貴方に贈る世界の最後に

ノベルバユーザー175298

第8話 ギルドへ


 屋敷を後にしてからギルドに向かおうと思っている。それは、この世界の情報を早く集めないといけないからだ。

 「ユウ、どうしてお礼を貰わなかったの?」

 「えっと、当然の事をしたのにお礼を貰うのはおかしいから、かな」

 「ふふっ、ユウらしいね...そういうのは好き...だよ」

 急な不意打ちにドキッとしてしまう。美少女に言われて嫌な人はいないと思う。

 また、騒がしい道を通り、ギルドを目指す。
 歩いている途中で、こちらを見る人が多くいる。

 ノアが注目を集めている原因だが、今、俺とノアは手を繋いで歩いているから、変に絡んでくる奴も居なかった。


 そんな事を考えていると、ギルドに着く。
 盾の上で剣が交差している看板。雰囲気のある入り口。

 「取り敢えず、入ってみるか」

 「うん」

 少し重い扉を開けると、ギルドなのに静かだった。

 「あれ?」

 なんか、もっとうるさいイメージがあったのだが...
 何もない方がいいけどな。

 受付と書いてあるカウンターに行く。

 「すみません。ギルドで登録したいのですが」

 「はい。それでは、こちらに手を置いて下さい」

 そう言って水晶玉と紙がセットされたものを出された。
 水晶玉に手を置く。

 すると

 水晶玉から光が出て下にある紙に文字が書かれていく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  キサラギ・ユウ

 種族    人間

 レベル   10

 ランク   E

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こんなことが紙に書かれた。

 続いてノアも手を置く。

 ...ヤバイ。

 「ノア、大丈夫なのか?ほら、種族とか」

 バレたら不味いので小声で聞いてみる。

 「大丈夫。私は、『偽装』のスキルを持っているの」

 と、ドヤ顔でそんな事を言ってるので大丈夫だろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  ノア

 種族  人間

 レベル 50

 ランク  B

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 どうやら大丈夫だったようだ。種族は、
 いきなりランクBって。これは面倒臭いことになりそうだ。

 「...ノア」

 「てへっ、レベル隠すの忘れてた」

 ペロッと舌を出して謝る。
 可愛い...じゃなくて...

 夕方だからか周りの人が居なくて助かった。
 人いたら絶対絡まれるパターンのやつだ。

 「えっと...ギルドマスター呼んで来ます」

 「あ、待って下さい」

 ...行ってしまった。どうするか...


 静かなギルドで少しの時間待っている。

 しばらくすると、ギルドの受付の人が帰って来た。

 「こちらの部屋まで来て下さい」

 そう言われて、仕方なく付いていく。

 少しの長い廊下を歩き、階段を上がっていく。
 そして、1つの扉の前に着く。

 コンコンコン、

 「ギルドマスター、連れてきました」

 「ああ、入れ」

 ...何故か扉の向こうから女の人の高い声が聞こえた。

 そして、部屋に入って見ると、背が低くて、魔女のコスプレをしているとしか見えない人が、というか子供が居た。

 「おい、そこのお前、私を子供だと思っただろ」

 ...何このデジャブ。
 前にもこんなやり取りがあったような...
 ギルドマスターって心を読めるのか?

 「...えーと、何でここに呼ばれたんですか?」

 話を逸らすついでに、分かりきっていることだが聞いてみる。

 「...まぁいいだろう。今回だけは許してやる。それで、お前たちを呼んだ理由だがレベルの事についてだ。それと他にもあるが...」

 顎にてを当てて考える仕草をする。
 子供が一生懸命考えてるようにしか見えない。

 「...一つだけ質問だ、そこの男。.....お前は『転生者』か?」

 その言葉に少しドキッとする。『転生者』。この世界に居るのか。だけど俺はこの世界に『転移』してきたから違うだろう。

 「俺は、『転生者』というものじゃ無いぞ」

 「嘘じゃないようだな、私のスキルに反応しない。転生者の大体は黒目だったんだが...悪い。変な質問をした」

 「いえ、その『転生者』っていうのはなんなんですか?」

 他にも俺のような奴が居るとしたらまずいかもしれない。元の世界の知識があればこの世界を簡単に変えることが出来る。

 しかも、何かの影響でこの世界にきたやばい奴なら...急がないとな

 「『転生者』。こことは別の世界で死んでこの世界に来た者達の事だ。そして、その者達は例外無く強い力を持っている。現在『転生者』は100人以上居る...私もその『転生者』の一人だ」

 「なっ、100人だと」

 俺とは違う世界から来た奴が多いのだろうか。それに別の世界でも...



 「それで、話が逸れてしまったが、お前はランクBらしいな最初から鍛えてたのか?」

 と、こっちを向いて言ってるので...勘違いしてるのだろう。

 「えーと、ギルドマスター。その、男の方じゃ無いんですが」

 「...えっ??まさか嘘は...ついてないな。本当なのか?」

 「そうだが」

 どうやらここのギルドマスターの知能も《・》子供のようだ。

 「おい貴様、今何を考えていた?二度目は無いと言ったはずだぞ」

 やっぱり心を読めるだろ。そういう能力だろ。

 「いや、なにも考えて...」

 「嘘だな」

 くそ、嘘を見抜く能力があるんだった。
 ...仕方ない、正直に話すか

 「あぁ、確かに子供だと思ったよ」

 「馬鹿ですか。あなた死にますよ」

 受付の人が慌てているが気にしない。俺は思ったことを言ったまでだ後悔はない...たぶん。

 「いい度胸だ、私は自分より弱い奴に見下された目で見られるのが嫌なんだ」

 「おー、俺がお前より弱いか。試してみるか?」

 ...冗談だけど。

 「いいだろう。ボロボロにして二度と変なこと言えないようにしてやる。下に闘技場がある。そこで試合をするとしよう」




 なんか、面倒事に自分から突っ込んでる気がしてきた。

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