クラス転移はts付きで

lime

九話~普段良い子ぶっている奴程裏がヤバイ物はない~


「ふぃ~、このメシファ美味しいね!」

 んー? メシファは前世で言うパンケーキの事だよぉ。んふふー、しあわせー。
 ん? 違う? 何してるかだって? 
 ああ、今は騎士達を退治してくれたお礼として甘いものを奢って貰ってるよ。いやぁ、良い事すると良い事が自分にも来るね! 
 五人くらい殺したのに軽くないかって?
 そりゃそうだよ。ボクにとって、あんな下衆でむさい野郎五人よりも、パンケーキの方が価値は高いもん! そうなるのは道理だよ!
 あ、あと、今のボクのステータスはこんな感じになってたよ。

_______________________________

ライム 種族:人型(人族)機械種 女 13歳

 適正職業:機甲銃士、機巧技士
 現在職業:機巧技士、機甲銃士、なし
 
 HP;100
 MP;100
 STR;550
 MSTR;550
 DEF;550
 DEX;550
 STR;550
 INT;550
 AGI;550
 LUK;50

 スキル

 形状変化
 狙撃
 速射
 威圧
_______________________________

 LUK以外は全部五十ずつ増えてたね。
 あと、威圧とか言うスキル有るけど、ボクは威圧したつもりは一度もないんだけどなぁ?
 まあ、何で増えたかとかは、あの、何とかって言う神様に聞けば良いか、別に今すぐに知りたい訳じゃないからね。それよりもメシファおいひい~!

「はあ、ライムって甘いお菓子を食べてるときの表情の破壊力ヤバイよね」
「そうだなー、誘拐しちまいたくなる位にはな」
「んぅ? どしたのそんなにボクの顔を見つめて?」

 ボクが二人に質問をすると、二人から溜め息を吐かれた。
 何さ! 普通は自分の顔を見られてたら、誰でも質問するでしょ! それなのに何でボクは溜め息を吐かれなきゃいけないのさ! 一体ボクに何を求めてるのさ 

「更には自覚無しって所が質が悪いんだよねぇ。止めろって言っても何をやめるか理解できないと思うしね、はあ、何でこんなに可愛い元男居るのよ。元女としての自信がなくなるわ」
「はあ、あの小さな口に舌を入れたりして、滅茶苦茶にしたらどういう風に鳴くのか、試してみたいなぁ」

 ちょっ! シンノスケは何を言ってるのさ! そんなことを許すのは、その、か、カシモトくらいだけだからね! だからシンノスケに貸す胸も口もないからね!

「ふぃ~、食べ終わったから、外に出ようか! またお菓子屋が有るかもしれないから!」
「ライムはお菓子への探求心が凄いな。それなのに何で作らんの? モテるぞ」
「その、モテるって字の前に、男に、って言葉が付かないのなら料理はしてたよ! 生憎、ボクの容姿でそんなことやったら、野郎共からモテちゃうから、じゃあ、チェリーちゃん、また来るねー」
「うん、お姉ちゃんもまた」

 あ、因みに、チェリーちゃんってのは騎士団に狙われてた娘だよ。まあ、かなり幼くて、騎士団の人達はロリコンだったのかな? だからボクも狙われたのかもしれないけど。

「って、いつの間にか日が暮れかけてんじゃん。急がないと」
「わわっ、ってボクは普通に走れるよ! ちっちゃいから速度はでないけど」
「なら俺が持つ、じゃあいくぞ」

 脇に挟まれて走られるって滅茶苦茶怖いんだね。まあ、ボク自体がスプラッシュな山位で限界だからね。
 まあ、取りあえずは。

「お、降ろしてぇぇ! って、ひゃあ! 危ない! 危ないよぉ!」



 夜になり、アルファス王国、王女のフェルファール・マド・アルファスの部屋では、二人が会話をしていた。 
  
「影華、召喚した勇者の行動を記せと命令したが、それはできているか?」 
「はっ、出来ております。……てかフェルちゃん、堅苦しいよ? 二人しかいないのに」 
 
 もうっ! フェルちゃんの所は要らないでしょ! 全く、影華は空気を読んでほしいね! 本当に!  
 
「はあ、はい、悪事を働いた人は居ないよ、ただ、滅茶苦茶な事をしてる娘は居たね。確か名前は……ああ、ライムだ、その娘が今暴れてる、第一騎士団の十人隊の内五人を殺して、その後は住民達の溜まっていた怒りが爆発して、結果全員殺すって自体が起きたよ。まあ、私達にとっては良い事だけどね」 
 
 え……ライムって、あの小さいあの娘だよね? あの娘が魔法も効かない鎧で武装した騎士達五人を殺したと。……意味がわからないわ! どういう手を使ったの  ワイバーンでも捕まえて、放ったとでも言うの  
 
「フェルちゃん、彼女ねぇ、何か変な槍状の武器を構えた後、直ぐにおっきな音がしたんだ、するとね、あの鎧に小さな穴が開いてて中の人が血を流して、崩れ落ちたんだ、私も見てて良くわかんなかったよ。何で急に鎧に穴が開いたのかも分からないし」 
「んんぅ、暴走してる騎士団の一部を亡き者にしてくれたのは嬉しい事だけど、信頼の薄い勇者の一人が強力な武器を持つのはねぇ……下手したら革命を起こされるかもしれないし。はあ、影華ぁ、どうしたら良いと思ぅ?」 
 
 流石の私でもこんな事態の対応は無理だ。 
 だって、会ったときの印象が人畜無害そうなロ……少女だったのよ  それはもう、食べちゃいそうになる位には可愛いかった! それが武装した騎士を五人も屠ったんだよ? 影華の目を疑うレベルだわ。 
 まあ、影華の目は信用しているから本当なんだろうけれど。 
 
「それを私に言われてもねぇ、面識は有るんだから本人に聞けば良いんじゃないの? あと、フェルちゃんは王女なんだよ? 権力を笠に聞き出せるんだよ?」 
「それじゃあ、民衆へのイメージが悪くなるし、やってることは、馬鹿な貴族令嬢とおなじでしょ」 
「そこがフェルちゃんの良い所だもんねぇ、そのまま素直に育ってねぇ」 
 
 何で毎回、影華私のことを子ども扱いするのかしら? 同い年、と言っても私の方が十一ヶ月遅いのだけれど……身長も私の方が高いし、何処とは言わないけれど、私の方が大きいし。影華の方がよっぽど幼いのだけれども、その事を位ったら怒られてしまうからね。 
 
「はあ、やっぱり本人に聞かないとダメかなぁ、ライムに嫌われたらどうしよう」 
「あはは、そっちの方で悩むのね」 
 

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