クラス転移はts付きで
四十五話~鈍感系ほど厄介な物はない~
「いらっしゃいませー、ってライム!?」
女であるボクが男であるカシモトをエスコートして、カフェに到着すると、そこに居たのはコウタだった。しかもコウタはアルバイトをしているのか、可愛らしいエプロンを着ていた。
「あれれ? どうしてこんなところでコウタはそんな可愛らしいエプロンを着ているのかなぁ? まあ、そう言う趣味があるのなら仕方がないけどね?」
ボクは少しだけ高角を上げながら言うと、コウタは顔に青筋を浮かべていた。勿論、ボクの言葉に苛ついてるみたいで、可愛らしいエプロンを着て睨んできた。
「まあまあ、別にそんなことを言わなくたっていいじゃん、コウタは今可愛いし。そもそもそんな事を言うんだったらライムに方がよっぽど変だよ? 元々男だったのに男と付き合ってて」
「むぅー、それだったら君だッ、そうか君は元々そう言う質だったね」
ボクの何時もの弄りが炸裂すると、カシモトが仲裁し出した。うん、まあ、カシモトに方が圧倒的におかしいけどね。
ボクがそんな風に思っていると、コウタが急に、「か、かわッ! 可愛い? はぅぅ」と、顔を赤らめながら呟いた。そしてカシモトをみる目は熱っぽかった。
「どうしたの? そんなに私の事を見つめて? 風邪?」
「はっ、ごめん! 案内するから着いてきて」
しかし、カシモトは真っ正面から放たれる熱っぽい視線に気付かなかったみたいで、正気に戻ったコウタに案内されていた。……これだから鈍感野郎はぁ!
「じゃあ、何が食べたい?」
「じゃあ、ボクはケーキと紅茶で」
ボクがコウタに注文を頼むと、何故か睨まれた。まあ、大方「てめぇには聞いてねぇんだよ。黙っとけよ」と言うようなことを思っているんだと思う。……普通に客なんだけど? 酷くない?
「じゃあ、私もそれで」
「……ッチ、分かりましたー」
カシモトの注文を取り終わると、ボクの方を向き、わざわざ舌打ちしてから向こうに行った。
「……ねえ、君達ってそんなになか悪かったっけ? 私の覚えてる限りでは仲良かったと思うんだけど?」
未だに全ての元凶が自分だと言うことに気付かないみたいで、ボクの方を見てコウタのとのことを心配してきた。
「この鈍感が」
「えっ? なに? なんかいった?」
どうやら鈍感と言う発言が聞こえなかったみたいで、こっちを見てきた。絵を描いたような鈍感系は本当に迷惑だね。はじめてその事を実感したよ。本当にここまで来ると、自演してるように思えてくるよ。
「……」
「……」
「ね、ねぇ、怒ってるの?」
少しの沈黙が訪れ、それを破ったのはまたもや元凶の質問だった。
「少しは怒ってるよ?」
まあ、誰でもそうなると思う、だって、恋人であるボクが横にいるのに、他の女? 男? を誘惑してるんだよ?
「な、なんで!? ど、どういうところが悪かったの!?」
ただ、本当にこれは自覚がないんだと思う、何時もの冗談とかならボクが怒り出した辺りでネタバラシをしているから。だからそこまで強く怒れないのも鈍感系の厄介なところだね。
「う~ん、まあ、大丈夫だよ」
「そうなの、あ、ありがとうね」
ボクが曖昧に答えると、カシモトは首をかしげながらも了承してくれた。
しかし、その直後にケーキと紅茶を持ってきたコウタに対して、ありがとう、と微笑んでいたところを見て、ボクは死にたくなった。
「はぃぃ」
「あー、呆けてないでボクの分も持ってきてくれな――」
ボクがそこまで言い掛けると、すごい勢いでボクの方を振り向き、そして目線だけで人を殺せそうな位の殺気を込めて睨まれた。
「何を睨んでいるのかな? アルバイトくぅん。そんな態度だったら店長に報告してもいいんだよ? あとカシモトは、ボクの恋人、だからね?」
「くっ! この下衆が」
ボクが店長に報告する、と言うと、コウタは下衆が、とボクに吐き捨てケーキを取りに行った。
「ふっふっふ、馬鹿だねぇ、ボクに口で勝てるとでも思ったのかなぁ? 実に愚かだねぇ」
「くっ!」
ケーキを運んできたコウタに、そう投げ掛けると、コウタは肩を震わせ、顔は恥辱に染まっていた。
「おい、良い度胸だなぁ、元Sランク冒険者の俺の店の従業員を苛めてくれるとはよぉ。幾ら女だからってここまで言われちゃ、黙ってられねぇよ。ちょっと表へ出な」
「へっ?」
ボクがコウタを馬鹿にしていると、店の奥から強面のおっさんが出てきた。どうやらコウタを雇った本人らしく、苛めていることに嫌気がさしたのか、介入してきたみたいだ。まあ、ボクとしては恋人を誘惑しようとして来ている事には嫌気がさしてたんだけどね。それに店長が協力するのならボクはこの店を潰すよ。このおっさんと戦った間に破壊すれば良いんだから。今はお菓子よりもカシモトの方が重要だから。
「ら、ライム? 大丈夫? 滅茶苦茶な位、どす黒いオーラが出てるけど」
「大丈夫だよ? ただ、なにもしていない女子を二人係で恐喝するような人たちに鉄槌を与えるだけだからね? ああ、もしかしたらこの店が潰れるかもしれないから一応外に出てといてね」
まあ、女子を恐喝するような野郎には死なない程度に苦しませてやらないとダメだよね? ラムとボクは秩序と審議を司ってるけど、それ以前にボクは神なんだよ? 幾らなんでも無礼すぎるよ。……て言うかラム部屋に置いてきてた。えっと、分身解除。
(………………)
(ラム? 部屋に置き忘れてごめんね?)
どうやら考えることをやめているのか、返事が帰ってこなかった。
(泣くよ? 僕がどれだけ暇だったか分かるかい? なにもすることがなく、縛られてるから延々と座ってただけなんだよ? あの二人にも忘れられるし、僕ってそんなに影が薄い?)
返事はしたものの、どうやら精神が少しやられたみたいで、鬱になっているようだった。
まあ、今はそんなことはどうでも良い。
(戦闘技能だけ着けておいてくれないかな)
(分かったよ、どうせ僕には存在意義がないんだ)
……幾らなんでもメンタルが弱すぎないかい? 豆腐よりも柔らかんじゃ? ボクはボクの分身のメンタルの脆さに不安を覚えていた。
女であるボクが男であるカシモトをエスコートして、カフェに到着すると、そこに居たのはコウタだった。しかもコウタはアルバイトをしているのか、可愛らしいエプロンを着ていた。
「あれれ? どうしてこんなところでコウタはそんな可愛らしいエプロンを着ているのかなぁ? まあ、そう言う趣味があるのなら仕方がないけどね?」
ボクは少しだけ高角を上げながら言うと、コウタは顔に青筋を浮かべていた。勿論、ボクの言葉に苛ついてるみたいで、可愛らしいエプロンを着て睨んできた。
「まあまあ、別にそんなことを言わなくたっていいじゃん、コウタは今可愛いし。そもそもそんな事を言うんだったらライムに方がよっぽど変だよ? 元々男だったのに男と付き合ってて」
「むぅー、それだったら君だッ、そうか君は元々そう言う質だったね」
ボクの何時もの弄りが炸裂すると、カシモトが仲裁し出した。うん、まあ、カシモトに方が圧倒的におかしいけどね。
ボクがそんな風に思っていると、コウタが急に、「か、かわッ! 可愛い? はぅぅ」と、顔を赤らめながら呟いた。そしてカシモトをみる目は熱っぽかった。
「どうしたの? そんなに私の事を見つめて? 風邪?」
「はっ、ごめん! 案内するから着いてきて」
しかし、カシモトは真っ正面から放たれる熱っぽい視線に気付かなかったみたいで、正気に戻ったコウタに案内されていた。……これだから鈍感野郎はぁ!
「じゃあ、何が食べたい?」
「じゃあ、ボクはケーキと紅茶で」
ボクがコウタに注文を頼むと、何故か睨まれた。まあ、大方「てめぇには聞いてねぇんだよ。黙っとけよ」と言うようなことを思っているんだと思う。……普通に客なんだけど? 酷くない?
「じゃあ、私もそれで」
「……ッチ、分かりましたー」
カシモトの注文を取り終わると、ボクの方を向き、わざわざ舌打ちしてから向こうに行った。
「……ねえ、君達ってそんなになか悪かったっけ? 私の覚えてる限りでは仲良かったと思うんだけど?」
未だに全ての元凶が自分だと言うことに気付かないみたいで、ボクの方を見てコウタのとのことを心配してきた。
「この鈍感が」
「えっ? なに? なんかいった?」
どうやら鈍感と言う発言が聞こえなかったみたいで、こっちを見てきた。絵を描いたような鈍感系は本当に迷惑だね。はじめてその事を実感したよ。本当にここまで来ると、自演してるように思えてくるよ。
「……」
「……」
「ね、ねぇ、怒ってるの?」
少しの沈黙が訪れ、それを破ったのはまたもや元凶の質問だった。
「少しは怒ってるよ?」
まあ、誰でもそうなると思う、だって、恋人であるボクが横にいるのに、他の女? 男? を誘惑してるんだよ?
「な、なんで!? ど、どういうところが悪かったの!?」
ただ、本当にこれは自覚がないんだと思う、何時もの冗談とかならボクが怒り出した辺りでネタバラシをしているから。だからそこまで強く怒れないのも鈍感系の厄介なところだね。
「う~ん、まあ、大丈夫だよ」
「そうなの、あ、ありがとうね」
ボクが曖昧に答えると、カシモトは首をかしげながらも了承してくれた。
しかし、その直後にケーキと紅茶を持ってきたコウタに対して、ありがとう、と微笑んでいたところを見て、ボクは死にたくなった。
「はぃぃ」
「あー、呆けてないでボクの分も持ってきてくれな――」
ボクがそこまで言い掛けると、すごい勢いでボクの方を振り向き、そして目線だけで人を殺せそうな位の殺気を込めて睨まれた。
「何を睨んでいるのかな? アルバイトくぅん。そんな態度だったら店長に報告してもいいんだよ? あとカシモトは、ボクの恋人、だからね?」
「くっ! この下衆が」
ボクが店長に報告する、と言うと、コウタは下衆が、とボクに吐き捨てケーキを取りに行った。
「ふっふっふ、馬鹿だねぇ、ボクに口で勝てるとでも思ったのかなぁ? 実に愚かだねぇ」
「くっ!」
ケーキを運んできたコウタに、そう投げ掛けると、コウタは肩を震わせ、顔は恥辱に染まっていた。
「おい、良い度胸だなぁ、元Sランク冒険者の俺の店の従業員を苛めてくれるとはよぉ。幾ら女だからってここまで言われちゃ、黙ってられねぇよ。ちょっと表へ出な」
「へっ?」
ボクがコウタを馬鹿にしていると、店の奥から強面のおっさんが出てきた。どうやらコウタを雇った本人らしく、苛めていることに嫌気がさしたのか、介入してきたみたいだ。まあ、ボクとしては恋人を誘惑しようとして来ている事には嫌気がさしてたんだけどね。それに店長が協力するのならボクはこの店を潰すよ。このおっさんと戦った間に破壊すれば良いんだから。今はお菓子よりもカシモトの方が重要だから。
「ら、ライム? 大丈夫? 滅茶苦茶な位、どす黒いオーラが出てるけど」
「大丈夫だよ? ただ、なにもしていない女子を二人係で恐喝するような人たちに鉄槌を与えるだけだからね? ああ、もしかしたらこの店が潰れるかもしれないから一応外に出てといてね」
まあ、女子を恐喝するような野郎には死なない程度に苦しませてやらないとダメだよね? ラムとボクは秩序と審議を司ってるけど、それ以前にボクは神なんだよ? 幾らなんでも無礼すぎるよ。……て言うかラム部屋に置いてきてた。えっと、分身解除。
(………………)
(ラム? 部屋に置き忘れてごめんね?)
どうやら考えることをやめているのか、返事が帰ってこなかった。
(泣くよ? 僕がどれだけ暇だったか分かるかい? なにもすることがなく、縛られてるから延々と座ってただけなんだよ? あの二人にも忘れられるし、僕ってそんなに影が薄い?)
返事はしたものの、どうやら精神が少しやられたみたいで、鬱になっているようだった。
まあ、今はそんなことはどうでも良い。
(戦闘技能だけ着けておいてくれないかな)
(分かったよ、どうせ僕には存在意義がないんだ)
……幾らなんでもメンタルが弱すぎないかい? 豆腐よりも柔らかんじゃ? ボクはボクの分身のメンタルの脆さに不安を覚えていた。
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