努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

六十二話 ギルド長は大袈裟だった

城を出たあと、俺達はまずエリスを迎えに行った。そして宿に着き、エリスを呼ぶ。

「エリス、迎えに来たぞ」

「リョウタ、おはよう...って、なんでミズキ達までいるの?依頼って昨日までじゃなかったの?」

まあ、たしかに不思議だよな、依頼は昨日までなのに瑞希がいるのは。

「そのことで少し話があるんだけど」

「うん?」

俺達は取り敢えず、エリスの部屋に入れてもらってから、なぜ瑞希とエーレンがいるのかを説明した。

「...ということなんだが」

「なるほど...確かに私達についてきた方が特訓になるかもね」

「そうだよな。だから連れてきたんだけど...一緒に連れていってもいいか?」

「私は全然いいよ」

エリスも許可をくれたし、本当に瑞希と旅ができる!やった!これから更に楽しくなりそうだ。と内心喜んでいると、俺の考えが顔からわかったのか、瑞希が俺の方を向いて、すごく可愛い笑顔で楽しみだね、と言った。やっぱり瑞希は可愛いな!
なんだか、やる気が湧いてきた!今ならなんでもできる気がする!

その後エリスが準備をすると言ったので、俺は部屋を出た。しばらく待ち、エリスが出てくると、馬車に乗り込む。今日の御者は俺だ。だが、その前にどこに向かうかだな。

「エリス、大会まで時間はあるけどどうする?」

エリスにした質問つもりだったのだが、瑞希から声がかけられた。

「大会ってなに?」

「実はギルドの依頼で大会に出ることになったんだ」

「そうなんだ。それって私も出れない?」

「さー、どうだろうな?」

俺はエリスへと視線を向ける。するとエリスは俺の視線に気づいたのか、口を開いた。

「一回、ギルド長に頼んでみる?」

「そうだな、じゃあ取り敢えずはギルドに戻るという方針でいいか?」

「うん、いいと思うよ」

ということで、話がまとまったので早速出発しよう。帰り道面白いこと起こらないかな?


はい、予想通り帰り道で面白いことが起こるわけもなく、無事にギルドに帰ってこれました。

久しぶりのギルドだ。すごく懐かしい感があるな。よし、取り敢えず依頼完了の報告と、瑞希の冒険者登録と、パーティー登録か...。意外とやることが多いな。
時間はあるしゆっくりとやるか。

まずは、依頼完了の報告だな。確か、この依頼完了の報告はギルド長に言った方がいいんだよな。俺は近くの受付嬢に声をかける。

「すみません、ギルド長呼んで頂けますか?」

その言葉を聞いた受付嬢は俺の姿を確認したあと、部屋の奥へと向かっていった。
しばらくした後、前にギルド長もあった部屋へと案内された。
瑞希は冒険者登録をしていないから着いてくることはできないので、待っていてもらうことにした。
そしてギルド長の部屋の中に入ると、既にギルド長は座っていた。

「依頼ご苦労だった。取り敢えず座ってくれ」

俺達はギルド長に勧められるまま、椅子に座った。

「さて、依頼は無事終了したようだな」

「はい」

「それは良かった。結局何回層まで攻略出来たんだ?」

「正確には分からないのですが、60ぐらいですかね?」

「ろ、60!?」

ギルド長は、後ろに倒れるのではないかと言うぐらい、大袈裟な反応をした。

「少し大袈裟じゃないですか?」

「大袈裟な訳あるか!60なんて、そんなところまで行けるものなんて聞いたことないんだぞ!」

「そうなんですか」

そりゃあ無いだろうな。みんな逃げてるんだもん。まあ、強かったもんなあの閻魔。
俺が言っても説得力無いけど。
そんなどうでもいい話は置いておいて、本題に移ろう。


「取り敢えず、依頼完了の報告は終わったんで次の話に行っていいですか?」

「な、何かあるのか?」

「今、異世界から召喚された勇者が一緒に来てるんですけど、冒険者登録とパーティー登録出来ますか?」

「え...」

遂にギルド長は固まってしまった。
この程度(かなり大事)で固まっていてはギルド長失格だな!と言いかけるが、なんとか堪えてギルド長が復活するのを待つ。

「本当にいるかは別として、もしいたとしたらすぐにでもパーティー登録まで完了させよう」

「ありがとうございます、じゃあ連れてきますね」

俺はそう言って瑞希を連れてくる。ギルド長は本当に勇者か確認して、本当だとわかったので少し驚いたが、すぐに準備をさせるために受付嬢を呼んでいた。さて、ここからが可能かどうかが分からないお願いだ。

「ギルド長、もう一つ話があるんですけど」

「...なんだ?」

「この、勇者さんを俺達が参加する大会に出場させれないでしょうか?」

「それは...国王様はなんて言ってらっしゃったのだ?」

「特に何も」

俺がそう返事を返すと、ギルド長はんーと呻きながら考え事を始めた。

「国王様に許可を頂けるか確認した後、許可を頂けたら、参加できるようにしよう」

「ありがとうございます」

俺は礼を言ったあと瑞希の方を見てみた。
すると、瑞希はとても可愛い笑顔で喜んでいた。あー、異世界最高!


こうして、俺は瑞希とのパーティー登録を無事完了できたのだった───。

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