
 運 : C

    ~スキル~
 言語能力 魔力制御 四大魔法 HP自動回復 MP自動回復 吸血  

    ~固有能力~

 自動再生 真祖:吸血鬼 害悪変換

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ☆

    -自動再生-
 常時発動。MPを消費しHPを回復させる。

   -真祖:吸血鬼-
 任意発動。最後に血を吸った者のステータスを自分のステータスにプラスする。発動から10秒後動けなくなる。

    -害悪変換-
 常時発動。バットステータスをプラスに変換する。

 ☆


 なにこのチート能力。
 害悪変換は、吸血鬼にとって良いものだろう。
 バットステータスを受けないってことは、つまり、外を歩いて太陽の光に当たってるだけでHP・MPが回復する。ということだ......いや、チートだろ。

 ステータスは、典型的な魔法特化だけど、SSとかあるのかよ。
 ノアは、この世界でトップクラスの力があるのか?
 それとも、吸血鬼の種族自体が強いものなのか?

 それなら......

 「こんだけ強ければゴーレム倒せたんじゃないか?」

 「あのゴーレムは特殊なの......魔法が効かない。だからどうしようも無かった」

 ......なるほど、魔法特化のノアと相性が最悪だな。
 それで逃るしか無かったのか。
 それにしても魔法が効かないゴーレムか......意図的に創られたものなのか?

 考察するのは後にして、少し実験してみるか。

 「ノア、実験するからちょっと離れてて」

 「実験?」

 可愛らしく首を傾けているが取り敢えず下がって貰いたい。

 そして、ノアが充分離れてから、力を解放する。

 まずは...あの時ゴーレムを倒した、30%

 体から力が溢れ出す。
 それと同時になんか目が熱くなってくる。今日、力を使いすぎたからだろうか。

 それは、今は置いといて。

 (ステータス)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 :  キサラギ ユウ
 性別 :   男
 種族 :  人間(90%)  (吸血鬼10%)

 レベル : 10

 体力 : SSS
 魔力 : SSS
 物理攻撃力 : EX
 魔法攻撃力 : SSS
 物理防御力 : EX
 魔法防御力 : SSS
 素早さ : EX
 運 : SSS

    ~スキル~
言語能力  環境適応  隠蔽  手加減


    ~固有能力~
  ステータス調整
   (現在30%)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 .....俺が一番チートだった...

 「ユウ...何そのステータス...」

 嫌われただろうか。
 本当にヤバイ奴だと思ってるだろうか。

 「...すごい...やっぱりユウは、すごい」

 まるで新しい物を見つけた子供のように、目をキラキラさせながらこちらへ近づいてくる。

 「こんなステータス、見たこと無い...世界で...」

 何かを呟きながら俺のまわりをくるくる回っている。
 ノアさん、固有能力を使えば、あなたの方が強いんだぞ。
 まぁそれは、条件次第か...

 しかし、俺はこれでまだ半分以下の力しか出してないとは言えないよな。

 「それより、ユウのその目ってもしかして......」

 「目?確かにさっき違和感があったけど今は、そんなことないし」

 ノアは、何かを迷ってから魔法を使った。
 突然、空中に現れた水が氷になって形が整えられていく、どうやら鏡みたいなのが出来上がった。

 「これで、確認してみて」

 魔法って何でもできるんだなと思いながらその鏡を見ると......俺の目が赤くなっていた。
 目の瞳の部分だけが赤くなっている。

 まるで、隣にいるノアの目のように。

 「これって、もしかしなくても吸血鬼の影響だよな」

 そう言って力を解除すると、目の色は普通に戻っていた。
 力を解放した時だけ目の色が変わるのか......まだ大丈夫だな。

 「ふふっ、これで、ユウも私と同じ吸血鬼だと証明された」

 そう言ったノアはどこか嬉しそうだった。




 どうやら俺は、本当に人間を辞めてしまったらしい。




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