貴方に贈る世界の最後に
第8話 ギルドへ
屋敷を後にしてからギルドに向かおうと思っている。それは、この世界の情報を早く集めないといけないからだ。
「ユウ、どうしてお礼を貰わなかったの?」
「えっと、当然の事をしたのにお礼を貰うのはおかしいから、かな」
「ふふっ、ユウらしいね...そういうのは好き...だよ」
急な不意打ちにドキッとしてしまう。美少女に言われて嫌な人はいないと思う。
また、騒がしい道を通り、ギルドを目指す。
歩いている途中で、こちらを見る人が多くいる。
ノアが注目を集めている原因だが、今、俺とノアは手を繋いで歩いているから、変に絡んでくる奴も居なかった。
そんな事を考えていると、ギルドに着く。
盾の上で剣が交差している看板。雰囲気のある入り口。
「取り敢えず、入ってみるか」
「うん」
少し重い扉を開けると、ギルドなのに静かだった。
「あれ?」
なんか、もっとうるさいイメージがあったのだが...
何もない方がいいけどな。
受付と書いてあるカウンターに行く。
「すみません。ギルドで登録したいのですが」
「はい。それでは、こちらに手を置いて下さい」
そう言って水晶玉と紙がセットされたものを出された。
水晶玉に手を置く。
すると
水晶玉から光が出て下にある紙に文字が書かれていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 キサラギ・ユウ
種族 人間
レベル 10
ランク E
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんなことが紙に書かれた。
続いてノアも手を置く。
...ヤバイ。
「ノア、大丈夫なのか?ほら、種族とか」
バレたら不味いので小声で聞いてみる。
「大丈夫。私は、『偽装』のスキルを持っているの」
と、ドヤ顔でそんな事を言ってるので大丈夫だろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 ノア
種族 人間
レベル 50
ランク B
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうやら大丈夫だったようだ。種族は、
いきなりランクBって。これは面倒臭いことになりそうだ。
「...ノア」
「てへっ、レベル隠すの忘れてた」
ペロッと舌を出して謝る。
可愛い...じゃなくて...
夕方だからか周りの人が居なくて助かった。
人いたら絶対絡まれるパターンのやつだ。
「えっと...ギルドマスター呼んで来ます」
「あ、待って下さい」
...行ってしまった。どうするか...
静かなギルドで少しの時間待っている。
しばらくすると、ギルドの受付の人が帰って来た。
「こちらの部屋まで来て下さい」
そう言われて、仕方なく付いていく。
少しの長い廊下を歩き、階段を上がっていく。
そして、1つの扉の前に着く。
コンコンコン、
「ギルドマスター、連れてきました」
「ああ、入れ」
...何故か扉の向こうから女の人の高い声が聞こえた。
そして、部屋に入って見ると、背が低くて、魔女のコスプレをしているとしか見えない人が、というか子供が居た。
「おい、そこのお前、私を子供だと思っただろ」
...何このデジャブ。
前にもこんなやり取りがあったような...
ギルドマスターって心を読めるのか?
「...えーと、何でここに呼ばれたんですか?」
話を逸らすついでに、分かりきっていることだが聞いてみる。
「...まぁいいだろう。今回だけは許してやる。それで、お前たちを呼んだ理由だがレベルの事についてだ。それと他にもあるが...」
顎にてを当てて考える仕草をする。
子供が一生懸命考えてるようにしか見えない。
「...一つだけ質問だ、そこの男。.....お前は『転生者』か?」
その言葉に少しドキッとする。『転生者』。この世界に居るのか。だけど俺はこの世界に『転移』してきたから違うだろう。
「俺は、『転生者』というものじゃ無いぞ」
「嘘じゃないようだな、私のスキルに反応しない。転生者の大体は黒目だったんだが...悪い。変な質問をした」
「いえ、その『転生者』っていうのはなんなんですか?」
他にも俺のような奴が居るとしたらまずいかもしれない。元の世界の知識があればこの世界を簡単に変えることが出来る。
しかも、何かの影響でこの世界にきたやばい奴なら...急がないとな
「『転生者』。こことは別の世界で死んでこの世界に来た者達の事だ。そして、その者達は例外無く強い力を持っている。現在『転生者』は100人以上居る...私もその『転生者』の一人だ」
「なっ、100人だと」
俺とは違う世界から来た奴が多いのだろうか。それに別の世界でも...
「それで、話が逸れてしまったが、お前はランクBらしいな最初から鍛えてたのか?」
と、こっちを向いて言ってるので...勘違いしてるのだろう。
「えーと、ギルドマスター。その、男の方じゃ無いんですが」
「...えっ??まさか嘘は...ついてないな。本当なのか?」
「そうだが」
どうやらここのギルドマスターの知能も《・》子供のようだ。
「おい貴様、今何を考えていた?二度目は無いと言ったはずだぞ」
やっぱり心を読めるだろ。そういう能力だろ。
「いや、なにも考えて...」
「嘘だな」
くそ、嘘を見抜く能力があるんだった。
...仕方ない、正直に話すか
「あぁ、確かに子供だと思ったよ」
「馬鹿ですか。あなた死にますよ」
受付の人が慌てているが気にしない。俺は思ったことを言ったまでだ後悔はない...たぶん。
「いい度胸だ、私は自分より弱い奴に見下された目で見られるのが嫌なんだ」
「おー、俺がお前より弱いか。試してみるか?」
...冗談だけど。
「いいだろう。ボロボロにして二度と変なこと言えないようにしてやる。下に闘技場がある。そこで試合をするとしよう」
なんか、面倒事に自分から突っ込んでる気がしてきた。
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