貴方に贈る世界の最後に
第9話 転生者の力
色々とあってギルドの地下一階、闘技場に来ていた。
「さて、覚悟はできてるか?キサラギ・ユウ」
「そっちこそ、大丈夫か?」
この街のギルドマスター、見た目は子供だが『転生者』。どんなチートを持っているか分からない状態だ。相手も同じ状態だが。
「それでは、両者共離れてください。」
今回の試合を監視してくれる受付の人。その合図で始まる。
「相手を殺すことを禁止として、戦闘不能になるか、どちらかが負けを認めるまでというルールです。それでは......始め!!」
さて、楽しい試合の始まりだ。
力を解放する。
「キサラギ・ユウ。お前は、データではランクEでレベル10だったそうだが」
「そうだが」
「それじゃあ私があまりにも優位過ぎるので、私の能力の一部を教えてやろう」
「なかなか自信があるみたいだな」
「弱ければギルドマスターなんかになれないからな。そして、私の能力は『相手の能力を無効化する』と言うものだ。魔法でも何でも撃ってみろ私には効かないからな」
そう言って俺の目の前まで迫る。俺はその攻撃を本気でかわす。
「...ちょっとその能力はやばいな」
割と本当にやばい。『能力の無効化』と言うことは、つまり、俺の能力『ステータス調整』が消えるということだ。
無効化された瞬間にいつも抑えている力が解放される。100%の力を使わないといけない状態になってしまう。
それはまずい。ものすごくまずい。
「ほう、ランクEなのによく避けられたな。素早さだけステータスが高いのか?でも、逃げてるだけじゃ私に勝てないぞ」
「くそっ」
相手の能力の発動条件が分からない今、触られるのはまずい。そう判断して、魔法を撃ってみる。
『フレア』
盗賊に使ったものより一回り小さい炎の塊を出す。
「えっ!?『フレア』はそんなに大きくないはず。...でも使った魔法に嘘は無い。どういうこと」
炎の塊をギルドマスターに向けて放つ。まず、本当に能力の無効化が出来るかを調べないと。
「くらえ」
「無駄だ私には効かない」
ギルドマスターが触れた《・・・》瞬間に消えた。
つまり、触らないと発動しない能力。
そして、もうひとつ。
「休んでる暇は無いぞ、ギルドマスター」
俺は、さっきの『フレア』を10個出す。
「これならどうだ」
「ほう、数で押しきる...か。悪くないな、だけどそれは、相手が私以外の時だけだ」
10個全ての『フレア』が消される。
ギルドマスターは余裕そうにこちらに歩いていくる。
「なかなかやるじゃないか。魔法の威力も高い。素早さも高い。お前、ステータスの『偽装』でもしていたのか?」
「いや、『偽装』のスキルはあいにく持ってないんだ」
「ふっ、本当みたいだな。どうだ、負けを認めるか?お前は強い。だけど私との相性が悪かったな」
「だけどまだ、諦める気は無いんだよな」
「...そうか、じゃあ少し眠っていろ」
「っ!!」
さっきよりも明らかに早いスピードで向かってきた為、反応が遅れた。
やばい
「私の能力は、二つだけじゃないんだよ」
ギルドマスターの拳が俺の腹に触れる。
瞬間
力があり得ないほど沸きだす。世界が遅くなって見える。
...だけど
バキッバキ
腹の辺りでどこかで聞いた音がした。
ギルドマスターの腕の肘から先がぐちゃぐちゃになっている。
「はっ....ぐっ...っ...」
バタッ
痛みによってか、ギルドマスターは気を失って倒れた。
「...しょ、勝負あり。今すぐに治療します、ギルドマスター」
受付の人が魔法を使うとすぐに、ギルドマスターの腕が直ってきた。細かい傷が消え、折れた骨が治り、もとに戻る。
「はぁ、はぁ、また...またあの時と同じ...」
頭が回らない。あの時の光景がフラッシュバックする。
...人に能力を...使ってしまった。
手が震える。
...こんな力があるから....
背中に誰かが抱きつく感覚があった。
「ユウ、大丈夫だから」
「ノア...でも」
「私は気にしない」
「はぁー.....ふー、ノアありがとう、少し落ち着いた」
「んっ」
不思議と手の震えも止まっている。
倒れていたギルドマスターの方を見ると、もう完全に治っていた。
「私は、負けたみたいだな。お前がどんな能力を使ったのか分からない。でも、負けた。それは認める」
「さっきは悪かった。右手はもう大丈夫なのか?」
「リューナは回復魔法のエキスパートだからな」
そう言って受付の人を見る。
この人リューナって名前なんだ。
「本当にごめん。あんなことをするつもりじゃなかったんだ」
謝らないといけない、そうしないと何かが崩れそうだから。
「そ、そんなに謝らないでくれ。本当にそう思っていることは分かっている。それに、私の実力が足りなかった。いや、私は能力に頼りすぎていた。それをお前は気づかせてくれた。ありがとう」
彼女は笑っていた。その笑顔は、今までのギルドマスターとしての顔ではなく、年相応の無邪気な笑顔だった。
「そんな可愛い顔も出来るんだな」
「?、キサラギ・ユウ何か言ったか?」
「何でもないぞ」
「...嘘だな」
あ、忘れてた。嘘が分かる能力があったんだった。
「何て言ったんだ?私に教えろ。もちろん、誤魔化そうとしても無駄だからな」
はぁー仕方ない、本当の事を話すか。
「えーっと、そんな可愛い顔も出来るんだなって言ったんだ」
「またそんな嘘を...嘘じゃない...えっ!!そ、そんな事」
「どうした?顔が赤いぞ」
そう言って近づいてみると。
「だ、大丈夫だ何でもない。それでは、私は仕事に戻る。...そうだ、何か困ったことがあったら言ってくれ力になる。勝負に負けたからな」
「あぁ、ありがとう」
ギルドマスターは上の階に戻っていった。
「さてと、それじゃあ行くか。ノア」
「うん」
あ、まずは宿屋を探さないと...もう外が暗くなってきてるんだが...今日はベットで寝れるのか?
「さて、覚悟はできてるか?キサラギ・ユウ」
「そっちこそ、大丈夫か?」
この街のギルドマスター、見た目は子供だが『転生者』。どんなチートを持っているか分からない状態だ。相手も同じ状態だが。
「それでは、両者共離れてください。」
今回の試合を監視してくれる受付の人。その合図で始まる。
「相手を殺すことを禁止として、戦闘不能になるか、どちらかが負けを認めるまでというルールです。それでは......始め!!」
さて、楽しい試合の始まりだ。
力を解放する。
「キサラギ・ユウ。お前は、データではランクEでレベル10だったそうだが」
「そうだが」
「それじゃあ私があまりにも優位過ぎるので、私の能力の一部を教えてやろう」
「なかなか自信があるみたいだな」
「弱ければギルドマスターなんかになれないからな。そして、私の能力は『相手の能力を無効化する』と言うものだ。魔法でも何でも撃ってみろ私には効かないからな」
そう言って俺の目の前まで迫る。俺はその攻撃を本気でかわす。
「...ちょっとその能力はやばいな」
割と本当にやばい。『能力の無効化』と言うことは、つまり、俺の能力『ステータス調整』が消えるということだ。
無効化された瞬間にいつも抑えている力が解放される。100%の力を使わないといけない状態になってしまう。
それはまずい。ものすごくまずい。
「ほう、ランクEなのによく避けられたな。素早さだけステータスが高いのか?でも、逃げてるだけじゃ私に勝てないぞ」
「くそっ」
相手の能力の発動条件が分からない今、触られるのはまずい。そう判断して、魔法を撃ってみる。
『フレア』
盗賊に使ったものより一回り小さい炎の塊を出す。
「えっ!?『フレア』はそんなに大きくないはず。...でも使った魔法に嘘は無い。どういうこと」
炎の塊をギルドマスターに向けて放つ。まず、本当に能力の無効化が出来るかを調べないと。
「くらえ」
「無駄だ私には効かない」
ギルドマスターが触れた《・・・》瞬間に消えた。
つまり、触らないと発動しない能力。
そして、もうひとつ。
「休んでる暇は無いぞ、ギルドマスター」
俺は、さっきの『フレア』を10個出す。
「これならどうだ」
「ほう、数で押しきる...か。悪くないな、だけどそれは、相手が私以外の時だけだ」
10個全ての『フレア』が消される。
ギルドマスターは余裕そうにこちらに歩いていくる。
「なかなかやるじゃないか。魔法の威力も高い。素早さも高い。お前、ステータスの『偽装』でもしていたのか?」
「いや、『偽装』のスキルはあいにく持ってないんだ」
「ふっ、本当みたいだな。どうだ、負けを認めるか?お前は強い。だけど私との相性が悪かったな」
「だけどまだ、諦める気は無いんだよな」
「...そうか、じゃあ少し眠っていろ」
「っ!!」
さっきよりも明らかに早いスピードで向かってきた為、反応が遅れた。
やばい
「私の能力は、二つだけじゃないんだよ」
ギルドマスターの拳が俺の腹に触れる。
瞬間
力があり得ないほど沸きだす。世界が遅くなって見える。
...だけど
バキッバキ
腹の辺りでどこかで聞いた音がした。
ギルドマスターの腕の肘から先がぐちゃぐちゃになっている。
「はっ....ぐっ...っ...」
バタッ
痛みによってか、ギルドマスターは気を失って倒れた。
「...しょ、勝負あり。今すぐに治療します、ギルドマスター」
受付の人が魔法を使うとすぐに、ギルドマスターの腕が直ってきた。細かい傷が消え、折れた骨が治り、もとに戻る。
「はぁ、はぁ、また...またあの時と同じ...」
頭が回らない。あの時の光景がフラッシュバックする。
...人に能力を...使ってしまった。
手が震える。
...こんな力があるから....
背中に誰かが抱きつく感覚があった。
「ユウ、大丈夫だから」
「ノア...でも」
「私は気にしない」
「はぁー.....ふー、ノアありがとう、少し落ち着いた」
「んっ」
不思議と手の震えも止まっている。
倒れていたギルドマスターの方を見ると、もう完全に治っていた。
「私は、負けたみたいだな。お前がどんな能力を使ったのか分からない。でも、負けた。それは認める」
「さっきは悪かった。右手はもう大丈夫なのか?」
「リューナは回復魔法のエキスパートだからな」
そう言って受付の人を見る。
この人リューナって名前なんだ。
「本当にごめん。あんなことをするつもりじゃなかったんだ」
謝らないといけない、そうしないと何かが崩れそうだから。
「そ、そんなに謝らないでくれ。本当にそう思っていることは分かっている。それに、私の実力が足りなかった。いや、私は能力に頼りすぎていた。それをお前は気づかせてくれた。ありがとう」
彼女は笑っていた。その笑顔は、今までのギルドマスターとしての顔ではなく、年相応の無邪気な笑顔だった。
「そんな可愛い顔も出来るんだな」
「?、キサラギ・ユウ何か言ったか?」
「何でもないぞ」
「...嘘だな」
あ、忘れてた。嘘が分かる能力があったんだった。
「何て言ったんだ?私に教えろ。もちろん、誤魔化そうとしても無駄だからな」
はぁー仕方ない、本当の事を話すか。
「えーっと、そんな可愛い顔も出来るんだなって言ったんだ」
「またそんな嘘を...嘘じゃない...えっ!!そ、そんな事」
「どうした?顔が赤いぞ」
そう言って近づいてみると。
「だ、大丈夫だ何でもない。それでは、私は仕事に戻る。...そうだ、何か困ったことがあったら言ってくれ力になる。勝負に負けたからな」
「あぁ、ありがとう」
ギルドマスターは上の階に戻っていった。
「さてと、それじゃあ行くか。ノア」
「うん」
あ、まずは宿屋を探さないと...もう外が暗くなってきてるんだが...今日はベットで寝れるのか?
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