努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

七十七話 魔王の死に方は地獄だった

俺のファイアボールで倒せなかった魔物共は瑞希によってすべて討伐され、今は一旦街の椅子に座りながら敵を探している。なぜこのような時にのんびり椅子に座っているのかというと、瑞希がすることがある、と言ったからである。それは国に連絡することだ。勇者だから色々あるのだろう。
そして、その暇な時間に索敵ということだ。しばらく街の近くを見ていると、瀕死の敵がいるのがわかった。

『ファイアボール』

俺がいきなり魔法を唱えたことに瑞希達は驚いて逃げたが、俺が大丈夫だからと言うと疑いながらも落ち着いてくれた。瑞希達が落ち着いたところで俺はさっき発動したファイアボールを瀕死の敵がいる方へと飛ばす。そしてコントロールして…

ドォン!

爆発音が聞こえた。俺は確認するように索敵をしてみるが、まだ瀕死状態で生きているようだ。

「今ので生きているとは…どんな敵か気になるな」

と言ったものの見に行くのは面倒なので見に行かない。俺は倒すために新たな魔法を発動する。

『サンダー』

そう言うと、敵がいるであろう場所にとてつもなく大きい雷が落ちた。流石にこれで生きてはいないだろう、と確信しつつも確認する。よし、死んでいるな。これで生きてれるのとか、魔王ぐらいじゃないか?俺はそう思いながら笑うのだった。



魔法が飛んできている、と言われ次の瞬間には地面に倒れて起き上がれなくなっていた魔王。だが、生きているだけでも十分異常である、さすがは魔王というべきであろう。だが、魔王はそうは思っていない。

「この私がただの魔法ごときに何故ここまでのダメージを…」

ただのではないのだが、誰が撃ったかわからない魔王にはただの魔法でしかない。

「動けるようになったら一度城に戻り次こそはこの街を潰してやる。そしてあの魔法を撃ってきたやつも…」

魔王が決心した途端、いきなり上空が明るくなった。頭は自由に動くので上を向く。

「ま、まさか…」

そう、まさかのファイアボールだ。ここからが魔王の地獄の始まりだった。ファイアボールが着弾する。

「あぁぁぁぁぁ!」

普段、魔王があげるわけのない声を上げる。それは痛み悶えているような、死に直面している者の声だ。

「た、助かったのか…?」

もう、体力はないがどうにか呟いた嬉しさから出るその言葉。だが、これで終わりではなかった。

「私をこんなにしやがって…必ず復讐してーーー」

今度は前触れもなく、魔王に魔法が直撃した。復讐してやる、そんな言葉を言い切ることもなく魔王は事切れてしまったのだった───。

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