努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

五十一話 俺はヤバい奴だった(改稿します)

朝食を食べ終わったあと、俺は取り敢えず靉麗と霧月姉と話すことにした。護衛兼アドバイス役はどうした?と思うかもしれないが、俺が妹達と話すために、瑞希が今日のダンジョンに行く時間を少し遅らせてくれたのだ。流石は瑞希、優しすぎだろ。
ということで俺は妹達と少し話すことにした。それに確認したいこともあるしな。まあそれは後でいいんだけど。
まあ最初にいうことといえばこれかな?


「靉麗、霧月姉、久しぶり」

「「え?」」

俺の言った言葉に靉麗と霧月姉が同時に首を傾げる。何故だ?もう1週間以上あっていないというのに。


「昨日あったじゃん!」

昨日?霧月姉は何言っているんだ?

「1週間近く会ってないだろ?」

「「え?」」

全く話が噛み合っていない気がする。何かが違う。よし頭を使うか。俺は基本的に頭を使いたくない派の人なんだけどな。
俺は平均的(今ではやる気があれば超天才レベル)の頭をフル回転させる。すると一瞬で謎が解けた。
推測だが、遅れて召喚されただけで、同じ日から召喚されたのだろう。そしてこの推測が正しいのなら、この世界と地球とでは時間の進む早さが違うということになる。
まあそれがわかったからと言って何があるのかと言われれば何もないんだけどな。
まあ取り敢えず謎が解けたのでよかった。
俺は靉麗と霧月姉に俺の推測を説明して、齟齬を解消させた。


「なるほどね!涼太頭いいね!」

「にぃ、頭いい...、かっこいい...」

靉麗が俺の袖を掴んでくる。か、可愛い。
俺は靉麗の頭を撫でる。すると靉麗は超可愛い笑顔を俺に向けてきた。か、可愛い。
そして俺はまた靉麗を撫でーーーようとしたところで、霧月姉がわざとらしい咳をした。


「涼太!お姉ちゃんもいるよ!」

「そうだね」

「靉麗だけじゃなくて、私とも遊ぼうよ!」

霧月姉はそう言って俺に飛んでくるので、俺は靉麗を抱えて霧月姉から逃げる。


「なんで逃げるの!」

「だって、いきなり飛んでくるから」

すると霧月姉は今度はゆっくり歩いて俺のところに来た。そして俺の前に来たと同時に、俺に抱きつこうとしてきた。なので俺はもう一度、靉麗を抱えて逃げる。


「なんで逃げるの!」

「だっていきなり抱きつこうとしてくるから」

俺がそう言うとまたも、俺の前に歩いてきて、立ち止まる。


「今から抱きつくね!」

「え、無理」

「なんでよ!」

霧月姉が少し泣きそうな顔をしながら俺に言ってくる。


「靉麗は良くて、私は...ダメなの?」

「靉麗は妹だし?」

「姉はダメなの?」

霧月姉がもうすぐ泣きそうだ。
仕方ないか...。俺は靉麗を離してから、霧月姉に近づいて抱きしめる。
今更だが霧月姉がどんな人か説明しようと思う。身長が高く、すらっとしているが、出る所は出ている。そして、性格も明るく、元気だ。多分すごくモテる。というかモテないとおかしいレベルだ。

なぜ今この説明をしたかと言うと、まあ抱きしめているからですね。今抱きしめているのが姉じゃなかったらやばかった気がする。
姉でもやばいかも、とか言ったらヤバイ奴なので、言わないことにしておこう。
言わないと思わないは別だがな。
俺はしばらく抱きしめてから、離す。
すると今度は霧月姉が抱きついてきた。
その様子を見ていた靉麗も後ろから抱きついてきた。ここまで来たら兄弟ですることではない気がするな...。

1分程、靉麗と霧月姉を堪能してから解放してもらう。姉と妹に堪能という言葉を使っている時点で俺はヤバイ気がする。いや、ヤバイな。

俺は離してもらってから、妹達に質問をする。


「俺はこれから瑞希とダンジョンに行くんだけど、靉麗と霧月姉はどうする?」

「どうするって?」

「一緒に行く?」

「行く!」

「私も行く...」

2人とも着いてきてくれるようで、俺は安心した。勇者はいつ魔王と戦わないといけないし、靉麗もこの世界にいるためには戦えるようになっておかないといけないので、兄としては心が痛むが、頑張ってもらわないといけないからな。まあ俺が守ってもいいんだけどな。だが、レベルを上げておいて損は無い。


「じゃあ取り敢えず、瑞希のところに行くか」

「うん!」

俺は霧月姉の返事を聞いてから、2人を連れて瑞希のところに向かった。そして、瑞希と合流してからダンジョンに向かう。
いつも通り馬車で向かったのだが、今までは3人だったが今は4人だ。さらにエリスも増える。少しきつくなりそうだな。
あ、そう言えばエリスのこと忘れてた。
もうダンジョンにいるんじゃないか?後で謝っておこう。
しばらく馬車に乗って、ダンジョンに着いた。そしてダンジョンの前にはエリスがいて俺を見つけるとすぐに駆け寄ってきた。


「遅くない!?何してたの!」

「まず、ごめんなさい」

俺は普通に謝る。土下座は嫌いだ。


「理由によるかな」

エリスは理由によっては許してくれないそうだ。まあ、妹達の話をすれば許してくれるだろう。俺はエリスに今までの経緯を話した。
すると予想通り許してもらえた。そしてエリスは靉麗と霧月姉をじっくりと見ている。


「この人たちがリョウタの妹さんとお姉さんなんだ」

「そうだけど?」

「可愛いね」

「そうだろ!」

流石はエリス、わかってるじゃないか。靉麗はすごい可愛いんだ。身長は低め、髪は一つ結びされており、目がくりくりしていて、とにかく可愛い。
そして霧月姉はさっき説明した通りだ。だがどちらかと言うと綺麗に分類されるだろう。俺と違って自慢の妹と姉だ。


「なんでリョウタがそんなに大きい声で叫んだのかは置いとくとして、一緒にダンジョン行くの?」

「ああ」

「そっか、じゃあそろそろ行こっか」

そう言って俺達はダンジョンの中へと入ろうとして、問題が起こった。


「そう言えば靉麗と霧月姉のダンジョン用転移石ないじゃん」

「「あ」」

エリスと瑞希は気づいたが、転移石自体知らない靉麗と霧月姉は何を言っているのか分からないと言った顔だ。なので俺はダンジョン用転移石について説明した。


「その転移石ってやつは必須だね!」

「私、にぃと一緒にダンジョン行けないの...?」

靉麗がすごく悲しそうな顔をする。
そんな顔をしないで!俺の心が痛むよ!
靉麗達と一緒に行きたいんだけど、俺はギルドの依頼を受けてるからな...どうしよう?
俺がそんなことを考えていると、瑞希が俺に声を掛けてきた。


「みんなで一緒に1階層から行こっか」

「それだと時間かかるぞ?」

俺の言葉に、瑞希は可愛く笑う。そして少し自慢気な顔で話し出す。


「私の幸運を全力で使えば一瞬で元の階層まで行けるよ!」

「その手があったか!」

俺は瑞希の言葉で自慢気になるのも納得できると思った。そして、皆で一緒に1階層から行っても問題ないことがわかったので、急いで靉麗と霧月姉のダンジョン用転移石を買いに行った。そしてすぐにダンジョンに入り、25階層へと急ぐ。前は2日かけてゆっくりと敵を倒しながら行ったが、今回はボス以外何も敵を倒さないで行く。すると3時間程で25階層に戻ってくることが出来た。


「まさかこんなに早く戻ってこれるとはな」

「そうだね、前の2日間は何だったんだろうね」

瑞希の言う通り本当に何だったんだろうな。
まあこれ以上考えたら悲しくなってくるので考えないでおこう。まあ取り敢えず階層主を靉麗と霧月姉に倒してもらうか。
今までの階層主はどうしていたかと言うと、瑞希か俺かエリスがワンパンしていた。
時間がもったいないからな。
俺は靉麗と霧月姉に階層主を倒してもらうことを伝える。


「靉麗、霧月姉、ここの階層主を倒してもらおうと思うんだけど、どう?」

「え!?いきなり!」

霧月姉が凄い驚いている。まあ、いきなり25階層のボス倒せとか言われたらアホかと思うわな。


「まあ、無理そうだったら瑞希が助けてくれるから大丈夫だよ」

「人任せすぎでしょ!」

瑞希がいきなり叫ぶ。人任せって言うけど、このダンジョンに潜ってるの瑞希の訓練のためなんだから、普通瑞希が倒すだろ。
俺とエリスはただの護衛兼アドバイス役だ。
ピンチになった時に助けるだけだからな。
ということで、靉麗達がピンチになった場合は瑞希が助けに入るということで決まりだな。


「よし、中に入るか」

俺はそう言って扉を開けて、安定の端っこに行く。今回は瑞希も一緒だ。靉麗と霧月姉はゆっくりと中心へと向かっていく。そして、昨日も見たあの気持ち悪いシロクマが出てくる。それを見た霧月姉と靉麗が叫んで、俺達の方へ走ってくる。まあそれが普通の反応だな。んー、戦闘は厳しいかな?だが少しだけ頑張って欲しいなー。よし最終手段を使うか。俺のところに来た靉麗と霧月姉に向かって提案をする。


「靉麗、霧月姉、あの魔物と戦ったら、1回だけなんでもいうこと聞いてあげるから頑張ってくれないか?」

俺がそう言うと、靉麗と霧月姉の目がやる気で溢れた。


「うん、頑張る!」

「にぃ、私も頑張る...」

「うん、頑張って」

やる気を出してくれてよかった。2人は返事をしてすぐに、戦闘準備を始める。
靉麗は手を敵に向けて、霧月姉はこの戦いでは情報収集は役に立たないので、剣を構えている。そして準備が終わったと同時に、シロクマが2人の方へと走り寄ってくる。
その様子に少し怯みながら、靉麗が魔法を撃つ。

『ファイアバレット』

そう唱えた瞬間、俺の目からしたら遅いが、普通の人からすれば超高速の、弾丸型の火が出てくる。それは敵を簡単に貫いた。


「やった...!」

靉麗が小さく喜ぶ。可愛い!
だが、敵は倒れなかった。敵のスピードは少し落ちたが変わらず2人の方へと走っている。
次は霧月姉だ。敵の方へと走っていく。
俺から見たら遅いが、普通の人からしたら超高速だ。弟への愛で、ステータスアップしてるし元々スピード速かったからな。
霧月姉は敵の首へと跳び、少し躊躇したが、思いっきり剣を横に払った。剣はしっかりと敵の首を捉えており、敵の首は切断された。そのまま敵は倒れた。
今回はドロップが無かったようで、何も落ちていない。幸運のすごさがわかるな。


俺は戦闘が終わった2人の元へと行き、労いの言葉をかけたのだった───。

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もうそろそろ改稿したいと思いつつも、出来ないという。

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